dumpcheck コマンド

目的

ダンプ・デバイスとコピー・ディレクトリーがシステム・ダンプを受信できることを確認します。 ダンプを入れるのにリソースが不足していると思われる場合は、 デフォルトでは、エラーがログに記録されます。

構文

/usr/lib/ras/dumpcheck [ [ -l ] [ -p ] [ -t TimeParameters ] [ -P ] ] | [ -r ]

説明

/usr/lib/ras/dumpcheck コマンドは、 システム・ダンプが使用するディスク・リソースの確認のために使用されます。 最大のダンプ・デバイスでも小さすぎてダンプが受信できない場合、あるいは、 ダンプがページング・スペースに入る際にコピー・ディレクトリーに十分なスペースがない場合は、 コマンドはログにエラーを記録します。

dumpcheck は通常は、 現地時間の毎日午後 3 時に cron によって実行されます。これは、 -r フラグを使用して、 root の crontab からそれを除去するか、 -t TimeParameters を使用して、dumpcheck が 実行される時刻を変更することによって、変えることができます。SMIT から構成することもできます。 dumpcheck は、保守援助プログラムを インストールすると、root の crontab に自動的に追加されます。

最大の効果を上げるためには、dumpcheck を、 システムの負荷が最も大きいときに実行しなければなりません。 その場合には、システム・ダンプが最大サイズになっているのが普通です。 また、dumpcheck がダンプ・サイズを監視していても、 ダンプがダンプ・デバイスやコピー・ディレクトリーに適合しないという事態が起こる可能性はあります。 ちょうどダンプ時刻にシステム負荷がピークになった場合に、 こういう状態になることがあります。

dumpcheck 関数は、 保守援助プログラムのファイルセットの一部として、自動的にインストールされます。

フラグ

項目 説明
-l エラー・ログに警告を記録します。 パラメーターが指定されていない場合は、これがデフォルトです。
-p 警告が出されたらそれを標準出力に表示します。
-P 変更が永続的に行われることを示します。つまり、この変更は、 これ以降に dumpcheck 機能が実行されるたびに適用されます。 -t および -r フラグが指定されていれば、 -P フラグは不要です。 -P フラグが指定されている場合、dumpcheck は、 確認せずに crontab エントリーを単純に変更します。
-r この関数の crontab エントリーを除去して、 その構成解除を有効にします。このコマンドは通常、 cron によって実行されます。 -r フラグは単独で指定しなければなりません。 他のフラグと同時に使用することはできません。
-t TimeParameters dumpcheck を実行する時刻を変更します。 TimeParameters フラグは、 一重引用符または二重引用符で囲まなければなりません。 このフラグは、crontab 時刻パラメーター (つまり、crontab ファイル内の行の 最初の 5 つのパラメーター) を指定します。 時刻パラメーターの形式については、 crontab コマンドを参照してください。 -t フラグは、-r フラグと同時には使用できません。 -t フラグが指定されている場合、dumpcheck は、 確認せずに crontab エントリーを変更します。

セキュリティー

このコマンドを実行できるのは root ユーザーに限られます。

  1. ダンプ・リソースを調べ、その結果をログに記録する代わりに標準出力に表示するには、 次のように入力します。
    /usr/lib/ras/dumpcheck -p
    この変更を永続的に行うには、つまり、 crontab エントリーで変更を行うには、次のように入力します。
    /usr/lib/ras/dumpcheck -p -P
  2. 月曜から金曜までの午前 9 時と午後 3 時に dumpcheck を実行させるには、 次のように入力します。
    /usr/lib/ras/dumpcheck -t "0 9,15 * * 1-5"

    デフォルトに戻るには、次のように入力します。

    /usr/lib/ras/dumpcheck -t "0 15 * * *"

    SMIT を使用して、 dumpcheck の実行回数を構成することもできます。

  3. このフィーチャーの実行を停止するには、次のように入力します。
    /usr/lib/ras/dumpcheck -r

    このタスクにも SMIT を使用することができます。