SQL プラン・キャッシュ・プロパティー

「SQL プラン・キャッシュ」 > 「プロパティー」オプションは、キャッシュおよび全体的照会アクティビティーに関する高水準の情報を表示します。 この情報には、キャッシュ・サイズ、プランの数、発生した完全オープンおよび疑似オープンの数などがあります。

変更の始まり

この情報は、データベース・アクティビティー全体を表示するために使用できます。 長時間トラッキングを行うと、1 日の中の、および 1 週間の中のデータベース使用率のピークとくぼみをより良く理解するのに役立つ傾向が提供されます。

いくつかのプラン・キャッシュ・プロパティーは、プロパティーを右クリックして、「値の編集」を選択して変更することができます。

プラン・キャッシュ・プロパティーに関する以下の用語が使用されます。
  • アクティブな照会 (Active Queries) – 現在オープンになっているか、疑似クローズ・モードになっている照会。
  • フル・オープン (Full Open) – 照会を実行して行を返す前にカーソルを作成する必要がある照会実行を示します。カーソルを再使用する照会は、疑似オープンと呼ばれます。
  • 固有の照会 (Unique Queries) – 固有の SQL 照会ステートメント。プラン・キャッシュの場合、これは、テーブルがスキーマに解決された後の固有性です。
  • ヒット率 (Hit Ratio) – QUERY 最適化プログラムがプランのプラン・キャッシュの検索時に照会の既存プランを検出したときのパーセンテージ。
  • ターゲット・ヒット率 (Target Hit Ratio) - データベースがプラン・キャッシュのサイズを調整することで達成しようとするヒット率のパーセンテージ。サイズを大きくすると、プランがキャッシュに長くとどまるようになるため、照会の将来の実行で検出されて使用される可能性が上がります。
  • ジョブ有効範囲 (Job Scoped) – ジョブの QTEMP ライブラリーに存在するテーブルまたは索引を参照する照会。これには、例えば、グローバル一時テーブルがあります。定義上、これらのジョブ有効範囲プランおよびランタイム・オブジェクトは、ジョブをまたいで再使用できません。
  • 一時ランタイム・オブジェクト (Temporary Runtime Objects) – 照会の処理に使用される実際のランタイム実行可能オブジェクト。これには、実行ツリー (ROQ)、ハッシュ・テーブル、ソート・リスト、リスト、バッファーが含まれます。一定数のこれらのオブジェクトが、キャッシュ内に照会プランとともに入れられ、再使用できます。
  • 最長実行 (Longest Runs) -  最も長期間実行されている照会のインスタンスについて保持された情報。
  • アクティビティーしきい値 (Activity Thresholds) – データベースによって追跡される最高値または最大値。
  • 開始以降 (…Since Start) – キャッシュの作成 (IPL) 以降のアクティビティーの量。
プラン・キャッシュ・プロパティーは、以下の 3 つのメインタイプに分割されます。
  • 要約および使用 (Summary and Usage) – プラン・キャッシュおよび照会のプラン使用、照会使用、および現在の条件に関する情報。
  • 構成 (Configuration) – ユーザーが調整できるプロパティー。
  • アクティビティーしきい値 (Activity Threshold) – 複数の主要指標の追跡される「最高水準点」。
変更の終わり

以下の図は、System i ナビゲーターから、SQL プラン・キャッシュ・プロパティーを選択できる様子を表しています。

この System i ナビゲーターの図は、前の段落で説明されています。

次の図は、選択された SQL プラン・キャッシュプロパティーが、現行プラン・キャッシュ・サイズと、それが作成されたタイム・スタンプを表示していることを示しています。

変更の始まり

この SQL プラン・キャッシュ・プロパティーの図は、前の段落で説明されています。
変更の終わり

変更の始まり
表 1. プラン・キャッシュ・プロパティー
プラン・キャッシュ・プロパティー (Plan Cache Property) 説明
要約の時刻 プロパティーが収集された時点のタイム・スタンプ。
プラン・キャッシュの作成時刻 (Plan Cache Creation Time) プラン・キャッシュの作成 (IPL) 時のタイム・スタンプ
   
活動状態の QUERY の要約  
現在活動状態の QUERY の数 現在オープンになっているか、疑似クローズ・モードになっている照会。
開始以降実行された QUERY の数 IPL 以降実行された SQL 照会の合計数を表示します。
注: この値には、ジョブ有効範囲の照会が含まれます。
開始以降完全にオープンされた QUERY の数 照会を実行して行を返す前にカーソルを作成する必要があった、IPL 以降に実行された照会の数。
   
