rwhod デーモン

目的

rwho コマンドと ruptime コマンドのためのサーバー機能を提供します。

構文

注: コマンド・ラインから rwhod デーモンを制御するには、SRC コマンドを使用します。システム起動時に毎回デーモンを始動するには、rc.tcpip ファイルを使用します。

/usr/sbin/rwhod

説明

/usr/sbin/rwhod デーモンは、 rwho コマンドと ruptime コマンドによって使用されるデータベースを維持します。 rwhod デーモンは、始動されると、状況情報の作成と利用の両方を行います。

状況情報を作成する際、rwhod デーモンは、 約 3 分ごとに、ローカル・ホストの状態を照会します。次に、状況メッセージを構成し、これらをローカル・ネットワークにブロードキャストします。

状況情報を利用する際、rwhod デーモンは、リモート・ホスト上の rwhod サーバーからの状況メッセージを待ちます。rwhod デーモンは状況メッセージを受信すると、そのメッセージの妥当性を検査します。その次に、このメッセージを /var/spool/rwho ディレクトリーに記録します。(rwho コマンドと ruptime コマンドは、/var/spool/rwho ディレクトリー内のファイルを使用して、これらのコマンドの状況リストを生成します。)

rwhod デーモンは、 /etc/services ファイルに指定されたとおりに rwho ソケットを使用して、状況メッセージのブロードキャストと受信を行います。

これらのメッセージを作成するとき、rwhod デーモンは、 直前の 1 分、5 分、15 分のインターバルで、平均 CPU ロードのエントリーを計算します。これらのメッセージをブロードキャストする前に、rwhod デーモンは、ネットワークで使用可能なバイト・オーダーにこれらを変換します。

rwhod デーモンは、rwho ソケットでメッセージを受信すると、rwho ソケット以外から発信されたメッセージをすべて破棄します。また、印刷不能な ASCII 文字が含まれているメッセージもすべて破棄します。 rwhod デーモンは、有効なメッセージを受信すると、それを /var/spool/rwho ディレクトリー内の whod.HostName ファイルに入れて、同じ名前を持つファイルを上書きします。

rwhod デーモンは、システム・リソース・コントローラー (SRC) を使用して制御する必要があります。コマンド・ラインに rwhod を入力することはお勧めできません。

システム・リソース・コントローラーを使用した rwhod デーモンの操作

rwhod デーモンは、システム・リソース・コントローラー (SRC) により制御されるサブシステムです。 rwhod デーモンは tcpip システム・グループのメンバーです。このデーモンはデフォルトでは使用不可で、以下の SRC コマンドにより操作できます。

項目 説明
stopsrc サブシステム、サブシステムのグループ、またはサブサーバーを終了します。
traceson サブシステム、サブシステムのグループ、 あるいはサブサーバーのトレースを使用可能にします。
tracesoff サブシステム、サブシステムのグループ、 あるいはサブサーバーのトレースを使用不可にします。
tracesoff サブシステム、サブシステムのグループ、 あるいはサブサーバーのトレースの状況を取得します。

  1. rwhod デーモンを始動するには、次のように入力します。
    startsrc -s rwhod
    このコマンドは、デーモンを始動します。このコマンドは、rc.tcpip ファイル内またはコマンド・ライン上で使用できます。-s フラグは、後に続くサブシステムが始動することを指定します。
  2. rwhod デーモンを正常に停止するには、以下のように入力します。
    stopsrc -s rwhod
    このコマンドはデーモンを停止します。-s フラグは、後に続くサブシステムを停止することを指定します。
  3. rwhod デーモンに関する簡潔なフォーマットの状況レポートを入手するには、以下のように入力します。
    
    lssrc -s rwhod
    このコマンドにより、デーモン名、デーモンのプロセス ID、デーモンの状態 (アクティブか、非アクティブか) が戻されます。
  4. rwhod デーモンのトレースを可能にするには、次のように入力します。
    traceson -s rwhod
    このコマンドにより、ソケット・レベルのデバッグが可能になります。 このコマンド例の出力結果を見る場合は、trpt コマンドを使用してください。

ファイル

項目 説明
/etc/utmp ローカル・ホストにログインしているユーザーの状況情報が入っています。
/var/spool/rwho/* rwho コマンドと ruptime コマンドが、これらのコマンドの状況リストを生成するときに使用するファイルが入っています。
/var/spool/rwho/whod.HostName HostName パラメーターに指定されたホストの最新の状況情報が入っています。