z/OS Load Balancing Advisor

z/OS® Load Balancing Advisor は、外部のロード・バランサーおよび 1 つ以上の Load Balancing Agent と通信します。 Load Balancing Advisor の主な機能は、外部 TCP/IP ロード・バランシング・ソリューション (Cisco Content Switching Module (CSM) など) に推奨データを提供することです。この推奨データは、新しい TCP/IP ワークロード要求を処理するのに、z/OS シスプレックス内のどの TCP/IP アプリケーションとターゲット z/OS システムが最適な機能を備えているかを示すデータです。 この外部のロード・バランサーは、これらの推奨データを使用して、ターゲットのアプリケーションとシステムに新たな要求を経路指定する方法 (つまり、各ターゲットに経路指定すべき要求数) を決定できます。Advisor が提供する推奨データは動的なもので、ターゲット・システムとアプリケーションの状態の変化に従って変更される可能性があります。この推奨データには、次のような複数の主要コンポーネントがあります。

図 1 は、ロード・バランサー、z/OS Load Balancing Advisor、および Load Balancing Agent の間の関係を示しています。

図 1. z/OS Load Balancing Advisor
Advisor、外付けロード・バランサー、および Agent の間の関係を示す図

ロード・バランサーは、バランス操作対象のシステムおよびアプリケーションの一覧と一緒に構成されています。ロード・バランサーは、アプリケーションについては、IP アドレス、ポート、およびプロトコルを指定し、システムについては IP アドレスを指定して、Load Balancing Advisor に伝えます。Advisor には、その Advisor のデータを Agent が更新するポーリング間隔が構成されています。Advisor には、データ収集に使用できる、許可されたロード・バランサーのリスト、および許可された Load Balancing Agent のリストを構成することができます。あるいは AT-TLS サポートを使用して、ロード・バランサーおよび Load Balancing Agent に許可を提供することができます。それぞれの Agent は、その Agent が所属する z/OS システムで、そのシステムで実行されている TCP/IP スタックおよびアプリケーションに関するデータを収集します。

Agent には、Advisor との接触に必要な情報が構成されています。 Advisor はすべての Agent からのデータを統合し、その結果のデータをロード・バランサーに戻して、システムおよびアプリケーションの状況についてロード・バランサーに報告します。

z/OS Load Balancing Advisor を使用する前に、z/OS Load Balancing Advisor の使用準備のステップ で説明したように、(z/OS 上の AT-TLS を使用した) TLS/SSL を使用する必要があるかどうか、どのような TCP/IP のワークロードをロード・バランシングするのか、どのようなロード・バランシング・ソリューションを使用するのかといった、使用環境の特性を考慮する必要があります。