プラン使用状況の要約  
キャッシュ内の現在のプラン数 プラン・キャッシュ内のプランの現在の合計数
開始以降作成されたプランの合計数 IPL 以降に作成されたプランの数。これには、プラン・キャッシュから除去されたプランが含まれます。
開始以降の固有照会の合計数 (Total Number of Unique Queries Since Start) この値は、IPL 以降に実行された固有のステートメント (SQL 照会) の合計数を反映します。注: この値には、固有のジョブ有効範囲の照会が含まれます。
現行プラン・キャッシュ・サイズ プラン・キャッシュの現行サイズ (MB)。これには、キャッシュされた一時ランタイム・オブジェクトのサイズは含まれません。
現行プラン・キャッシュ・サイズのしきい値 (Current Plan Cache Size Threshold) プラン・キャッシュの現在の最大許容サイズ。
このプロパティーは構成可能です。
  • *AUTO は、データベース・マネージャーがプラン・キャッシュの最大サイズを管理されることを示します。
  • 50 から 512000 までのユーザー指定値。サイズは MB で指定します。
自動サイジングの最大プラン・キャッシュ・サイズ (Maximum Plan Cache Size For AutoSizing) 自動サイジングがアクティブな場合の最大プラン・キャッシュ・サイズ。
このプロパティーは、「現行プラン・キャッシュ・サイズのしきい値 (Current Plan Cache Size Threshold)」が *AUTO の場合に構成可能になります。
  • *DEFAULT(nn) - データベース・マネージャーが IPL 時に、自動サイジングでプラン・キャッシュを拡張できる最大サイズを決定します。「サイズしきい値 (Size Threshold)」が *AUTO に設定されている場合にのみ適用されます。データベースで決定されたサイズは、括弧に入れて示されます。
  • nn – 50 から 512000 までのユーザー指定サイズ。サイズは MB で指定します。サポートされていますが、*DEFAULT から変更する必要はほとんどありません。
  • *DISABLED - プラン・キャッシュの自動サイジングが使用不可になっていることを示します。
現行プラン・キャッシュ・ヒット率 (Current Plan Cache Hit Ratio) Query 最適化プログラムがプラン・キャッシュ内に一致するプランを検出したときのパーセンテージ。

