RDMA による共用メモリー通信の構成

以下のステップを使用して、RDMA による共用メモリー通信 (SMC-R) を構成し、使用を開始します。

始める前に

RDMA による共用メモリー通信のための環境のセットアップ を参照してください。

手順

SMC-R を構成するには、以下のステップを実行します。

  1. 必要に応じて、IPv4 IPAQENET DEVICE、LINK、および HOME 定義を INTERFACE 定義に変換します。 SMC-R 処理は、 INTERFACE 定義で構成された OSD インターフェースにのみ 提供されています。IPv4 IPAQENET DEVICE、 LINK、および HOME 定義から INTERFACE 定義への変換について詳しくは、IPv4 IPAQENET DEVICE、LINK、および HOME 定義を IPv4 IPAQENET INTERFACE ステートメントに変換するためのステップを参照してください。
  2. TCP/IP プロファイル内の GLOBALCONFIG ステートメントの SMCR パラメーターを構成します。 SMCR パラメーターには、以下のサブパラメーターが 含まれます。
    • PFID は、このスタックが使用する IBM® 10GbE RoCE Express® 機構用の PCI Express (PCIe) 機能 ID (PFID) 値を指定します。
      SMC-R を使用するには、 このスタックに対して少なくとも 1 つの PFID サブパラメーターをコーディングする必要があります。 また、冗長性を確保するのであれば、スタックごとに 2 つの PFID を各 PNet ID にコーディングする必要があります。
      • RoCE Express 機構が専用 RoCE 環境で動作する場合、RoCE Express 機構ごとに固有の PFID 値が必要ですが、同じ RoCE Express 機構を使用する各 TCP/IP スタックは同じ PFID 値を指定します。
      • RoCE Express 機構が共用 RoCE 環境で動作する場合、各 TCP/IP スタックが別々の LPAR に定義されていても、同じ RoCE Express 機構を使用する各 TCP/IP スタックは固有の PFID 値を必要とします。
    • PORTNUM は、各 PFID で使用される 10GbE RoCE Express ポート番号を指定します。

      各 PFID を 単一ポートのみを使用するように構成します。ポート番号は、1 または 2 を 使用できます。1 は、デフォルトのポート番号です。

      • RoCE Express 機構が専用 RoCE 環境で動作する場合、特定の 10GbE RoCE Express 機構にポート 1 またはポート 2 のどちらかを使用できますが、1 つの機構の両方のポートを使用するように z/OS® Communications Server を構成することはできません。 例えば、PFID 0018 PORTNUM 1 および PFID 0018 PORTNUM 2 を指定すると、同じ LPAR 内の別の TCP/IP スタックに指定した場合でも、アクティブ化される 2 番目のポートに対して 10GbE RoCE Express のアクティブ化処理中にエラーが発生します。
      • RoCE Express 機構が共用 RoCE 環境で動作する場合、各ポートが別々の PFID 値に関連付けられていれば、ポート 1 とポート 2 の両方を同時に使用できます。 例えば、PFID 0018 と PFID 0019 が同じ物理 RoCE Express 機構を指す場合、PFID 0019 PORTNUM 1PFID 0018 PORTNUM 2 と指定すれば両方のポートを使用できます。
    • MTU は、この PFID で使用される最大伝送単位 (MTU) を指定します。デフォルト値は 1024 です。詳しくは、RoCE 最大伝送単位を参照してください。
    • FIXEDMEMORY は、ステージングおよびリモート・メモリー・バッファーに使用できる メモリーの合計量をメガバイト単位で指定します。

      デフォルト値は 256 MB です。 ご使用の環境に適した値を選択するには、 ストレージに関する考慮事項を参照してください。

    • TCPKEEPMININTERVAL は、データを交換するために SMC-R プロトコルが 使用する TCP 接続にキープアライブ・プローブを送信するための 最小時間間隔を秒単位で指定します。

      デフォルト値は、300 秒です。 詳しくは、TCP キープアライブを参照してください。

    以下の GLOBALCONFIG ステートメントは、2 つの 10GbE RoCE Express 機構、PFID 0018 および PFID 0019 を定義します。それぞれの機構でポート 2 が使用され、SMC-R 通信に使用できる 64 ビット専用ストレージの最大量は 200 メガバイトです。TCPKEEPMININTERVAL と MTU の両方のデフォルト値が使用されます。
    GLOBALCONFIG SMCR 
        PFID 0018 PORTNUM 2 
        PFID 0019 PORTNUM 2 
        FIXEDMEMORY 200
    GLOBALCONFIG ステートメントの これらのサブパラメーターおよびその他の SMCR サブパラメーターについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。
  3. (オプション) IPAQENET および IPAQENET6 INTERFACE ステートメントに OSD チャネル・パス ID タイプ (CHPIDTYPE OSD) とともに SMCR パラメーターを 構成します。
    ヒント: SMCR は、OSD CHPID タイプの IPAQENET および IPAQENET6 INTERFACE ステートメントの デフォルト設定です。
  4. インターフェースを適切なサブネットまたはプレフィックスと関連付けます。
    • IPv4 インターフェースが SMC-R に適格になるには、TCP/IP プロファイル内の INTERFACE ステートメントにゼロ以外のサブネット・マスクを構成する必要があります。
      結果: SMC-R は、インターフェースが同じサブネット値を持つピア間でのみ 使用されます。
    • IPv6 インターフェースが SMC-R に適格になるには、インターフェースが 関連付けられている接頭部を少なくとも 1 つ持っている必要があります。
      規則: 接頭部は、以下のいずれかの方法で IPv6 インターフェースに 関連付けることができます。
      • 接続されているルーターからのルーター通知メッセージ上で受け取られた 接頭部
      • IPV6_OSPF_INTERFACE、IPV6_RIP_INTERFACE、または IPV6_INTERFACE ステートメント 上の PREFIX パラメーターを使用して OMPROUTE 内に構成される 接頭部
      • TCP/IP プロファイルの BEGINROUTES ブロック内の ROUTE ステートメントの インターフェース上で構成されている直接静的接頭部経路
      結果: SMC-R は、IPv6 インターフェースが共同で少なくとも 1 つの接頭部を持つ ピア間でのみ使用されます。
  5. (オプション) SMC-R 通信に VLAN を使用している場合、 OSD CHPID タイプの IPAQENET および IPAQENET6 INTERFACE ステートメント上に VLANID パラメーターを構成します。 詳しくは、VLANID に関する考慮事項を参照してください。
  6. (オプション) 主に短期間 TCP 接続を使用するサーバー・アプリケーションが ある場合、そのサーバー・ポートを使用している TCP 接続の SMC-R ランデブー処理を回避したい場合があります。 このサーバー・アプリケーションが使用するサーバー・ポートの PORT または PORTRANGE ステートメント上に 変更の始まりNOSMC変更の終わり を構成します。 詳しくは、z/OS Communications Server: IP 構成解説書を参照してください。
  7. IPAQENET および IPAQENET6 インターフェースを開始します。 最初の SMC-R 対応 OSD インターフェースがアクティブになると、z/OS Communications Server は、GLOBALCONFIG ステートメント内に定義されているすべての PFID を自動的に開始し、物理ネットワーク ID(PNet ID) が一致する OSD インターフェースに 10GbE RoCE Express インターフェースを関連付けます。PNet ID について詳しくは、物理ネットワークに関する考慮事項を参照してください。

次のタスク

SMC-R が他の機能と相互作用する方法について 詳しくは、他の z/OS Communications Server 機能と SMC-R の相互作用を参照してください。

SMC-R 通信の管理について 詳しくは、SMC-R 通信の管理を参照してください。