データ活用で大規模なサステナビリティーを実現
GPT社がESGデータ管理とレポート作成に体系的なアプローチを取り入れ、サステナビリティー実現へ前進
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夕暮れの街並み

廃棄物と排出量を削減しつつ、業務とコストを最適化するにはどうすれば良いのでしょうか?ある組織がその答えを追求し続けた結果、体系的なデータ主導のアプローチがヒントになることを突き止めました。

今回は、ある組織が求めるサステナビリティーとビジネス・レジリエンスの向上を実現させた方法をご紹介します。

オーストラリア証券取引所(ASX)の上場企業で、多様性のある不動産グループで知られるGPT Group社(ibm.com外部へのリンク)のサステナビリティー責任者であるSteve Ford氏は、数多くの業界技術作業部会に参加し、レポート作成における基準を開発した経験から、現在でも多くの企業が環境、社会、ガバナンス(ESG)に関する多種多様なデータの管理プロセスを、「多数のスプレッドシート、PDF、リンクされていないドキュメント」を通じて行っていることに驚いています。

これは、Ford氏と彼のチームが10年以上前からESGデータ管理のために導入してきた高度に自動化されたメカニズムとはまったく対照的です。その間、GPT社は一貫して「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティー・ワールド・インデックス」を上回り、GPT社の各ホールセール・ファンドは、「GRESBリアル・エステート・ベンチマーク」の上位5分位に位置付けられています。実際、GPT社は、オーストラリアの他のどの不動産所有者よりも多くのカーボン・ニュートラル・ビルディングとして認定された床面積を有しており(ibm.com外部へのリンク)、現在、S&P Global社による「コーポレート・サステナビリティー評価」では864社の不動産会社のトップにランクされています。

その原動力となっているのは、サステナビリティーに対する根強い企業文化とESGデータ管理への体系的なアプローチを融合するという、手ごわい組み合わせです。

しかし、いつもこうだったわけではありません。

10年ほど前、GPT社のサステナビリティー・チームは、サステナビリティーへの取り組みを加速させるという大きな課題に直面していました。エネルギー、水、廃棄物、排出量に関連するデータを管理するためにスプレッドシートや手動ツールを使用することは、受け入れられなくなりつつありました。独立型のレガシー・システムは、財務以外のサステナビリティー・データの照合を妨げていました。ESGレポート作成は面倒になりつつありました。

GPT社のシンクタンクは、企業のサステナビリティーの行く末を予想できました。「終局的には、ネット・ゼロ、あるいはカーボン・ニュートラルな成果にたどり着かなければなりません。それをエネルギーと気候関連の環境に対する影響を解決する答えだと考えない人は、間違っているのです」とFord氏は言います。その成果をより早く実現する方法の1つは、サステナビリティーのパフォーマンスを測定、管理、報告するための確かなデータを使用することだと、早い段階で認識しました。

そこで、GPT社は2011年に、現在IBM Envizi ESG Suiteとして知られているものを導入して、建物資産全体のESGデータ管理を合理化し、The National Greenhouse and Energy Reporting(NGER)(ibm.com外部へのリンク)スキームなどのコンプライアンス・レポート作成をサポートしました。過去10年間に、この導入は徐々に拡大し、インターバル・メーター分析サステナビリティー・プログラムの追跡などの追加の製品が含まれるようになり、サステナビリティーの向上を実現する機会を特定して管理しています。

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エネルギー強度の削減

 

ポートフォリオ全体においてエネルギー強度を52%削減

コスト削減

 

エネルギーと水のコストを年間で2,000万米ドル節約

 

 

排出量削減

 

2005年を基準として排出量を82%削減(2021年)

 

 

終局的には、ネット・ゼロ、あるいはカーボン・ニュートラルな成果にたどり着かなければなりません。それをエネルギーと気候に関連する環境への影響を解決する答えだと考えない人は、間違っているのです。 Steve Ford Head of Sustainability GPT Group
データに基づく意思決定、収益性の高い成果

GPT社のサステナビリティー・パフォーマンスの測定基準の完全かつ正確な計算は、IBM Envizi ESG Suiteの影響が最も大きかった分野の1つです。

「私たちは、水とエネルギーを管理して監視するために、10以上のさまざまなシステムを集めました。私たちは統合を目指していましたが、Enviziはそれを支援してくれました。Enviziは、レポート作成と監視を行えるシステムを提供しています。すべてが1つのプラットフォーム上で機能し、ログイン情報とインターフェース各1つで利用することができます。私たちが環境に与える影響の主な分野に関して言えば、良い情報がデータの形で提供されることで、良い意思決定に役立つのです」とFord氏は言います。

IBM Envizi ESG Suiteの高性能なデータ収集、正規化および構造化機能は、複数のソースと形式の環境データをサステナビリティー・チームの手元にシームレスに提供する上で極めて重要でした。「当社の環境管理システムに入力されるEnviziのデータであっても、同じデータが財務データやリース・データと並行して全社的な管理ダッシュボードに抽出される場合でも、これは重要な進化となっています。これは、エネルギー、水、材料、およびリサイクルのデータが、当社のコア・ビジネスである財務とリースのデータと同じくらい堅牢でアクセスしやすいと見なされるようになったということです」とFord氏は言います。

Ford氏は、信頼を得られる環境データが重要な理由について、次のように説明しています。「対処すべき資産が120件ありますが、問題を探しに行く時間がありません。ほとんどの人は、何か問題が発生した場合にデータにギャップがあることだけはわかりますが、Enviziを使用して欠損データ・レポートを実行すると、そのギャップがどこにあるかを正確に知ることができます。また、NGERS、GRI、NABERS、または社内チームに報告する場合、Enviziの[データ]タグ付け機能があれば、1つのデータが複数の異なる方法で報告されることになります。毎回わざわざ一からやり直す必要はありません」

