Db2 のインストール方式

Db2 データベース製品は、複数の方法でインストールできます。 それぞれのインストール方式は特定の環境に適したものです。

以下の表は、オペレーティング・システムごとに使用できるインストール方式を示しています。

表 1. オペレーティング・システムごとのインストール方式
インストール方式 Windows Linux® または UNIX
Db2 セットアップ・ウィザード はい はい
応答ファイル・インストール はい はい
db2_install コマンド いいえ はい
ペイロード・ファイルのデプロイメント いいえ はい

Db2 のインストール方式を以下のリストにまとめます。

Db2 セットアップ・ウィザード
Db2 セットアップ ・ウィザードは、 Linux、UNIX、および Windows オペレーティング・システムで使用可能な GUI インストーラーです。 Db2 セットアップ ・ウィザードは、 Db2 データベース製品をインストールし、初期セットアップおよび構成タスクを実行するための使いやすいインターフェースを提供します。
Db2 セットアップ ・ウィザードでは、このインストール済み環境を他のワークステーションに複製するために使用できる Db2 インスタンスおよび応答ファイルを作成することもできます。
注: Linux および UNIX オペレーティング・システム上の非 root インストールの場合、存在できる Db2 インスタンスは 1 つのみです。 Db2 セットアップ・ウィザードは、非 root インスタンスを自動的に作成します。

Linux および UNIX オペレーティング・システムでは、 Db2 セットアップ・ウィザードを使用して Db2 製品をインストールするには、グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を表示するために X Window System (X11) が必要です。 ローカル・ワークステーションで GUI を表示するには、X Window System ソフトウェアのインストールと実行が必要になります。 また、DISPLAY 変数を、 Db2 製品のインストールに使用するワークステーションの IP アドレスに設定する必要があります (export DISPLAY=< ip-address>: 0.0)。 例えば、export DISPLAY=192.168.1.2:0.0 などとします。 詳しくは、 この記事を参照してください。

応答ファイル・インストール
応答ファイルは、セットアップ値と構成値を入れたテキスト・ファイルです。 Db2 セットアップ・プログラムは、そのファイルを読み取り、指定されている値に基づいてインストールを実行します。

応答ファイル・インストールは、サイレント・インストールとも呼ばれます。

応答ファイルの別の利点として、Db2 セットアップ・ウィザードを使用して設定できないパラメーターへのアクセスも提供します。

Linux および UNIX オペレーティング・システムでは、 Db2 インストール・イメージを独自のアプリケーションに組み込んだ場合、コンピューターが認識できる形式でインストーラーからインストール進行情報とプロンプトが出されることがあります。 この動作は、INTERACTIVE 応答ファイル・キーワードで制御します。

応答ファイルは、いくつかの方法で作成できます。
応答ファイル生成プログラムを使用する。
応答ファイル生成プログラムを使用して、既存のインストールを複製する応答ファイルを作成することができます。 例えば、 IBM® データ・サーバー・クライアントをインストールし、クライアントを完全に構成してから、クライアントのインストールと構成を他のコンピューターに複製するための応答ファイルを生成することができます。
Db2 セットアップ・ウィザードを使用する方法。
Db2 セットアップ・ウィザードの場合は、Db2 セットアップ・ウィザードで項目の選択を進めながら、その選択内容に基づいて応答ファイルを作成できます。 つまり、選択内容を応答ファイルに記録し、そのファイルをシステム上の特定の場所に保存できる、ということです。 パーティション・データベースのインストールを選択した場合は、2 つの応答ファイルが生成されます。1 つはインスタンスを所有するコンピューターのため、もう 1 つは参加するコンピューターのためです。

このインストール方式の利点の 1 つは、インストールを実行せずに応答ファイルを作成できることです。 このフィーチャーは、 Db2 データベース製品のインストールに必要なオプションを取り込むのに役立ちます。 この応答ファイルは、指定した正確なオプションに従って、後で Db2 データベース製品をインストールするために使用できます。

クライアントまたはサーバーの構成内容を保存するためにクライアント・プロファイルまたはサーバー・プロファイルをエクスポートするには、db2cfexp コマンドを使用します。 db2cfimp コマンドを使用して、プロファイルをインポートします。 db2cfexp コマンドを使用してエクスポートされたクライアント・プロファイルまたはサーバー・プロファイルは、CLIENT_IMPORT_PROFILE キーワードを使用して応答ファイルのインストール時にインポートすることもできます。

データ・ソースをインストールしてカタログした後に、クライアント・プロファイルまたはサーバー・プロファイルをエクスポートします。

Db2 データベース製品ごとに用意されているサンプル応答ファイルをカスタマイズする。
応答ファイル生成プログラムまたは Db2 セットアップ・ウィザードを使用して応答ファイルを作成する代わりに、 サンプル応答ファイルを手動で変更することもできます。 サンプル応答ファイルは、Db2 データベース製品 DVD に用意されています。 サンプル応答ファイルは、各製品ごとに有効なすべてのキーワードについての詳細情報を提供します。
db2_install コマンド (Linux および UNIX オペレーティング・システムのみ)
db2_install コマンドは、英語のインターフェース・サポートで指定した Db2 データベース製品のすべてのコンポーネントをインストールします。 -L パラメーターを使用すれば、サポートする追加の言語を選択できます。 コンポーネントを選択またはクリアすることはできません。

db2_install コマンドは、指定した Db2 データベース製品のすべてのコンポーネントをインストールしますが、ユーザーおよびグループの作成、インスタンスの作成、または構成はインストールしません。 このインストール方式は、インストール後に構成を行う場合に有利です。 Db2 データベース製品をインストール時に構成するには、 Db2 セットアップ ・ウィザードを使用できます。

Linux および UNIX オペレーティング・システムでは、 Db2 インストール・イメージを独自のアプリケーションに組み込んだ場合、コンピューターが認識できる形式でインストーラーからインストール進行情報とプロンプトが出されることがあります。

このインストール方式では、製品ファイルのデプロイ後に手動構成が必要になります。

ペイロード・ファイルのデプロイメント (Linux および UNIX のみ)
この方式は、上級のインストール方式であり、ほとんどのユーザーにはお勧めできません。 ペイロード・ファイルをユーザーが物理的にインストールする必要があります。 ペイロード・ファイルとは、1 つのインストール可能コンポーネントのすべてのファイルとメタデータを含んだ圧縮 .tar ファイルです。
この方法は、 Db2 pureScale® のインストールではサポートされていません。

このインストール方式では、製品ファイルのデプロイ後に手動構成が必要になります。

注: Db2 データベース製品のインストールは、 Linux および UNIX 上のオペレーティング・システム・パッケージではなくなりました。 したがって、インストールのためにオペレーティング・システム・コマンドを使用することもできなくなりました。 Db2 データベース製品のインストール環境とのインターフェースや照会に使用する既存のスクリプトは、変更が必要です。