platform_dump コマンド

目的

プラットフォーム (ハードウェアおよびファームウェア) ダンプ関連アクションを実行します。

構文

platform_dump { -c | -d | -e | -f fstype | -F flag | -l | -q | -S | -s seq_no } [ -L ]

説明

platform_dump コマンドは、POWER5 プラットフォームに対するハードウェアおよびファームウェアの問題判別をサポートするために、AIX® で初めて導入されました。 このコマンドを使用すれば、オペレーティング・システムがファームウェア関連およびハードウェア関連のダンプを保管できるようになります。このコマンドは、保守権限が使用可能にされた区画でのみサポートされます (Hardware Management Console (HMC) 管理対象システムは除外)。HMC 管理対象システムでは、このダンプは HMC に送られます。 platform_dump コマンドは、一般に、オペレーティング・システム機能 (基本インストールおよび dumpcheck など) により実行されます。プラットフォーム・ダンプには以下のものが含まれます。

  • ハードウェア状態
  • hypervisor 状態
  • FSP (Flexible Service Processor) 状態情報

プラットフォーム・ダンプ・ファイル用のディスク・スペースは、platform_dump コマンドを使用して予約します。 専用の論理ボリューム、/dev/fwdump、 は rootvg ボリューム・グループ内に作成され、 /var/adm/ras/platform ディレクトリー上にマウントされます。 fwdump_dev デバイス および fwdump_dir マウント・ポイントの両方は、SWservAt オブジェクト・クラスの ODM に保管されます。インストールの間に、 AIX は、platform_dump コマンドを使用して、必要なディスク・スペースを予約します。ディスク・スペースが予約されるのは、 区画がサービス区画として指定されている場合に限られます。 プラットフォーム・ダンプの最大可能サイズは AIX に指示されるため、十分なスペースを事前にプラットフォーム・ダンプ用として割り当てることができます。このサイズは動的に変更されることがあることに注意してください。オペレーティング・システムは、 これを検出すると、追加の所要量をユーザーに知らせ、可能であれば、論理ボリュームを自動的に拡張します。

注: AIX 区画がインストールされた後この区画にサービス区画権限を割り当てる場合は、platform_dump -f <fstype> コマンドを実行して、/dev/fwdump rootvg 論理ボリュームを作成します。fstype 引数の持ちえる値は、 jfs2 または jfs 値です。

コマンド出力をエラー・ログに記録するために、-L フラグが提供されます。

フラグ

項目 説明
-c 見積もられたプラットフォーム・ダンプ・サイズ (ファームウェアによって示される)、 およびプラットフォーム・ダンプ用に割り当てられたディスク・スペースの検査を 実行します。 次のように報告されます。 見積もられたサイズが割り当てられたスペースより小さいか等しい場合は 0 を戻します。 見積もられたサイズが割り当てられたスペースよりも大きい場合は、1 を戻します。
-d プラットフォーム・ダンプ用に予約されたファイルシステム・スペースを削除し、 他の使用目的のために解放します。 予約済みディスク・スペースに既存のダンプ・ファイルがある場合は、失われることになります。
-e プラットフォーム・ダンプが発生した場合にこれを保管するための、 ディスク・スペースの見積もりを提供します。 このオプションは、この見積もりを提供するために ファームウェアと対話します。 ユーザーは、このスペース情報を基に、 プラットフォーム・ダンプを保管するために十分なディスク・スペースを 割り当てる必要があります。 出力される値は、バイト単位での必要サイズになります。
-f fstype プラットフォーム・ダンプ用に、システム上に十分なディスク・スペースを予約します。 -f オプションは、プラットフォーム・ダンプ専用のファイルシステムが存在していなければ、 これを作成します。 既にファイルシステムが存在し、サイズが十分ではない場合は、ファイルシステム・サイズが 増やされます。fstype は有効なファイルシステム・タイプであることが必要です。 ファイルシステムが既に存在する場合、any を 指定することができます。
-F flag プラットフォーム・ダンプを使用可能または使用不可にします。 フラグが 0 であればプラットフォーム・ダンプは使用不可であり、1 であれば プラットフォーム・ダンプは使用可能です。
-l プラットフォーム・ダンプの現行構成をリストします。
-L platform_dump に、出力を表示するとともにログに記録するよう伝えます。 これは -e オプションによるサイズ出力には適用されません。
-q プラットフォームがプラットフォーム・ダンプをサポートするかしないか、検査します。 プラットフォーム・ダンプがサポートされる場合は 0 が戻されます。
-s seq_no ダンプ通知イベントで識別されたものと同じファームウェアから、 プラットフォーム・ダンプを保管します。 seq_no は、AIX エラー・ログ・ファイル内に保管されているダンプ通知イベントのシーケンス番号を示します。 このシーケンス番号は、詳細なデータ領域を解析し、 ファームウェアからダンプ・データを入手するのに必要なダンプ・タグとダンプ情報を入手するために、 このコマンドによって使用されます。
-S データのスキャンをサポートするシステムに、スキャン・ダンプを保管します。 このオプションが指定される場合、コマンドはスキャン・ダンプが存在するか検査します。 存在していれば、既存のスキャン・ダンプ・インターフェースを使用して ファームウェアから scandump データを読み取って保管します。

終了状況

0
正常終了。
1
-c が指定され、プラットフォーム・ダンプを保管するスペースが 不足している場合に、戻されます。
255
プラットフォーム・ダンプがシステムでサポートされない場合に戻されます。
3
プラットフォーム・ダンプが使用不可である場合に戻されます。
2
エラーが発生した時に戻されます。

セキュリティー

platform_dump を実行できるのは root ユーザーのみです。

  1. プラットフォーム・ダンプ・サイズの見積もりを入手するには、次のように入力します。
    platform_dump -e
    これにより、見積もられたプラットフォーム・ダンプ・サイズがバイト単位で報告されます。