mkprtsv コマンド

目的

ホスト上で TCP/IP に基づく印刷サービスを構成します。

構文

クライアント・マシン向けの印刷サービスを構成して開始する

mkprtsv -c [ -S ][ -q QueueName -v DeviceName -b "Attribute =Value ..." -a "Attribute =Value ..." | -A FileName ]

サーバー・マシン向けの印刷サービスを構成して開始する

mkprtsv -s [ -S ] [ -q QueueName -v DeviceName -b "Attribute =Value ..." -a "Attribute =Value ..." | -A FileName ] [ -h "HostName ... " | -H FileName ]

説明

高水準コマンド mkprtsv は、ホスト上で TCP/IP に基づく印刷サービスを構成します。 印刷サービス構成は、クライアントとして機能するホストまたはサーバーとして機能するホストに対して実行されます。

このコマンドは、印刷サービスの構成および開始に使用します。

クライアント向けに印刷サービスを構成するには、 mkprtsv コマンドは、 スプーラーの mkque および mkquedev コマンドを呼び出し、 /etc/lpd/qconfig ファイル (またはオブジェクト・クラスなど) に適切に変更し、 クライアント・マシン上のスプーラー・キューを設定します。

サーバー向けに印刷サービスを構成するために、mkprtsv コマンドは以下を実行します。

  1. サーバー上で印刷を行うリモート・ユーザーを登録するために ruser コマンドを呼び出します。
  2. mkque および mkquedev コマンドを呼び出し、サーバーの /etc/lpd/qconfig ファイルを適切に変更し、サーバー・マシン上に必要なデバイス・キューを設定します。
  3. lpd サーバー・デーモンと qdaemon サーバー・デーモンをアクティブにするには、startsrc コマンドを呼び出します。 qdaemon サーバー・デーモンは piobe プリンター・バックエンドを開始します。

フラグ

項目 説明
-A FileName qconfig ファイルに関連するエントリーを含むファイルの名前を指定します。
-a "Attribute=Value..." スプーラーの qconfig ファイルまたはオブジェクト・クラスを更新するために使用される属性とその対応値のリストを指定します。 -a フラグはオプションです。 有効な属性タイプを次に示します。
acctfile (true/false)
print コマンド・アカウント情報を保管するのに使用されるファイルを識別します。デフォルト値 false のときは、アカウントは抑止されます。 指定されたファイルが存在しないときは、アカウントは実行されません。
argname
論理プリンター名を指定します。
device
デバイス・スタンザを参照するシンボル名を識別します。
discipline
キュー・サービス・アルゴリズムを定義します。 fcfs のデフォルト値は、先入れ先出しです。 sjn 値は次の最短ジョブを意味します。
pserver
リモート印刷サーバーを指定します。
up (true/false)
キューの状態を定義します。 デフォルト値 true は、実行中であることを示します。 値 false は実行中ではないことを示します。
-b "Attribute =Value... " スプーラーの qconfig ファイルまたはオブジェクト・クラスを更新するために使用される属性とその対応値のリストを指定します。 少なくとも、属性を 1 つ -b オプション用に定義する必要があります。 backend 属性は必須です。 有効な属性タイプを次に示します。
access (true/false)
file 属性によって指定されるファイルにバックエンドがアクセスするタイプを指定します。 access 属性は、バックエンドがファイルに書き込みアクセスする場合は値 write を持ち、バックエンドが読み取り/書き込みアクセスする場合は値 both を持ちます。 file フィールドの値が false のとき、このフィールドは無視されます。
align (true/false)
プリンターがアイドル状態であった場合に、ジョブの開始前にバックエンドが用紙送り制御を送信するかどうかを指定します。 デフォルト値は false です。
backend
バックエンドの絶対パス名を指定し、その後にバックエンドに渡されるフラグとパラメーターを任意に指定します。 backend 属性は必須です。
feed
デバイスがアイドル状態になったとき印刷されるセパレーター・ページの数を指定するか、バックエンドがセパレーター・ページを印刷するためのものではないことを示す never 値をとります。
file
バックエンドの出力をリダイレクトするスペシャル・ファイルを指定します。 デフォルト値 false はリダイレクトしないことを示します。 この場合、バックエンドは出力ファイルをオープンします。
header (never/always/group)
各ジョブやジョブ・グループの前にヘッダー・グループを印刷するかどうかを指定します。 デフォルト値 never は、ヘッダー・ページを印刷しないことを示します。 各ジョブの前にヘッダー・ページを作成するには、値 always を指定します。 同じユーザーに対する各ジョブ・グループの前にヘッダーを作成するには、値 group を指定します。
trailer (never/always/group)
各ジョブやジョブ・グループの後ろにトレーラー・ページを印刷するかどうかを指定します。 デフォルト値 never は、トレーラー・ページを印刷しないことを示します。 各ジョブの後にトレーラー・ページを作成するには、値 always を指定します。 同じユーザーに対する各ジョブ・グループの後ろにトレーラーを作成するには、値 group を指定します。
host
印刷するホスト名を指定します。
s_statfilter
短いキューの状況情報を、このオペレーティング・システムが認識するフォーマットに変換します。
l_statfilter
長いキューの状況情報を、 このオペレーティング・システムが認識するフォーマットに変換します。
-c クライアント・マシン用に印刷サービスを構成します。 -c オプション と共に、-v フラグを使用してください。
-H FileName ホスト名のリストを含むファイルの名前を指定します。
-h "HostName..." 印刷サーバーを使用できるリモート・ユーザーのリストに含まれるホスト名のリストを指定します。 キューイング・システムでは、マルチバイトのホスト名をサポートしていません。
-q QueueName qconfig ファイル内のキューの名前を指定します。
-S 印刷サービスが構成されたら、それを開始します。 -S フラグを省略しても、印刷サービスは構成されますが開始されません。
-s サーバー・マシンの印刷サービス構成を行います。 -s フラグと、-h-H、および -q フラグを併用してください。
-v DeviceName qconfig ファイルのデバイス・スタンザの名前を指定します。

  1. クライアント向けに印刷サービスを構成して使用可能にするには、次のフォーマットでコマンドを入力します。
    mkprtsv  -c -S -a"argname=rp1 backend=piobe ¥
    pserver=print802"
    この例では、rp1 は論理プリンター名、 piobe はプリンター・バックエンド、 print802 はリモート印刷サーバーです。
  2. 初期化情報を使用して印刷サーバーを構成し、リモート印刷を可能にするには、次の形式でコマンドを入力します。
    mkprtsv  -s -H hnames  -A qinfo
    この例では、qinfo ファイルに保管された属性情報が スプーラーを初期化します。 また hnames ファイルに保管されたホスト名のリストは、 印刷サーバーにアクセス権を持つリモート・ホストのリストです。

ファイル

項目 説明
/etc/lpd/qconfig プリンターのキューイング・システムに関する構成情報が入っています。