Linux: 保守レベルのアップデートの適用

RPM を使用することにより、IBM® WebSphere® MQ for Linux に保守レベルのアップデートを適用する方法。

始める前に

複数の IBM WebSphere MQ (IBM WebSphere MQ バージョン 7.0.1、フィックスパック 6 以降) がインストールされているサーバーで実行している場合、インストール済み環境を指定する必要があります。入力するコマンドが正しいインストール済み環境に対して実行されることを確認してください。setmqenv を参照してください。

キュー・マネージャーと同じサーバー上にインストールされていない IBM WebSphere MQ MQI クライアント から保守を適用/削除できます。キュー・マネージャーを停止させる必要も、管理者としてログオンする必要もありません。 キュー・マネージャーを停止させる必要がないため、次の保守手順において 1 から 3 までのステップは実行しません。
重要: pax および rpmbuild は、製品の一部として提供されなくなりました。 これらを Linux ディストリビューションのサプライヤーから入手する必要があります。

このタスクについて

保守レベルのアップデートは Red Hat Package Manager (RPM) アップデート・イメージの形式で配信され、これらのアップデート・イメージは RPM インストール・ツールを使用して適用されます。

保守レベルのアップデートを除去して以前のレベルを復元できるように、アップデート・イメージ用の追加ディスク・スペースが必要です。アップデートされたファイルは、MQ_INSTALLATION_PATH/maintenance ディレクトリーに保管されます。 このディレクトリー、またはこのディレクトリーに含まれるファイルは、削除したり移動したりしないでください。

MQ_INSTALLATION_PATH は、IBM WebSphere MQ がインストールされている上位ディレクトリーを表します。

アップデートは、累積方式です。 したがって、最初に以前のアップデートを適用しなくても、 選択したアップデートを直接適用することができます。保守レベルのアップデートには、1 つ以上のパッケージに対応するアップデートが含まれる場合があります。 インストール済み環境に適用されているパッケージに対応する、アップデートの部分を適用しなければなりません。

重要: そのレベルの製造リフレッシュ・イメージから実行されるインストールと同じレベルのフィックスパックをインストールすることは可能ですが、このプロセスは試行するべきではありません。 既にシステムにインストールされているものと同じレベルのフィックスパックをインストールすると、IBM WebSphere MQ のインストール済み環境に対してシステムのパッケージ管理データベースが不整合状態のままになる可能性があります。

手順

  1. group mqm にユーザーとしてログインします。
  2. IBM WebSphere MQ インストール済み環境を使用するすべてのアプリケーションを停止します。

    IBM WebSphere MQ Managed File Transfer (MFT) コンポーネントを使用する場合は、すべての MFT エージェントで実行されていたすべてのファイル転送が完了したことを確認してください。 エージェントに関連した転送を未完了のまま残さないでください。また、SYSTEM.FTE.STATE キューにメッセージを入れておかないでください。

  3. IBM WebSphere MQ インストール済み環境に関連したすべてのキュー・マネージャーのアクティビティーを終了します。
    1. dspmq コマンドを実行して、システムのすべてのキュー・マネージャーの状態のリストを表示します。

      更新するインストール済み環境から以下のコマンドのいずれかを実行します。

      dspmq -o installation -o status
      dspmq -a

      dspmq -o installation -o status は、すべての IBM WebSphere MQ インストール済み環境について、関連付けられたキュー・マネージャーのインストール済み環境名と状況を表示します。

      dspmq -a は、このコマンドを実行するインストール済み環境に関連付けられているアクティブなキュー・マネージャーの状況を表示します。

    2. MQSC コマンド DISPLAY LSSTATUS(*) STATUS を実行して、キュー・マネージャーと関連付けられているリスナーの状況のリストを表示します。
      echo "DISPLAY LSSTATUS(*) STATUS" | runmqsc QmgrName
    3. endmqm コマンドを実行して、このインストール済み環境と関連付けられた稼働中の各キュー・マネージャーを停止します。
      構文図を読む構文図をスキップする
                 .- -c-.             
      >>-endmqm--+- -w-+--QmgrName-----------------------------------><
                 +- -i-+             
                 '- -p-'             
      
      

      endmqm コマンドは、アプリケーションに対して接続先のキュー・マネージャーが停止することを通知します。キュー・マネージャーの停止を参照してください。

      • 保守が続行するために、アプリケーションは endmqm コマンドに応答して、キュー・マネージャーから切断し、ロードした IBM WebSphere MQ ライブラリーを解放しなければなりません。そうしない場合、アプリケーションを停止するなど、強制的にアプリケーションに IBM WebSphere MQ リソースを解放させる別の方法を検討する必要があります。
      • さらに、インストール済み環境の一部であるクライアント・ライブラリーを使用しているアプリケーションも停止する必要があります。クライアント・アプリケーションは、異なる IBM WebSphere MQ インストール済み環境を使用している、異なるキュー・マネージャーに接続している可能性があります。現在のインストール済み環境にあるキュー・マネージャーがシャットダウンすることについて、そのアプリケーションは通知を受けません。
      • インストール済み環境からの IBM WebSphere MQ 共有ライブラリーをアプリケーションがロードし続けていると、IBM WebSphere MQ 保守を適用できません。アプリケーションはキュー・マネージャーから切断されても、または強制的に切断されても、IBM WebSphere MQ 共有ライブラリーをロードしたままの場合があります。
    4. 以下のコマンドを使用して、キュー・マネージャーに関連付けられたリスナーを停止します。
       endmqlsr -m QMgrName
  4. root としてログインするか、su コマンドを使用してスーパーユーザーに切り替えます。
  5. 保守パッケージを含むディレクトリーに変更します。
  6. ls コマンドを実行して、使用可能なアップデートをリストします。

