環境変数は、Communications Server 構成のさまざまなプロセスがアクセスできる値が割り当てられた、名前付き変数です。 アプリケーションは、環境変数を使用してその固有環境の特性を定義します。 多くの z/OS® Communications Server アプリケーションは、環境変数を使用して、構成情報を、Language Environment® ランタイム機能、OMVS、リゾルバー、およびアプリケーションそのものに提供します。
環境変数を指定するには、以下のいずれかの基本方式を使用します。
以下に例を示します。
//CONFHFS EXEC PGM=SYSLOGD,REGION=4096K,TIME=NOLIMIT,
// PARM='ENVAR("TZ=EST5EDT")/-c -i -f /user1/syslogd.conf'
このメソッドは、PARM 値の最大長が 100 文字に制限されているので、1 つまたは 2 つの環境変数のみが必要な場合に役立ちます。
以下に例を示します。
//CONFHFS EXEC PGM=SYSLOGD,REGION=4096K,TIME=NOLIMIT,
// PARM='ENVAR("_CEE_ENVFILE_S=DD:STDENV")/-c -i'
このメソッドは、複数の環境変数が必要な場合に役立ちます。
DD ステートメント STDENV は、z/OS ファイル・システム (zFS) ファイルまたは MVS™ データ・セットを指すことができます。
//STDENV DD PATH='/etc/syslogd.env',PATHOPTS=(ORDONLY)
//STDENV DD DISP=SHR,DSN=TCPIP.SYSLOGD.ENV(SYSLOGD)
_CEE_ENVFILE_S 環境変数を使用する場合は、データ・セット編成は、順次データ・セットにするか、あるいはレコード・フォーマット Fixed (固定長)、Fixed Blocked (ブロック化された固定長)、Variable (可変長)、または Variable Blocked (ブロック化された可変長) の区分データ・セットのメンバーにすることができます。 各レコードの末尾から、末尾ブランク・スペースは削除されます。
等号 (=) が入っている各レコードは、環境変数と見なされます。 等号の前のテキストは、環境変数の名前です。 等号の後のテキストは、環境変数の値です。 名前と値の大/小文字は変更されません。
_CEE_ENVFILE_COMMENT をファイル内の最初の環境変数として使用して、環境変数ファイルにコメントを組み込むことができます。 以下に例を示します。
_CEE_ENVFILE_COMMENT=#
###################################################
# SYSLOGD environment variables
# Last update = 2012/04/25
###################################################
SYSLOGD_CODEPAGE=IBM_1047
SYSLOGD_DEBUG_LEVEL=0
_CEE_ENVFILE_COMMENT 環境変数に指定されている文字は、レコードの列 1 で使用され、レコードがコメント・レコードであり、無視してよいことを示します。
環境変数の使用について詳しくは、「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」を参照してください。
Language Environment および UNIX システム・サービスにも環境変数があります。これら他の変数については、「z/OS UNIX System Services ユーザーズ・ガイド」の『シェル変数を理解する』を参照してください。
表 1 は、z/OS Communications Server とそのアプリケーションによって明示的に設定または使用される、いくつかの一般的な環境変数に関する詳細情報の参照先をリストしています。
環境変数 | 説明 | 参照先 |
---|---|---|
_BPX_JOBNAME | アプリケーションが新規アドレス・スペース (FTPD) を作成した場合にジョブ名を変更します。 | 「z/OS UNIX System Services 計画」の _BPX 環境変数 |
_BPXK_SETIBMOPT_TRANSPORT | 特定の TCP/IP スタックに対するトランスポート・アフィニティーを要求します。 | 「z/OS UNIX System Services 計画」のトランスポート・アフィニティーの要求 |
_CEE_ENVFILE | 環境ファイルの名前 (末尾ブランクはそのまま残されます)。 | 「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の _CEE_ENVFILEz/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド |
_CEE_ENVFILE_S | 環境ファイルの名前 (末尾ブランクは各レコードから削除されます)。 | 「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の _CEE_ENVFILE_S |
_CEE_ENVFILE_COMMENT | レコードがコメント・レコードであり、無視してよいことを示す、ENVFILE のレコードの列 1 の文字。 | 「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の _CEE_ENVFILE_COMMENT |
_CEE_ENVFILE_CONTINUATION | 環境変数値が次のレコードに続くことを示す、レコード内の最後の非スペース文字。 | 「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の _CEE_ENVFILE_CONTINUATION |
RESOLVER_CONFIG | TCPIP.DATA データ・セットの名前 | 「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」の TCP/IP アドレス・スペース・パラメーターの指定 |
表 2 は、特定の z/OS Communications Server アプリケーションによって明示的に設定または使用される環境変数に関する詳細情報の参照先をリストしています。