この値は、プラン・キャッシュの効率を示します。パーセンテージが高い方が優れています。

ターゲット・プラン・キャッシュの自動サイジングのヒット率 (Target Plan Cache AutoSize Hit Ratio) これは、データベース・マネージャーがプラン・キャッシュ・サイズを調整することで満たそうとするターゲット・ヒット率のパーセンテージです。
このプロパティーは、「現行プラン・キャッシュ・サイズのしきい値 (Current Plan Cache Size Threshold)」が *AUTO の場合に構成可能になります。
  • DEFAULT(nn) - データベース・マネージャーがターゲット・ヒット率を設定します。 データベースで決定された率は、括弧に入れて示されます。
  • nn – 1 から 99 までのパーセンテージ。サポートされていますが、*DEFAULT から変更する必要はほとんどありません。
  • *DISABLED - プラン・キャッシュの自動サイジングが使用不可になっていることを示します。
ジョブ有効範囲 (QTEMP) プランの現行数 (Current Number of Job Scoped (QTEMP) Plans) ジョブの QTEMP ライブラリーに存在するテーブルまたは索引を参照する照会の、プラン・キャッシュ内のプランの現行数。これには、例えば、グローバル一時テーブルがあります。定義上、これらのジョブ有効範囲プランおよびランタイム・オブジェクトは、ジョブをまたいで再使用できません。
開始以降に作成されたジョブ有効範囲 (QTEMP) のプランの合計数 (Total Number of Job Scoped (QTEMP) Plans Built Since Start) ジョブの QTEMP ライブラリーに存在するテーブルまたは索引を参照する照会に作成されたプランの合計数。
開始以降のジョブ有効範囲 (QTEMP) の参照が含まれた固有照会の合計数 (Total Number of Unique Queries With Job Scoped (QTEMP) References Since Start) この値は、IPL 以降に実行された一時ファイルを参照している固有のステートメント (SQL 照会) の合計数を反映しています。
プランがキャッシュから使用された合計回数 プラン・キャッシュから再利用されたプランの合計数。(つまり、再最適化が不要だったプラン)。
除去されたプランの合計 プラン・キャッシュから除去されたプランの合計数。
キャッシュに保管されている一時ランタイム・オブジェクトの現行数 (Current Number of Temporary Runtime Objects Stored in Cache) キャッシュに保管されている一時ランタイム・オブジェクトの現行数。
キャッシュに保管されている一時ランタイム・オブジェクトの現行合計サイズ (Current Total Size of Temporary Runtime Objects stored in Cache) キャッシュに保管されている一時ランタイム・オブジェクトの現行合計サイズ。
プランごとに保管される一時ランタイム・オブジェクトの最大数 (Maximum Number of Temporary Runtime Objects Stored Per Plan) プランごとに保管される一時ランタイム・オブジェクトの最大数。
このプロパティーは構成可能です。
  • *DEFAULT(nn) - データベースが、プランごとに保持するランタイム・オブジェクト (ROQ) の最大数を決定します。データベースで決定された数は、括弧に入れて示されます。
  • nn – プランごとに保持するランタイム・オブジェクトの最大数である、1 から 50 までのユーザー指定値。ランタイム「オブジェクト」とは、照会の実行に使用されるすべてのランタイム構成体 (カーソルを除く) です。これには、ROQ、ハッシュ・テーブル、ソートなどが含まれます。データベースは、プランに保管する前に、大きなハッシュ・テーブルやデータ内容のソートを自動的に消去します (シェルのみが残されます)。 ただし、小さなハッシュやソートの内容は保持されます。これに小さい値を設定すると、マシンにおける一時記憶域の使用が軽減されます。これに大きい値を設定すると、フル・オープン時に、作成することなくすぐに使用可能なランタイム・オブジェクトが増えるため、パフォーマンスが改善される可能性があります。
作成された一時索引の合計数 IPL 以降に SQE で作成された一時索引 (MTI) の合計数。
一時索引の現在の数 システムにおいて SQE で作成された一時索引 (MTI) の現在の数。
AQP のために再作成されたプランの数 (Number of Plans Rebuilt due to AQP) AQP に再作成されたプランの数。
プランごとに許可される最長実行の最大数 (Maximum Number of Longest Runs Allowed Per Plan) 「プランごとに許可される最長実行の最大数 (Maximum Number of Longest Runs Allowed Per Plan)」は、プランごとに保持される最長実行数を決定します。
このプロパティーは構成可能です。
  • *DEFAULT(nn) - データベース・マネージャーが、プランごとに保持する最長実行項目の最大数を決定します。データベースで決定された数は、括弧に入れて示されます。
  • nn – プランごとに保持する最長実行情報の最大数を示す、1 から 50 までのユーザー指定値。
注: これを表示するには、ライブ・キャッシュの「ステートメントの表示」を呼び出し、右クリックして、最長実行を選択します。
   
プラン・キャッシュ・アクティビティーのしきい値 (Plan Cache Activity Thresholds)

「アクティビティーのしきい値 (Activity Thresholds)」プロパティー・グループでは、プランと照会の両アクティビティーの上限しきい値を追跡します。値は、しきい値開始時刻以降に達した最大値を表します。各しきい値には、最大値と、その最大値に到達したときのタイム・スタンプの両方が表示されます。

 
アクティビティーのしきい値の開始時刻 (Activity Thresholds Start Time) 追跡を開始した時刻。この値を (ゼロに) リセットして、すべてのしきい値をリセットし、追跡を再始動することができます。
注: すべてのしきい値が同時にリセットされます。個別にしきい値をリセットすることはできません。開始時刻は各 IPL を再始動します。
一時点で活動状態の QUERY の最高数 特定の時点における、オープンと疑似クローズのカーソル (照会) の最高数。
キャッシュ内のプランの最高数 (Highest Number of Plans in Cache) 特定の時点におけるプラン・キャッシュ内のプランの最大数。
キャッシュに保管された一時ランタイム・オブジェクトの最高数 (Highest Number of Temporary Runtime Objects Stored in Cache) 特定の時点におけるプランキャッシュ内に (将来の再使用のために) 保管 (キャッシュ) された非アクティブ・ランタイム実行可能オブジェクトの最高数。
キャッシュに保管された一時ランタイム・オブジェクトの最大合計サイズ (Largest Total Size of Temporary Runtime Objects Stored in Cache) 特定の時点におけるプラン・キャッシュに保管 (キャッシュ) された非アクティブ・ランタイム実行可能オブジェクトによって使用された一時記憶域の最大容量 (MB)。

変更の終わり