lsslot コマンド

目的

動的に構成可能なスロット (ホット・プラグ・スロットなど) と、それらの特性を表示します。

構文

lsslot -c ConnectorType [ -a | -o | -l DeviceName | -s Slot ] [ -F Delimiter ]

説明

lsslot コマンドは、指定されたすべてのホット・プラグ・スロットと、 それらの特性を表示します。 ホット・プラグ・スロットは、システムの電源をオフにしたり、 オペレーティング・システムをリブートしたりしなくても、 システムに追加または除去できるエンティティーを接続するためのプラグイン・ポイントです。 -c フラグは必須です。 このフラグは、ホット・プラグ・コネクターのタイプ (例えば、 ホット・プラグ可能 PCI アダプターを表す pci) です。 -a フラグでは、 空の (つまり、使用可能な) ホット・プラグ・スロットのみを表示することができ、 -o フラグでは、 使用中のフラグのみを表示することができます。 また、-s フラグを使用すると、 特定のスロットを表示することができます。 -l フラグは、 指定した DeviceName (lsdev コマンドによってリストされた) に関連付けられているスロットを見つけるために使用できます。

lsslot コマンドは、物理エンティティー (例えば、PCI アダプター) または論理エンティティー (例えば、論理スロットまたは論理ホスト・イーサネット・アダプター・ポート) の接続ポイントであるコネクターをリストするために使用します。 このコマンドにより、以下の接続タイプをリストすることができます。
  • pci: 物理コネクター
  • slot: 論理コネクター
  • phb: 論理コネクター
  • port: 論理コネクター
論理コネクターの場合、-a および -o フラグは無視されます。 論理コネクターの場合、lsslot コマンドは、指定されたコネクター・タイプに応じて、区画に現在割り当てられている論理エンティティーを表示します。 PHB の下に複数のスロットがある場合、論理スロット・エンティティーを論理スロット・コネクターと関連付けることができます。さもなければ、論理 PHB コネクターと関連付けることができます。すべての論理スロット・エンティティーを表示するには、lsslot -c slot コマンドおよび lsslot -c phb コマンドを実行することができます。

lsslot コマンドの出力は、 ConnectorType と、コマンドが実行されるプラットフォームによって異なります。 スロットの特性には、次のものが含まれます。

  • スロット名または識別
  • コネクター・タイプまたはスロットの記述 (例えば、PCI hot plug slot)
  • 接続されているデバイスの名前 (例えば、scsi0、ent0)

lsslot コマンドを使って PHB がリストされるとき、「Device(s) Connected」列には、PHB の ODM 名と、PHB の下の論理スロットに対応するデバイスの ODM 名が表示され、それぞれの論理スロットに関連したすべての ODM デバイスが、PHB の ODM 名の下の別個の各行に表示されます。 PHB の ODM 名が存在しない場合、ブランク行が表示されます。

フラグ

項目 説明
-a 使用可能なホット・プラグ・スロットと、それらの特性を表示します。 使用可能なスロットとは、ホット・プラグ・デバイスが接続されていないスロットのことです。 このフラグは、コネクター・タイプ slot および phb の場合には無視されます。
-c ConnectorType 指定した ConnectorType のスロットを表示します。 ConnectorType は、コネクターのタイプを識別します。 例えば、ホット・プラグ PCI スロットを表す ConnectorType は pci、論理スロットの場合は slot、および PHB の場合は phb です。 このフラグは必須です。
-F Delimiter 出力を区切るための単一の文字を指定します。 ヘッディングは表示されず、 列は Delimiter 文字によって区切られます。
-l DeviceName DeviceName に関連付けられているスロットの特性を表示します。 DeviceName は、スロットに接続されているデバイスの論理デバイス名 (lsdev コマンドによってリストされた) です。
-o 使用中のスロットの特性を表示します。 使用中のスロットには、ホット・プラグ・デバイスが接続されています。 このフラグは、コネクター・タイプ slot および phb の場合には無視されます。
-s Slot 指定した Slot の特性を表示します。 Slot の形式は、プラットフォーム/コネクター・タイプによって異なります。

  1. 使用可能な PCI ホット・プラグ・スロットをリストするには、次のように入力します。

    lsslot -c pci -a

    システムは次のようなメッセージを表示します。

    項目 説明
    スロット名 説明 接続されたデバイス
    U0.4-P1-I1 PCI 64 bit, 66MHz, 3.3 volt slot empty
    U0.4-P1-I2 PCI 64 bit, 66MHz, 3.3 volt slot empty
    U0.4-P1-I3 PCI 64 bit, 66MHz, 3.3 volt slot empty
  2. scsi1 という名前の scsi アダプターに関連付けられている PCI ホット・プラグ・スロットをリストするには、 次のように入力します。

    lsslot -c pci -l scsi1

    システムは次のようなメッセージを表示します。

    項目 説明
    スロット名 説明 接続されたデバイス
    U0.4-P1-I1 PCI 64 bit, 33MHz, 5 volt slot scsi1
  3. すべての PCI ホット・プラグ・スロットをリストするには、次のように入力します。

    lsslot -c pci

    システムは次のようなメッセージを表示します。

    項目 説明
    スロット名 説明 接続されたデバイス
    U0.4-P1-I1 PCI 64 bit, 33MHz, 3.3 volt slot empty
    U0.4-P1-I2 PCI 64 bit, 33MHz, 3.3 volt slot scsi0
    U0.4-P1-I3 PCI 64 bit, 33MHz, 3.3 volt slot unknown
    U0.4-P1-I5 PCI 64 bit, 33MHz, 3.3 volt slot empty

    Device(s) Connected 列が unknown となっているスロットにはデバイスが接続されていますが、 そのデバイスは、ODM カスタマイズ・デバイス (CuDv) データベースに入っていません。 このことは、デバイスが新たに追加されたが、まだ構成されていないか、 rmdev -d コマンドによって削除されているか、 またはデバイスに関連したソフトウェア・パッケージがシステムにインストールされていないために起こる可能性があります。

  4. 区画に割り当てられたすべての PCI Host Bridge をリストするには、次のように入力します。
    lsslot -c phb
    これにより、以下のような出力が表示されます。
    PHB Name         Description                    Device(s) Connected
    PHB 1            Logical PCI Host Bridge        pci0 
                                                    pci2 scsi1 
    PHB 2            Logical PCI Host Bridge        pci1 
                                                    pci3 
                                                    pci4 scsi2 
  5. PCI Host Bridge が区画に割り当てられているものの、ODM データが存在しない場合には、この例のように、列がブランクとして表示されます。 例えば、以下のように入力した場合、
    lsslot -c phb
    出力は次のようになります。
    PHB Name         Description               Device(s) Connected
    PHB 4            Logical PCI Host Bridge
    PHB 5            Logical PCI Host Bridge
    
  6. 区画に割り当てられたすべての論理ホスト・イーサネット・アダプター・ポート・デバイスをリストするには、次のように入力します。
    lsslot  -c port
    項目 説明
    LHEA ポート名 説明 接続されたデバイス
    ポート 1 論理 HEA ポート ent4
    ポート 2 論理 HEA ポート ent7
    論理ホスト・イーサネット・アダプター・ポートが区画に割り当てられているものの、ODM データが存在しない場合には、この例のように、列が「Unknown (不明)」として表示されます。
    lsslot  -c port
    項目 説明
    LHEA ポート名 説明 接続されたデバイス
    ポート 4 論理 HEA ポート 不明
    ポート 5 論理 HEA ポート 不明

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/lsslot  lsslot コマンドが入っています。