食品ロスの削減は、Coopグループの目指すこれまで以上にサステナブルな企業体制づくりの重要な要素であり、このビジョンを実現するために、同グループはすべての店舗にわたり製品の品揃えと数量を最適化することに注力しています。Coopグループは、SUSE Linux® Enterprise Server for SAP Applicationsを搭載した高性能のIBM® Power10サーバーを使用することで、SAP S/4HANA®のレポート作成を最大30%高速化しました。さらに迅速なデータ駆動型の意思決定により、効率的なビジネスを実現しています。

スイスに本社を置く大手食品メーカーのCoopグループは、さらにその上を目指して尽力しています。同社は環境への影響を減らし、2050年までにカーボンニュートラルを実現するという野心的な目標を設定しています。サステナビリティー戦略には、有機農業や地域生産への投資だけでなく、フェアトレード製品の広範囲な活用への投資も含まれ、同社はより良いスイス、より良い世界の構築に貢献しています。

ヨーロッパでは、生産される食品のうちの20%が失われてしまうか、廃棄されてしまい(ibm.com外部へのリンク)、小売店での売れ残りの食品の一部もこれに含まれます。Coopグループは、期限切れによる食品廃棄物の発生を最小限に抑えるために、全国の店舗ごとに最適な商品の品揃えと数量を算出しています。

Coopグループでは新規店舗の展開と同時に既存店舗の在庫の更新と最適化を並行して管理しているため、このタスクはより複雑になります。CoopグループのITアーキテクトのChristoph Kalt氏は、次のように述べています。「当社の成長に合わせて、マーチャンダイジングとロジスティクスに関連する各種のプロセスの信頼性と効率を高めていくことが重要です。計算量とメモリー量の増加により、一部の主要SAPアプリケーションではITリソース要件が年間20%ずつ増加していました」

SAPのワークロードやデータの増大に伴い、データ保護はますます困難になってきています。事実として、一部のデータ・バックアップはメンテナンス期限を過ぎていたため、災害復旧シナリオでのデータ損失のリスクが高まっていました。

「当社では、24時間週7日の業務を可能にするために、SAPソリューションを最大限に活用しています」と、Kalt氏は明言しています。「持続可能な成長を続けながら、ミッション・クリティカルなSAPシステムを24時間確実に保護するには、IT関連での充実度を高める必要があります。そのため、当社はより迅速なシステムを導入することで、インフラストラクチャーを拡張すると決断しました」

IBM Powerにより

100%

の可用性を11年間継続

IBM Power10サーバーでSAP S/4HANA FI/COのレポート作成を

30%

高速化

IBM Power10でのパフォーマンスの向上

長年にわたり、CoopグループはIBM Power®サーバーでミッション・クリティカルなSAPのソリューションを実行してきました。グループの継続的な拡大を確実にするために、Coopグループは再びIBMと提携し、最新世代のIBM Powerサーバーを検討することになりました。

Kalt氏は、「IBMと各種の構成を評価した結果、IBM Power10プロセッサーを備えた2台のIBM Power E1080サーバーを2つのデータセンターに導入することを決めました。当社はこのプラットフォームを使用して、最大かつ最も要求の厳しいSAP S/4HANAのビジネス・アプリケーションと、大容量のSAP HANAメモリー内データベースを稼働しています。これにより、年間のデータ増加率が20%で最大16 TBになります」と述べています。

これと並行して、Coopグループはさらに4台のIBM Power E1080サーバーを導入することで、ITインフラストラクチャーのモダナイズを図るとともに、小売店舗の展開に伴って増加するワークロードに対応するためのキャパシティーを確保しました。

Coopグループの「クラウド・コンピテンス・センター」のSystem Technology Unix Solutionsの責任者であるMichel Rodel氏は、「既存のIBM PowerプラットフォームをSAP HANA向けに拡張して、リソースを最大限に活用することにしました。今回導入した新しいIBM Power E1080サーバーでは、PowerVM®の仮想化技術を利用できるのでとても柔軟性が高く、既存のIBM Powerサーバーとの併用も可能になっています。これにより当社で最も重要なアプリケーションのパフォーマンスを向上させることで、在庫管理の最適化と効率的なロジスティクスを確実に実行できます」と述べています。

