pkgtrans コマンド
目的
パッケージのフォーマットを変換します。
構文
pkgtrans [ -i -o -n -s] [ -z Blocksize] Device1 Device2 [ Pkginst1 [ Pkginst2 [...]]]
説明
pkgtrans コマンドは、
あるフォーマットから別のフォーマットにインストール可能パッケージを変換します。以下の変換を行います。
- ファイルシステム・フォーマットからデータ・ストリームへ
- データ・ストリームからファイルシステム・フォーマットへ
csh からは pkgtrans を実行できません。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-i | pkginfo ファイルと Pkgmap ファイルをコピーします。 パッケージ・カテゴリーがセット・インストール・パッケージ (SIP) を表す "set" として 定義されている場合 (setinfo ファイル・フォーマットを参照)、 そのパッケージの setinfo ファイルもコピーされます。 |
-o | 宛先デバイスにある同一インスタンスを上書きします。 パッケージ・インスタンスが既に存在している場合には、上書きされます。 |
-n | パッケージの新規インスタンスを宛先デバイス上に作成します。 宛先デバイスに既にそのパッケージ・インスタンスが存在する場合、そのインスタンスは 変更されず、新規インスタンスが作成されます。 新規インスタンスには、既存のインスタンスと区別するためのシーケンス番号が付加されます。 例えば、宛先デバイスに既にパッケージ X のインスタンスが含まれている ものとします。-n フラグを指定した pkgtrans を 使用して、パッケージ X の新規インスタンスを宛先デバイスに 書き込もうとすると、パッケージ X の既存インスタンスは 宛先デバイスに残され、X.2 という新規インスタンスがデバイスに作成されます。 -n フラグを指定して pkgtrans を 再度実行すると、X.3 という 3 番目のインスタンスが作成されます。 |
-s | このパッケージを、ファイルシステムとしてではなくデータ・ストリーム として Device2 に書き込むように指示します。 デフォルトの振る舞いでは、Device2 がファイルシステム・フォーマットで 書き込まれます。 |
-z Blocksize | カートリッジ・テープに転送するときにブロック・サイズを使用するように指示します。 -z フラグに 512 以外の値を指定してテープに書き込まれたパッケージは、 常にブロック・サイズとして 32768 を使用して読み取られます。 したがって、カートリッジ・テープから読み取る場合には、-z フラグは適用できません。 |
Device1 | ソース・デバイスを指定します。 これは - (ハイフン) にすることができ、これは データ・ストリーム・フォーマットのパッケージを標準入力から読み取ることを指定します。 このデバイスの 1 つまたは複数のパッケージが変換されて、Device2 に収められます。 Device1 が通常のファイルまたはディレクトリーである場合、 相対パス名ではなく絶対パス名を使用しなければなりません。 |
Device2 | 宛先デバイスを指定します。 これは - (ハイフン) にすることができ、これは パッケージをデータ・ストリーム・フォーマットで標準出力に書き込むことを指定します。 変換されたパッケージはこのデバイスに入ります。 Device2 が通常のファイルまたはディレクトリーである場合、 相対パス名ではなく絶対パス名としてこれを指定しなければなりません。 |
Pkginst | Device1 のどのパッケージを変換するのかを指定します。 "all" というトークンを使用すると、すべてのパッケージを表すことができます。 Pkginst.* を使用すると、あるパッケージのすべてのインスタンスを表すことができます。 パッケージが定義されていない場合、プロンプトによってデバイス内のすべてのパッケージが 示され、どれを変換するのか尋ねられます。 あるセットをデータ・ストリーム形式に変換して転送する場合、Pkginst の 引数として最初に SIP を指定し、その後で、その SIP の setinfo ファイルで リストされているパッケージを、リストされているとおりの順序で指定する必要があります。 |
注: 宛先デバイスに該当パッケージのいずれかのインスタンスが既に存在する場合、
デフォルトでは、pkgtrans はそのパッケージのどのインスタンスも
転送しません。
-n フラグを使用すると、このパッケージのインスタンスが
既に存在する場合、新規インスタンスが作成されます。
-o フラグを使用すると、既に存在する同じインスタンスが上書きされます。
宛先デバイスがデータ・ストリームである場合には、
いずれにせよデータ・ストリーム全体が上書きされるため、
これらのフラグはどれも有効ではありません。
終了状況
このコマンドは、以下の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | スクリプトの正常終了です。 |
1 | 致命的なエラーです。この時点でインストール・プロセスが終了します。 |
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin/pkgtrans | pkgtrans コマンドが入っています。 |
例
- ドライブ Device にあるすべてのパッケージを変換し、
変換したパッケージを /tmp に入れたい場合には、
次のように入力してください。
pkgtrans Device /tmp all
- tmp 内の "pkg1" と "pkg2" を変換し、Device に
データ・ストリーム形式で入れたい場合には、次のように入力してください。
pkgtrans -s /tmp Device pkg1 pkg2