    例えば、ランタイム、SDK、およびサーバーのパッケージに対するレベル 1 の保守アップデートがある場合には、次のようになります。

      MQSeriesRuntime-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm
      MQSeriesSDK-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm 
      MQSeriesServer-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm 
    R はリリースの番号です。
  7. rpm コマンドを実行して、サーバーにインストール済みのパッケージを検索します。

    次のコマンドを入力します。

    rpm -qa | grep MQSeries
    例えば、最小の IBM WebSphere MQ インストールおよび SDK コンポーネント (レベル 0) がある場合、 rpm コマンドは、次のように返します。
      MQSeriesRuntime-7.R.0-0
      MQSeriesSDK-7.R.0-0
      MQSeriesServer-7.R.0-0
    R はリリースの番号です。
  8. (システムでの最初のインストール済み環境を除く) インストール済み環境でこのフィックスパックがアップグレードされる場合、システムにインストールする固有のパッケージ・セットを作成して使用するために crtmqfp コマンドを実行してください。 なお、これがシステム上の最初で唯一の IBM WebSphere MQ インストール済み環境である場合は、このステップを無視できます。 crtmqfp コマンドを Linux で実行するには、pax コマンドがインストールされている必要があります。
    1. コマンド ./crtmqfp <suffixname> を実行します。ここで、suffixname は基本レベル IBM WebSphere MQ インストールの名前変更時に使用した接尾部と同じものです。
    2. crtmqfp コマンドの完了時に現行ディレクトリーを指定された場所に設定します。 このディレクトリーは、固有のパッケージ・セットが作成される /var/tmp/mq_rpms のサブディレクトリーです。各パッケージのファイル名には suffix 値が付けられます。

      例えば、基本レベル IBM WebSphere MQ インストールの再パッケージ中に接尾部 1 を使用した場合、コマンド crtmqfp 1 を入力します。

      /var/tmp/mq_rpms/1/xxxx という名前のサブディレクトリーが作成され、パッケージは MQSeriesRuntime-7.R.0-1.xxxx.rpm から MQSeriesRuntime_1-7.R.0-1.xxxx.rpm のように名前変更されています。R はリリースの番号です。

  9. rpm コマンドを実行して、システム上のパッケージ用のすべての使用可能なアップデートを適用します。
    • デフォルトの場所 (/opt/mqm) のインストール済み環境を更新する場合、次のようにします。
      rpm -ivh MQSeriesRuntime-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm
        MQSeriesSDK-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm
        MQSeriesServer-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm 
      R はリリースの番号です。
    • カスタム・ロケーションのインストール済み環境を更新する場合 rpm prefix オプションを指定します。
      rpm --prefix /opt/customLocation -ivh MQSeriesRuntime-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm
        MQSeriesSDK-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm
        MQSeriesServer-Uxxxx-7.R.0-1.i386.rpm 
      R はリリースの番号です。

    現在システムにインストールされているパッケージに対応した保守アップデートの、すべてのパッケージを適用する必要があります。

  10. 現在、使用可能なパッケージをリストするには、ステップ 7 を繰り返します。

    ランタイム、SDK、およびサーバーのパッケージがレベル 1 になっていることがわかります。

      MQSeriesRuntime-7.R.0-0
      MQSeriesSDK-7.R.0-0
      MQSeriesServer-7.R.0-0
      MQSeriesRuntime-Uxxxx-7.R.0-1
      MQSeriesSDK-Uxxxx-7.R.0-1
      MQSeriesServer-Uxxxx-7.R.0-1
    R はリリースの番号です。
    注:

    IBM WebSphere MQ フィックスパックをインストールした後に rpm-verify または rpm -V コマンドを実行した場合、正しい結果は返されません。その場合、MQ_INSTALLATION_PATH/maintenance の欠落ファイルに関する誤った結果が生じます。

    このエラー・メッセージは、IBM WebSphere MQ フィックスパック・インストール・コードの既知の制約であるため、無視することができます。このエラーの詳細については、WebSphere MQ Fix Pack install errors - Linux reports errors を参照してください。

次のタスク

RPM を使用してソフトウェア・パッケージをインストールする方法の詳細については、ご使用の Linux の資料を参照してください。

タスク タスク

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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: 2018 年 10 月 2 日 (火)
http://www.ibm.com/support/knowledgecenter/SSFKSJ_7.5.0/com.ibm.mq.mig.doc/com.ibm.mq.mig.doc/q008050_.htm lq10860_