持続可能なパッケージのCoopグループの商品

さらにRodel氏は、「当社全体では、IBM PowerのSAP HANAデータベースを使用して40以上の実動システムを稼働させています」とも述べています。これには、SAP S/4HANA、SAP Customer Activity Repository for S/4HANA RetailSAP BW/4HANASAP Business Warehouseが含まれます。またCoopグループは、SAP for Retailソリューションに加えて、SAP ERP SAP Customer Relationship Managementソリューションも運用しています。

CoopグループはSAPソリューションをSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications(ibm.com外部へのリンク)上で実行し、構成管理のために、SUSE Manager(ibm.com外部へのリンク)とSaltを使用しています。これと並行して、同社は自動化されたDevOpsプロセスを使用してIT運用を標準化しています。

「当社ではハイブリッドクラウド環境を拡張することで、パブリッククラウドのインスタンスやサービスを、ミッション・クリティカルなオンプレミスのIBM Powerインフラストラクチャーと組み合わせて活用しています」とRodel氏は話しています。同社は、IBM Spectrum® Protect PlusIBM Spectrum Protectを使用して、オンプレミス環境のデータ保護を調整します。「当社ではインフラストラクチャー管理と監視機能をさらにモダナイズするために、将来的にIBM Power10プロセッサーを搭載したスケールアウト型のIBM Power S1022サーバーを多数導入することを計画しています」とRodel氏は述べています。

迅速なパフォーマンス、堅固な安定性、持続可能な運用

CoopグループはIBM Powerサーバーを幅広く業務に使用することで、プラットフォームの安定性を実際に体験しています。これについてKalt氏は、「なぜIBM Powerサーバーを使用するのですかとよく聞かれますが、答えは簡単です。ミッション・クリティカルなSAPのビジネス・アプリケーションを使用し続けて11年以上、一度もサーバー障害を経験していないからです。この信頼性があるからこそ、当社はサステナビリティーのビジョンに集中できるのです」と説明しています。

IBMのサポート・サービスとIBM Powerアーキテクチャーが長年にわたりエネルギー効率を着実に改善していることもまた、このソリューションに対するCoopグループの高いレベルの満足度につながっています。Kalt氏は、「IBM Power10の採用は、当社のデータセンターをより持続可能なものにしていくための第一歩です。IBMのサポート・サービスには、本当に感謝しています。IBM Powerの安定性、パフォーマンス、エネルギー効率、柔軟性、サポートは、誠に申し分がありません」と述べています。

「SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsを搭載したIBM Power10でSAP S/4HANAを稼働させたところ、30%も高速化されたタスクもありました。これは、IBM Power10 のパフォーマンスが向上したことを証明しています」とRodelは明言しています。「当社が使用するSAP S/4HANA のアプリケーションは、平均で30%高速化されているだけでなく、エンド・ユーザーのアプリケーション・パフォーマンスもより安定していて、ユーザーの満足度を向上させています」

IBM PowerVM®とLive Partition Mobilityを使用することで柔軟性が確保され、Coopグループは計画されたシステム・メンテナンス中でもビジネス・アプリケーションをオンライン状態に維持できるようになりました。Rodel氏は次のようにコメントしています。「信頼性と拡張性に優れたIBM Powerプラットフォームにより、当社はビジネス・ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するスケールアップ・アーキテクチャをシンプルなソフトウェア・クラスターで構築できました」

現在、CoopグループはIBM Power上で最大16 TBのSAP HANAデータベース・データベースを稼働し、年間20 %の成長率を維持しています。同社ではSAP S/4HANA RetailのSAP Customer Activity Repositoryを、12 TBメモリーを搭載する最大規模のデータベースで実行しています。これにより、同社はマーチャンダイジング・プロセスを最適化し、最新の在庫データを利用した革新的なサービス(オンライン・ショッピングの利便性を実店舗で体験できるクリック&コレクト・サービスなど)を提供できます。

