ホーム ケーススタディ Eljun 電気自動車の充電に関するシェアリング・エコノミーを構築
Eljun 社は IBM Cloud Code Engine を使用して電気自動車の所有者と充電ステーションの所有者を結び付けます
電気自動車の充電

スウェーデンは電気自動車革命を迎えようとしています。首都ストックホルムは最近、化石燃料車を2030年までに禁止する計画を発表しました。同国で最も有名な自動車メーカーであるVolvo社も、2030年までにすべての車を電気自動車化することを公約しています。

こうした取り組みが気候に大きな効果をもたらすことは間違いありません。しかし、Eljun社の最高技術責任者(CTO)であるTore Stenbock氏は、はるかに現実的な問題について思案しています。「電気自動車を支えるインフラストラクチャーの拡大が、電気自動車の業界自体の成長速度に追いついていません。利便性や快適性を損なわずに正常な流れを実現するためには、登録済みの電気自動車10台につき、少なくとも1基の充電ステーションが必要です」

さらに同氏はこう話します。「現在、スウェーデンの充電ステーションは自動車1台あたり約0.05基で、その値は減少しつつあります。欧州委員会によると、健全な値は少なくとも0.1です。しかも、電気自動車市場の急激な成長が本格化するのはこれからです。何らかの策を講じなければ、どこかで破綻をきたすことになります」

Stenbock氏とEljun社のチームは、スウェーデンのStartup with IBM Acceleratorチームからの支援と、IBM® Cloud Code Engineを利用して、その策を実現したいと考えています。

ステーション数


スウェーデンには現在14,000基の電気自動車充電ステーションが存在

拡張


スウェーデンは2030年までに300,000基の電気自動車充電ステーションを設置する計画

IBM Cloudを選んだのは、IBMがオープンソースのツールを多数採用しているからです。そのおかげで、自社開発の特定のソリューションへのロックインを回避できたのに加え、すべてのKubernetesクラスターをIBMへ非常に簡単に移行できました。 Tore Stenbock氏 最高技術責任者 Eljun
オープンソースのアプローチ

Eljun社がスウェーデンのStartup with IBM Acceleratorプログラムを知ったのは2020年4月のことです。それまで同社は、機能の開発や、潜在的なパートナーと投資家に向けたソリューションのデモンストレーションに重点を置いていました。Eljun社の構想は、電気自動車の所有者と充電ステーションの所有者との間で、双方にメリットがある形のネットワークを構築するというものです。電気自動車の所有者は同社のソリューションを利用して、便利な充電ステーションの場所を見つけることができます。一方、充電ステーションの所有者は、ステーションが空いている時間に収益を得る機会が得られます。

Eljun社はソリューションの主要機能の開発にKubernetesクラスターを使用していました。そこで、クラウド環境への移行にあたって、オープンソースのテクノロジーを採用しているプロバイダーを探しました。「IBM Cloudを選んだのは、IBMがオープンソースのツールを多数採用しているからです」とStenbock氏は言います。「そのおかげで、自社開発の特定のソリューションへのロックインを回避できたのに加え、すべてのKubernetesクラスターをIBMへ非常に簡単に移行できました」

ソリューションをIBMのクラウドに移行した後で、Eljun社は各種のマネージド・サービス・プラットフォームの検討を始めました。Eljun社のサービス・マネジメントは、情報の流れがある程度オンデマンドで発生するという点でニーズが独特です。「当社の処理の大部分は、誰かが充電ステーションを探すときか、充電の開始時または終了時に発生します」とStenbock氏は言います。「リソースを柔軟に利用できる手段が必要でした」

したがって、Eljun社のソリューションにはサーバーレス環境が最適だとStenbock氏はすぐに理解しました。Startup with IBM Acceleratorの担当者からIBM Cloud Code Engineを勧められたStenbock氏が決断を下すのに時間はかかりませんでした。「IBM Thinkのイベントでユースケースを目にして、IBM Cloud Code Engineへの移行をすぐに決めました。技術的にはバックエンドで動くKubernetesクラスターにすぎないからです。アプリケーションに必要な変更はわずかで済み、当社にとって移行は理にかなっていました」

