データベース・アプリケーションのアップグレードに関する重要事項

アプリケーション開発サポートの変更、新機能、廃止された機能、および非推奨の機能は、 バージョン 11.1にアップグレードした後に、データベース・アプリケーション、スクリプト、およびツールに影響を与える可能性があります。

オペレーティング・システムのサポート

サポートされるオペレーティング・システムの完全なリストについては、 Db2® データベース製品のインストール要件を参照してください。 現行バージョンのオペレーティング・システムがサポートされていない場合は、 バージョン 11.1をインストールする前にアップグレードする必要があります。

UNIX オペレーティング・システムでは、64 ビット・カーネルのみがサポートされます。 32 ビット・インスタンスが バージョン 11.1 64 ビット・インスタンスにアップグレードされます。

ご使用のオペレーティング・システムの最新バージョンにアップグレードする場合、または 64 ビット・カーネルをインストールする場合は、 バージョン 11.1 にアップグレードした後に、すべてのデータベース・アプリケーションおよび外部ルーチンを再ビルドして、それらがオペレーティング・システム内の新しいランタイム・ライブラリーを使用するようにします。

開発ソフトウェア・サポート

開発ソフトウェア・サポートも変更されました。 パフォーマンスを向上させて、技術サポートの問題を防ぐには、最新バージョンの開発ソフトウェアでアプリケーションをビルドし直す必要があります。 開発ソフトウェア要件 のサポートの変更点を確認します。

アプリケーション・ドライバー

IBM® Data Server Driver for JDBC and SQLJ には、 JDBC 3.0 以前のメソッドを使用するアプリケーション用の db2jcc.jar クラス・ファイルと、 JDBC 4.0 以降のメソッドまたは JDBC 3.0 以前のメソッドを使用するアプリケーション用の db2jcc4.jar クラス・ファイルが含まれています。 バージョン 9.7 で JDBC 4.0 以降をサポートするドライバーと、このドライバーの以前のリリースとの動作の違いを管理するには、 IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJを使用する Java™ アプリケーションをアップグレードします。 詳しくは、 IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ を参照してください。

Db2 JDBC タイプ 2 ドライバーは、 バージョン 10.1で廃止されました。 IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ をタイプ 2 接続で使用するには、Java アプリケーションおよび外部ルーチンを変更する必要があります。

JDBC 3.0 をサポートする IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ のバージョンと Db2 JDBC タイプ 2 ドライバーの動作の違いを管理するには、 Db2 JDBC タイプ 2 ドライバーを使用する Java アプリケーションをアップグレードします。 詳しくは、 Db2 JDBC タイプ 2 ドライバーを使用する Java アプリケーションのアップグレード を参照してください。

すべての Db2 データベース製品バージョンおよびフィックスパックで提供される IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ のバージョンについて詳しくは、「 Db2 および IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ レベル 」を参照してください。 これらのドライバーの違いについて詳しくは、 JDBC IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJのバージョン間の相違点 を参照してください。

CLI アプリケーション、 Db2 CLP インターフェース、および .Net Data Provider クライアントは、Secure Sockets Layer (SSL) をサポートします。 IBM Global Security Kit (GSKit) は、Secure Sockets Layer (SSL) サポートのための暗号化サービスを提供します。 GSKit をダウンロードしてインストールする方法など、クライアントで SSL を有効にする方法について詳しくは、 非 Java での Secure Sockets Layer (SSL) サポートの構成 Db2 クライアント を参照してください。

Db2 API および Db2 コマンド
以下のトピックを確認して、 バージョン 11.1Db2 API および Db2 コマンドの変更によって影響を受けるアプリケーションおよびスクリプトがあるかどうかを判別してください。
SQL ステートメント

バージョン 11.1SQL ステートメントに対する変更 を確認して、これらの変更によって影響を受けるアプリケーションおよびスクリプトがあるかどうか、およびこれらの変更を管理する方法を判別します。 式に含まれる型なし NULL キーワードやプロシージャー・パラメーターに含まれる DEFAULT キーワードなどの新しい機能を導入するためには、 これらの変更に適合するようにアプリケーションを変更する必要があります。

システム・カタログ・ビューと組み込み管理ルーチンおよびビュー

データベースを バージョン 11.1にアップグレードした後も、SYSCAT スキーマの下のシステム・カタログ・ビューは、以前のリリースで定義したカタログ・ビューとの互換性を維持します。 ただし、一部のシステム・カタログ・ビューでは、新しい列、列の長さの延長、またはデータ・タイプが変更になった列があります。

SQL 管理ルーチンでは、新しいパラメーターが追加されたり、新しい列が戻されるようになったりするなどの変更点があります。 また、組み込み管理ルーチンやビューに置き換えられたルーチンもあります。 さらに、SNAPSHOT_ で始まる名前のすべての組み込み表関数は廃止されました。

システム・カタログ・ビューと組み込み管理ルーチンおよびビューへの変更によって、ご使用のアプリケーションとスクリプトが影響を受けるかどうかを判別するには、次の各トピックについて調べてください。
オプティマイザーと照会実行プラン

オプティマイザーの改良点を活かすために、静的にバインドされたパッケージがあればアップグレード後に再バインドします。

データベース・パッケージ

データベースをアップグレードすると、ユーザー・アプリケーションとルーチン用のすべてのパッケージが無効な状態になります。 パッケージが、ドロップした表、ビュー、別名、索引、トリガー、参照制約、表チェック制約などのデータベース・オブジェクトに依存している場合、それらのパッケージも無効な状態になります。 UDF をドロップすると、パッケージは作動不能な状態になります。

無効なパッケージは、アプリケーションがそれらに最初にアクセスする必要があるときにデータベース・マネージャーによって自動的に再バインドされますが、再バインドがいつ発生するかを制御し、起こりうる問題を解決するために、 データベース・パッケージを再バインドします 。 データベース・パッケージを手動で再バインドする追加の利点については、「 オプティマイザーの機能拡張 」セクションを参照してください。

Db2 サーバーの動作

一般に、Db2 サーバーの動作はリリース間で互換性を持っています。 ただし、新しい機能をサポートするため、 あるいは既存の機能のパフォーマンスを向上させるために、動作の変更があります。 Db2 サーバーの動作変更 を確認して、これらの動作変更がアプリケーションに与える影響を判断してください。

ご使用の Db2 サーバーをアップグレードした後で、レジストリー変数と構成パラメーターの値を、アップグレード前の値と比較して、アプリケーションの必要上変更すべき値があれば変更します。

クライアントの接続サポート

アプリケーションは、バージョン 11.1 より前のクライアントを使用して、 バージョン 11.1 サーバーのデータベースにアクセスできます。 ただし、アプリケーションはそのクライアントで使用可能な機能に制限されます。 「クライアントのアップグレードに関する重要事項 (Upgrade Essentials for clients)」 を参照して、クライアント接続の詳細を確認し、 Db2 クライアントに影響を与える可能性があるサポートの変更を特定します。

Db2 バージョン 9.7 からのアプリケーションのアップグレード
Db2 バージョン 9.7 からアップグレードする場合は、アプリケーション・ドライバー・サポートの変更、32 ビットおよび 64 ビットの Db2 サーバー・サポート、およびより前のバージョン 11.1 リリース間で廃止された機能のうち、アプリケーションおよびスクリプトにも影響を与える可能性があるものを検討してください。