2021年には、GPT社は2005年の排出量を82%削減しました(ibm.com外部へのリンク)。しかし、GPT社にとって、財務グレードのデータは、排出量削減やエネルギー効率に関してだけではなく、調達などの関連する分野全体でもよりスマートな意思決定を可能にしました。「四六時中、データを追跡していたら、調達において戦略的になる時間はないでしょうね。それが原因で、私のカウンターパートの多くは莫大なコストを抱えています」とFord氏は言います。

Ford氏のチームは最近、これらのフローオン効果を定量化するために、いくつかの数値を計算しました。「効率の改善と調達の節約をしなければ、エネルギー・コストが年間5,000万米ドル近く増加することになることがわかりました。エネルギーに約3倍の費用がかかることになり、私たちのビジネスにとって2番目に大きなコストであることを示しています」とFord氏は言います。

頼りになるサステナビリティーに関連する堅固なデータにより、GPT社はESGの透明性の力を利用することもできました。その優れた例が、GPT社の環境ダッシュボードです。これは、IBM Enviziによって取得、管理されたデータに基づき構築された公開デジタル「データ・パック」であり、GPT社の2005年のベースラインに対する資産パフォーマンス、現在の評価や認証情報を集約しています。このレポートについて、Ford氏は「データ・ポイントをEnviziのサポート・ドキュメントまでさかのぼって追跡できるため、私たちはあらゆるデータ・ポイントを支援できます」と述べています。

効率の改善と調達の節約をしなければ、エネルギー・コストが年間5,000万米ドル近く増加することになることがわかりました。 Steve Ford Head of Sustainability GPT
単なるプラットフォームではなく、ESGを体系化するパートナー

現在、IBM Envizi ESG Suiteは、財務グレードのESGデータの保守、信頼性の高いレポート、取り組みの追跡、上級管理職への説明、監査と保証のサポートを支援することで、GPT社がサステナビリティーへの取り組みのリーダーとしての地位を高める上で貢献しています。

「私たちは、単なるプラットフォームとしてではなく、プロセスを体系化するパートナーとしてEnviziと協力してきました」とFord氏は述べ、「十分な情報を得ているため、毎回適切な意思決定を下していると確信しています。そのため、物事により迅速に対応でき、つまりは、より多くのコストを節約できます。」と続けています。

これは、GPT社が達成した驚くべき財務的価値と排出削減量に表れています。「過去15年間、私たちの投資はエネルギー強度を52%削減しました。これは、年間2,000万米ドル以上の節約に相当します。他者にも負けない契約エネルギー節約額です。一部の管轄区域でメガワット時あたり200米ドルにも迫る現在の市場価格に換算すると、年間の節約額は5,000万米ドル近くになります。平均的な企業がコストの高い分野を見つけて、効率を50%向上させることができたらと想像してみてください」とFord氏は述べ、「良い情報がなければ実現できなかったでしょう。Enviziが長い間私たちの側にいてくれたおかげです」と付け加えています。

社内チーム、利害関係者、規制当局、監査人向けに一連の環境上のサステナビリティーに関するレポートを準備することは、Ford氏のチームの取り組みの大部分を占めています。IBM Enviziは、このプロセスを効率化する上で役立ちました。「Enviziを使用すると、高レベルのユーティリティー・アカウント・データから非常に詳細なサブメーター・データに簡単に切り替えることができます。また、データを証明するサポート・ドキュメントを添付できます。監査人が追加情報を必要とする場合は、Enviziにログインするだけで、ドキュメント自体を取り出すことができます。これにより、企業の締め切りを満たすようプレッシャーがかかるときでも、作業のサンプリングやデータ収集に何週間も費やす必要がなくなりました」とFord氏は言います。

注目すべきは、GPT社が体系的であることによって得られる肯定的なフィードバックです。「導入されているシステムは、評価者がこの分野で見た中で最高のものです。GPT社は、10年以上前にさかのぼる広範囲にわたる履歴情報を使用して、厳密なデータ収集と分析を行っています」と、GPT社の環境管理システムをISO14001:2015規格に認証する際に、Best Practice Certificationが言及しています。

一連のサステナビリティーの成果を振り返りながら、Ford氏はGPT社の次のデータ主導のプロジェクトについて検討しています。このプロジェクトは、サステナビリティーへの取り組みを現場レベルのチームに体系化することを目的としています。「キャプテン・プラネットは、進行中のすべてのイニシアチブをキャプチャーするプロジェクトで、結果をモデル化し、シニア・スタッフについては四半期ごとに、ジュニア・レベルについては日常的に追跡することができます。これは、ベースラインに対してより明確な目標を設定する上で役立ちます。私たちは、Enviziの導入を決め、マーケット・レビューの演習中にキャプテン・プラネットプロジェクトを実現しました。決定的な要因は、私たちのベースライン・データがEnviziにあることだけでなく、ユーザー・フレンドリーで直感的に操作できること、高性能なデータ可視化と予測ツールを備えていることでした」とFord氏は言います。

 

[1]https://www.gpt.com.au/sites/default/files/inline-files/GPT%20Sustainability%20Report%202021_1.pdf(ibm.com外部へのリンク)。

GPT社のロゴ
The GPT Group社について

GPT社(ibm.com外部へのリンク)は、オーストラリアのオフィス、物流、小売資産ポートフォリオを所有および管理する多様化された不動産グループで、資産総額は274億豪ドルを超えています。

同グループは1971年以来、オーストラリアで上場しています。GPT社は、世界の864の不動産会社を対象にしたS&P Global社による「コーポレート・サステナビリティー評価」において第1位に認められたESGのリーダーです。

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2022年12月米国で作成。

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