HiperSockets

HiperSockets™ は System z® ハードウェア機構の 1 つであり、追加または外部のハードウェア装置 (例えばチャネル・アダプターや LAN など) を何も使用せずに、同一の中央演算処理装置複合システム (CPC) 内での LPAR 間の高性能内部通信を提供します。

ホスト・プロセッサーが HiperSockets をサポートし、Communications Server が正しく構成されている場合は、Communications Server は、HiperSockets リンクまたはインターフェースを使用して、同じ CPC の LPAR 間で XCF 接続を作成しようとします。HiperSockets リンクまたはインターフェースを活動化できない場合には、TCP/IP は通常の XCF リンクまたはインターフェースを作成します。ただし、HiperSockets リンクまたはインターフェースが正常に活動化されて、その後、停止される場合には、TCP/IP は XCF リンクまたはインターフェースを作成しません。

DYNAMICXCF 用 HiperSockets デバイスおよびリンクまたはインターフェースは動的に構築されます。このデバイスまたはインターフェースは、TCP/IP DYNAMICXCF スタックの初期化時に開始されます。 DYNAMICXCF 用 HiperSockets デバイスとリンクおよびインターフェースは、構成できません。 生成される装置名は IUTIQDIO です。生成される IPv4 リンク名は IQDIOLNKnnnnnnnn です。ここで、nnnnnnnn は、DYNAMICXCF IP アドレスの 16 進数バージョンの文字表現です。 生成される IPv6 インターフェース名は IQDIOINTF6 です。一般に、XCF リンクまたはインターフェースが (CPC 内で) 通常使用されていた場所には、HiperSockets リンクまたはインターフェースが使用されます。

IUTSAMEH の場合と同様に、IUTIQDIO デバイスが開始されると、VTAM® は IUTIQDIO 用の TRLE を動的に構築します。TRLE ステートメントはユーザーによって構成 (定義) されません。

DYNAMICXCF 用 HiperSockets は、TCP/IP の DEVICE および LINK または INTERFACE ステートメントを用いて構成できるものでなく、TRLE はユーザーが定義しませんが、HiperSockets サブチャネル・デバイスおよび IQD CHPID を定義するには、以下のステップを使用する必要があります。

  1. システム管理者は、HCD または IOCP を使用して、該当する LPAR に対して HiperSockets IQD CHPID (チャネル・パス ID) およびサブチャネル・デバイスを定義する (IOCDS を作成する) 必要があります。HiperSockets TRLE の動的構築には、HCD 内に各 IQD CHPID 指定で構成された最小 3 本のサブチャネル・デバイスが VTAM に必要です。VTAM が (各 TRLE または MPC グループに関連して) 使用するサブチャネル・デバイスの最大数は 10 です。HiperSockets サブチャネル・デバイスおよび IQD CHPID の構成に関する詳細な追加情報については、「z/OS HCD 計画」および HCD の使用を参照してください。
  2. ある特定 LPAR に対して複数 IQD CHPID を構成時は、VTAM の開始オプション IQDCHPID を使用して、どの特定 IQD CHPID をこの LPAR が使用すべきかを指定する必要があります。この VTAM 開始オプションは、HiperSockets MPC グループ (IUTIQDIO) が DYNAMICXCF 用 HiperSockets 接続用に動的に構築時に、VTAM がどの IQD CHPID (および関連サブチャネル・デバイス) をこのグループに含めるために選択するかを制御します。開始オプション IQDCHPID は、DYNAMICXCF 用 HiperSockets デバイス IUTIQDIO (MPC グループ) の場合のみの VTAM IQD CHPID 選択を制御します。 ユーザー定義の HiperSockets デバイス (MPCIPA) 用の IQD CHPID 選択は制御しません。しかし、ユーザー定義の HiperSockets デバイス (IQD CHPID) では、DYNAMICXCF 用 HiperSockets デバイスが現在使用中のものと同じ IQD CHPID を使用することはできません (つまり、それと競合します)。

    例えば、IQD CHPID 'FE'x が いかのいずれかの条件のために DYNAMICXCF によって使用中である場合、 ユーザー定義の HiperSockets デバイス IUTIQDFE を構成および開始しようとする操作は 許可されません(IQD CHPID 競合)。

    1. VTAM 開始オプション IQDCHPID=FE が 指定されている
    2. VTAM 開始オプション IQDCHPID=ANY が 指定されているが、DYNAMICXCF 用 HiperSockets デバイス IUTIQDIO が 'FE' CHPID を使用している
    このオプションは、VTAM の変更コマンドで変更することもできます。ほとんどの場合、デフォルトの設定値で十分です。この開始オプションについて詳しくは、「z/OS Communications Server: SNA リソース定義解説書」を参照してください。

HiperSockets について詳しくは、HiperSockets の概念および接続を参照してください。