クライアントのアップグレードに関する重要事項

クライアントを Db2® バージョン 11.1 にアップグレードするには、アップグレードの概念、アップグレード・オプション、アップグレードの制約事項、アップグレードの推奨事項、およびクライアントと Db2 サーバー間の接続について理解している必要があります。

クライアントのアップグレードの内容を完全に理解したら、クライアントを Db2 バージョン 11.1に正常にアップグレードするための独自の計画を作成できます。

クライアントのアップグレードに関するトピックで、 Db2 バージョン 11.1 クライアント という用語は、 バージョン 10.1、および バージョン 9.7 クライアントを指しています。

クライアントのアップグレード・オプション
アップグレード・オプションは、インストールするクライアントのタイプによって異なります。 以下の表で、 Db2 バージョン 11.1 クライアントの各タイプのアップグレード・オプションについて説明します。
表 1. Db2 バージョン 11.1 クライアントのアップグレード・オプション
アップグレード元 アップグレード先 アップグレード・サポートの詳細
  • バージョン 10.1 Data Server Client
  • バージョン 9.7 Data Server Client
(Windows)
Db2 バージョン 11.1 Data Server Client(Windows) 以下の 2 つのオプションがあります。
  • Db2 バージョン 11.1 Data Server Clientをインストールし、 「既存の処理」 ウィンドウで 「アップグレード」 アクションを使用して、Db2 バージョン 11.1 より前のクライアント・コピーを選択します。 クライアント・インスタンスが自動的にアップグレードされます。
  • Db2 バージョン 11.1 Data Server Clientの新規コピーをインストールしてから、既存のクライアント・インスタンスを手動でアップグレードします。
  • バージョン 10.1 Data Server Runtime Client
  • バージョン 9.7 Data Server Runtime Client
(Windows)
Db2 バージョン 11.1 Data Server Runtime Client(Windows)
  • Db2 バージョン 11.1 Data Server Runtime Client を新規コピーとしてインストールしてから、既存のクライアント・インスタンスを手動でアップグレードします。
すべての バージョン 10.1または バージョン 9.7 クライアント (Linux® または UNIX) すべての Db2 バージョン 11.1 クライアント (Linux または UNIX)
  • Db2 バージョン 11.1 クライアントの新規コピーをインストールしてから、既存のクライアント・インスタンスを手動でアップグレードします。

クライアント・インスタンスをアップグレードする場合、ビット・サイズは、 Db2 バージョン 11.1 クライアントをインストールしたオペレーティング・システムによって決まります。 詳しくは、 表 1 を参照してください。

クライアントのアップグレードに関する制約事項

インスタンスのアップグレードおよびオペレーティング・システムのサポートについては、 Db2 サーバーのアップグレードの制約事項 を参照してください。 これらの制約事項は、クライアントにも適用され、それらのアップグレードに影響を与える可能性があります。

また、トラステッド・コンテキスト機能は TCP/IP プロトコルのみサポートしています。 ローカル・ノードを使用してカタログした、アップグレード済みのデータベースへの接続では、TCP/IP プロトコルを使用してノードを再カタログしない限り、この機能を使用できません。

クライアントと Db2 サーバーの間の接続サポート
Db2 バージョン 11.1では、クライアントと Db2 サーバーの間の接続に関する以下のサポートが使用可能です。
表 2. Db2 バージョン 11.1 接続サポート
クライアント Db2 サーバー クライアントの接続サポート
32 ビットまたは 64 ビットの Db2 バージョン 11.1 クライアント 32 ビットまたは 64 ビットの Db2 バージョン 11.1 サーバー IBM® Data Server Driver for JDBC and SQLJ 以外の バージョン 11.1 クライアントは、32 ビット接続または 64 ビット接続を確立できます。 IBM Data Server Driver for JDBC and SQLJ の場合:
  • タイプ 4 接続では、32 ビットまたは 64 ビットの Java™ アプリケーションは、32 ビットまたは 64 ビットのサーバーに接続できます。
  • タイプ 2 接続の場合
    • 32 ビットまたは 64 ビットの Java アプリケーションは 32 ビットまたは 64 ビットのサーバーにリモート接続できます。
    • 64 ビットの Java アプリケーションは 32 ビットまたは 64 ビットのサーバーにローカル接続できます。
    • 32 ビットの Java アプリケーションは 32 ビットのサーバーにのみローカル接続できます。
32 ビットまたは 64 ビットの Db2 バージョン 9.7 クライアント 32 ビットまたは 64 ビットの Db2 バージョン 11.1 サーバー Db2 バージョン 9.7 以前の機能のみが使用可能です。
32 ビットまたは 64 ビットの バージョン 10.1 クライアント 32 ビットまたは 64 ビットの Db2 バージョン 11.1 サーバー Db2 バージョン 10.1 以前の機能のみが使用可能です。

バージョン 11.1 クライアントから Db2 バージョン 9.1 サーバーへの接続がサポートされます。 ただし、Db2 バージョン 9.1 のサポートは、2012 年 4 月 30 日に終了しました。 サポート・ライフサイクルについて詳しくは、「 http://www-01.ibm.com/software/data/support/lifecycle/」を参照してください。 バージョン 9.1 のサポートを継続するには、サービスの延長が必要です。

接続サポートの他に、 Db2 コマンドまたは SQL ステートメントを クライアントから異なるバージョンの Db2 サーバーに発行する場合、 デフォルト動作の変更やそれらのコマンドまたは SQL ステートメントに適用される制約事項から生じるリリース間の非互換性に注意する必要があります。

例えば、 Db2 バージョン 11.1 クライアントから INDEXES FOR TABLE パラメーターを指定して DESCRIBE コマンドを発行した場合、 Db2 バージョン 11.1 より前のサーバーではリレーショナル索引のみがリストされ、 Db2 バージョン 11.1 Db2 サーバーではリレーショナル索引に加えて、XML データおよびテキスト検索索引もリストされます。 詳しくは、 Db2 コマンドの変更によるアップグレードの影響 および SQL ステートメントの変更によるアップグレードの影響 を参照してください。