現在Eljun社はIBMのプラットフォーム上で10種類以上のマイクロサービスを稼働しています。「スケールアップ、スケールダウン、スケールイン、スケールアウトの管理はすべてIBM Cloud Code Engineに任せられます。私はアーキテクチャーを設計するだけでよく、管理は自動で行われます」とStenbock氏は言います。

現在このアーキテクチャーは3種類のポータルで構成されています。1番目は利用者向けのモバイル・アプリです。充電ステーションの場所を見つけ、事前に予約できる機能があります。2番目は開発者ポータルです。パスワードで保護されており、パートナーがプロジェクトの参照、APIキーの取得、トークンへのアクセス、充電ステーションの登録などを行うことができます。3番目はオペレーション・ポータルです。クラブの作成やユーザーの連携など、Eljun社内のマネジメント活動のためのハブの役割を果たします。

IBM Thinkのイベントでユースケースを目にして、IBM Cloud Code Engineへの移行をすぐに決めました。技術的にはバックエンドで動くKubernetesクラスターにすぎないからです。アプリケーションに必要な変更はわずかで済み、当社にとって移行は理にかなっていました。 Tore Stenbock氏 最高技術責任者 Eljun
よりクリーンでつながりのある未来へ

Eljun社がスウェーデンの内外で、よりサステナブルな未来を見据える中、同社の成功を後押ししている要因の1つとしてStenbock氏が挙げるのがIBM Code Engineです。「第一に、IBM Cloud Code Engineへの支出は、すべてがお客様への価値提供につながっています。私たちの財務責任者にとっては非常に満足のいく成果です」

「加えて、IBM Cloud Code Engineはテストを迅速に行ううえでも役立っています。テストのために新しいKubernetesクラスター全体を起動する必要がありません。Code Engineの環境さえあれば、テストが必要になったときに、必要な分のリソースを確保できます。アクティブな開発が大幅に効率化されました」とStenbock氏は話しています。

Eljun社はIBM Event Streamsのベータ・ユーザーでもあります。Eljun社のプラットフォームは数多くの種類のイベントを処理します。直ちに処理が必要なイベントもあれば、例えばインフラストラクチャーの更新のように、非同期で処理できるイベントもあります。こうしてEljun社のイベント・ストリーミングの処理はここ数年で大きく進化しました。現在同社はKafkaを標準としています。「IBM Event StreamsはKafkaベースで、IBM Cloud Code Engineとの統合も容易であることから、実現はスムーズです」とStenbock氏は言います。

Eljun社は最終的にIBM® Watsonテクノロジーをソリューションに追加したいと考えています。予測分析を用いて、例えば天気に基づく提案や、充電ステーションのメンテナンス時期の予測などを実現する考えです。「このソリューションは頼りになるとの認識から来る安心感をお客様に与えたいと考えています。お客様はこのソリューションに参加し、コミュニティーに貢献し、充電ステーションから受動的収益を獲得しており、何も心配する必要はありません。このソリューションは頼りになります」

最後に同氏は次のように話しています。「スウェーデンで広く利用できる充電ステーションの数を約14,000基から約300,000基まで数年で増やす計画です。個人所有の充電ステーションすべてを何らかのシェアリング・エコノミーと連携できれば、インフラストラクチャーの問題は解消されます。人々が思っているよりずっと簡単です」

Eljun社のロゴ
Eljun社について

2020年設立で、スウェーデンのストックホルムを拠点とするEljun社(ibm.com外部へのリンク)は、連続的でサステナブルな変化の鍵を握るのは連帯だと考えています。そこで同社は、電気自動車の所有者と充電ステーションの所有者を結び付けるソリューションを開発しています。電気自動車の所有者はこのソリューションを利用することで充電ステーションを見つけやすくなります。充電ステーションの所有者は受動的収益を獲得する機会が得られます。

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2021 年 12 月

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