val コマンド (SCCS)

目的

SCCS ファイルの妥当性を検査します。

構文

val [ -s ] [ -rSID ] [ -mName ] [ -yType ] File ...

説明

val コマンドは、指定されたファイルを読み取り、そのファイルが付随しているフラグで指定された特性に合うソース・コード制御システム (SCCS) ファイルであるかどうかを判別します。 File 値に - (マイナス) を指定した場合、val プログラムは、標準入力を読み取り、標準入力の各行を val フラグおよび SCCS ファイル名として解釈します。 ファイル終わり文字によって入力が終了します。

val コマンドは、処理する各ファイルに対して、メッセージを標準出力に表示します。

フラグ

各名前付きファイルには、各フラグまたはフラグ・グループが個別に適用されます。 フラグの指定順序は任意です。

項目 説明
-m Name Name 値を、指定されたファイル内の SCCS 31 識別キーワードと比較します。
-r SID 妥当性検査をするファイルの SID を指定します。 SID は有効でなければならず、あいまいであってはなりません。
-s 通常は標準出力に書き出されるエラー・メッセージを抑制します。
-yType 指定されたファイル内の SCCS 識別キーワードと比較する型を指定します。

終了状況

val コマンドは、すべてのファイルに対して正常に終了した場合は 0 を戻します。 それ以外の場合は、起こりうるエラーを示す 8 ビット・コードを戻します。 この 8 ビット・コードは、ビット列として解釈されます。そこで設定されるビット (左から右に) は以下の意味を表します。

項目 説明
0x80 脱落しているファイル引数
0x40 未知または重複しているオプション
0x20 破壊された SCCS ファイル
0x10 ファイルをオープンできないか、または SCCS 以外のファイル
0x08 SID が無効またはあいまい
0x04 SID が存在しない。
0x02 , y がミスマッチ
0x01 31, m がミスマッチ

: val コマンドは、規定のコマンド・ラインで複数のファイルを処理し、複数のコマンド・ラインも処理できます (標準入力から読み取るとき)。このような場合、戻されるコードは、各コードを総計したものです。 つまり、各コマンド・ラインとファイルに対して生成されたコードに論理 OR が処理されます。

s.test.c ファイルが SCCS テキスト・ファイルであるかどうかを判別するには、次のように入力します。

val -ytext s.test.c