「当社の規模の効率性は非常に重要です」と、Kalt氏は言います。「IBM Power10はその点で優れています。IBM Power10はIBM Power8と比較して、1 TBあたりのワット数でエネルギー効率が50%も優れています。このように電力消費量が改善されていることで、当社はより広範なサステナビリティー戦略を展開できます」

Coopグループは、IBM Technology Servicesと協力し、データ・バックアップ・アーキテクチャーの更新に取り組みました。同社は、IBM Spectrum® ProtectをIBM AIXとIBM Powerに導入しました。現在Coopグループでは、最初に基幹業務データをすべてディスクに書き込むことでバックアップを50%高速化し、ビジネス・ユーザーの処理速度の低下を最小限に抑えています。次のステップでは、データは必要に応じて迅速に復旧できるように、Write Once Read Many(WORM:書き込み1回、読み取り複数回)ストレージに保存されます。同社は2つのIBM TS4500 Tape Libraryソリューションを使用して長期保存用のテープ・バックアップを作成し、データ保護の追加レイヤーとして1件のコピーをオフサイトに保管しています。

「IBM Technology Servicesは素晴らしいですね」と、Rodelは述べています。「IBM Technology Servicesのネットワーク仮想化機能を活用することにより、当社はネットワーク・トラフィックの量を増加させることで、円滑なビジネス・オペレーションを確実に実行できました」

Coopグループはまた、構成管理とソフトウェア配信プロセスを標準化しています。「SUSE ManagerとSaltを使用することで、システムのアップデートとセキュリティーを維持するためにかかる時間を約20%短縮します」とRodel氏は明言しています。「カスタム・スクリプトからエンタープライズ・クラスのツールに移行することにより、構成ドリフトを減らして標準化を進めています」

Kalt氏は次のように締めくくります。「IBM Power10の優れたパフォーマンス、実証済みの信頼性、組み込みの暗号化機能により、当社は革新的なSAP S/4HANAでビジネスの変革、近代化、保護を継続できます」

COOPロゴ

Coopグループについて

Coopグループ(ibm.comが外部へのリンク)は、2,300以上の店舗とアウトレットを持つスイスおよびヨーロッパにおける主要な製造業者、小売業者、卸売業者です。Coopグループは、バーゼルに本社を置き、9万5000 人以上の従業員を雇用し、319億スイス・フラン(325 億米ドル)の年間売上を生み出しています。同グループは、サステナビリティー戦略をサポートし、食品ロスを削減するために、高度なロジスティクスに加えてローカルと地域の生産に焦点を当ています。

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2022年10月

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{\f3 UNIX }{\f17 は、米国およびその他の国における }{\f3 The Open Group }{\f17 の登録商標です。}

登録商標Linux®は、マークの所有者であるLinus Torvalds氏の独占的ライセンシーであるLinux Foundationからのサブライセンスに従い世界中で使用されています。

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記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。IBM 以外の製品とプログラムの操作またはサービスの評価および検証は、お客様の責任で行っていただきます。本書に掲載されている情報は現状のまま提供され、第三者の権利の不侵害の保証、商品性の保証、特定目的適合性の保証および法律上の瑕疵担保責任を含むすべての明示もしくは黙示の保証責任なしで提供されています。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsおよびSUSE ManagerはIBMの製品またはオファリングではありません。SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsとSUSE Managerは、場合により、製品やオファリングとともに提供されるSUSEの契約条件に基づいて、ユーザーに対して販売またはライセンス交付されます。SUSE Linux Enterprise Server for SAP ApplicationsとSUSE Managerの可用性、すべての保証、サービス、およびサポートは、SUSE社が直接ユーザーに提供し、ユーザーに直接責任を負うものとします。SAP S/4HANAとSAP HANAは、IBMの製品またはオファリングではありません。SAP S/4HANAとSAP HANAは、場合により、製品やオファリングとともに提供されるSAPの契約条件に基づいて、ユーザーに対して販売またはライセンス交付されます。SAP S/4HANAとSAP HANAの可用性、すべての保証、サービス、およびサポートは、SAP社が直接ユーザーに提供し、ユーザーに直接責任を負うものとします。

実際に使用可能なストレージ容量は、データが展開されているか圧縮されているかにより変動するため、記載された値よりも小さくなる場合があります。