TIER1、TIER2、および CPCSCOPE キーワードの DVIPA コンテンション解消

複数層の z/OS ワークロードのためのシスプレックス分散の最適化および DataPower によるシスプレックス分散で説明するように、シスプレックス・ディストリビューターは、シスプレックス内の z/OS® イメージ全体、および z/OS 以外のターゲットへのロード・バランシングをサポートしています。TIER1、TIER2、および CPCSCOPE キーワードは、このサポートで使用されます。これらのキーワードを使用する動的 VIPA (DVIPA) を定義するには、以下のガイドラインを使用します。

ガイドライン:

これらのガイドラインに従わない場合に、シスプレックスに既に存在する DVIPA から TIER1、TIER2、または CPCSCOPE キーワードが変更、追加、削除される際に生じる DVIPA 作成結果への変更点が、表 1表 2、および 表 3 で説明されています。

同じスタック上の既存の DVIPA に対して、同じプロファイルで、または後で VARY TCPIP,,OBEYFILE コマンドを使用して新しい定義を作成する場合は、表 1 を参照してください。新しい定義が処理される場合は、TIER1、TIER2、または CPCSCOPE の使用法を変更することはできません。これを試みると、新しい定義は拒否されます。

表 1. 同一スタック上の DVIPA 定義に対する DVIPA コンテンション解消
元の定義 変更後の定義 結果

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1

変更後の定義で元の定義が置き換えられます。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 または CPCSCOPE

構成の不一致。変更後の定義が拒否されます。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

2 つのスタックが同じ DVIPA を定義した場合、コンテンション解消は次のようになります。

表 2 は、同一 CPC のスタック間での DVIPA コンテンション解消の要約です。

表 2. 同一 CPC のスタック間での DVIPA コンテンション解消
スタック 1 - 早いほうのタイム・スタンプ スタック 2 - 遅いほうのタイム・スタンプ 結果

VIPADEFINE DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE DVIPA1
TIER1

遅いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 1 は DVIPA1 のバックアップになる

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

VIPADEFINE DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 または CPCSCOPE

構成の不一致。早いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

スタック 2 に対するプロファイル処理時の構成不一致:
  • スタック 2 が V1R11 以降の場合、早いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を拒否します。
  • スタック 2 が V1R10 以前の場合、新しいキーワードおよび不一致は認識せずに、DVIPA を定義します。スタック 1 は、スタック 2 が DVIPA を定義したことを認識したときに、すべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

スタック 2 に対するプロファイル処理完了後の構成の不一致。キーワードを使用しない定義が採用され、スタック 1 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

スタック 2 に対するプロファイル処理完了後の構成の不一致。キーワードを使用しない定義が採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

表 3 は、異なる CPC にスタックがある場合に使用されるその他のコンテンション解消規則の要約です。

表 3. 異なる CPC のスタック間での DVIPA コンテンション解消
スタック 1 CPC 1 - 早いほうのタイム・スタンプ スタック 2 CPC 2 - 遅いほうのタイム・スタンプ 結果

VIPADEFINE DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE DVIPA1
TIER1

遅いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 1 は DVIPA1 のバックアップになる

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 CPCSCOPE

最も早いタイム・スタンプが採用され、スタック 2 はその VIPADEFINE または VIPABACKUP ステートメントを削除します。これは、DVIPA が同一 CPC のスタック上でしか VIPADEFINE および VIPABACKUP 定義を持つことができないためです。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2 または CPCSCOPE

構成の不一致。早いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1 または TIER2

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

スタック 2 に対するプロファイル処理時の構成不一致:
  • スタック 2 が V1R11 以降の場合、早いほうのタイム・スタンプが採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を拒否します。
  • スタック 2 が V1R10 以前の場合、新しいキーワードおよび不一致は認識せずに、DVIPA を定義します。スタック 1 は、スタック 2 が DVIPA を定義したことを認識したときに、すべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

スタック 2 に対するプロファイル処理完了後の構成の不一致。キーワードを使用しない定義が採用され、スタック 1 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1

VIPADEFINE または
VIPABACKUP DVIPA1
TIER1、TIER2、または CPCSCOPE

スタック 2 に対するプロファイル処理完了後の構成の不一致。キーワードを使用しない定義が採用され、スタック 2 はすべての DVIPA1 定義 (VIPADISTRIBUTE ステートメントを含む) を削除します。