lpsystem コマンド

目的

リモート・システムに印刷サービスを登録します。

注: これは System V Print Subsystem コマンドです。

構文

lpsystem [ -t Type ] [ -T Timeout ] [ -R Retry ] [ -y Comment ] SystemName [ SystemName . . . ]

lpsystem -l [ SystemName .. . ]

lpsystem -r SystemName [SystemName .. . ]

lpsystem -A

説明

lpsystem コマンドは、 リモート・システムとの (TCP/IP のような高速ネットワークを経由した) 通信に関する、 LP 印刷サービスのパラメーターを定義します。

特に、ローカル LP サービスと印刷要求を交換できるリモート・システムを、 lpsystem コマンドは定義します。 これらのリモート・システムは、 通信を制御するいくつかのパラメーター (例えば Type、 Retry、Timeout など) によって、 ローカル LP 印刷サービスに対して説明されます。 それらパラメーターは、 /etc/lp/Systems で定義されています。 このファイルは (vi などの) テキスト・エディターを使用して編集できますが、 編集することは勧められていません。 lpsystem を使用して、 Systems ファイルに加えられたすべての変更が lpsched に通知されるようにできます。

Timeout パラメーターは、 印刷サービスによりネットワーク接続がアイドルになる時間を (分単位で) 指定します。 リモート・システムへの接続が N 分間アイドルの場合 (つまりネットワーク・トラフィックがない場合)、 接続は切断されます。 (他にも作業がある場合は、接続は再び確立されます。) n0、 および N が正式な値です。 N は 1 以上の整数になります。 N に 10 進数が使用される場合、 整数になるよう切り捨てられます。 値 n はタイムアウトにならないことを意味します。 0 は接続がアイドルになるとすぐに切断されることを意味します。 デフォルトは n です。

Retry パラメーターは、 接続が (ネットワーク・エラーで) 異常終了した際、 リモート・システムへの接続を再確立するまでの待ち時間を (分単位で) 指定します。 n0N が正式な値です。 N は 1 以上の整数になります。 これは再接続までの N 分待つことを意味します。 N に 10 進数が使用される場合、 整数になるよう切り捨てられます。 (デフォルトは 10 分です。) 値 n は、 作業が発生するまで切断された接続を再試行しないことを意味します。 0 は、即時に再接続を行うことを意味します。

Comment パラメーターにより、 フリー・フォームのコメントをシステム・エントリーに関連付けることができます。 これは lpsystem -l を使用する際に見ることができます。

SystemName は、 ジョブを受信できるようにしたいリモート・システム、 およびジョブを送信できるようにしたいリモート・システムの名前です。 デフォルトでは、 /etc/lp/Systems ファイルによって特殊エントリーが提供されます。 これは bsd システムへのすべての接続を可能にします。 そのエントリーは、 SystemName にアスタリスク (*) を使用します。

コマンド lpsystem -l [ SystemName ] は、 SystemName に関連したパラメーター (システムが指定された場合)、 またはデータベース内のすべてのシステムに関連したパラメーター (SystemName が指定されなかった場合) の説明を表示します。

コマンド lpsystem -r SystemName は、 SystemName に関連したエントリーを除去します。 印刷サービスは、 リモート・プリンターがローカル・システム上で定義されているとしても、 そのシステムからジョブを受け入れずまたそのシステムにジョブを送信しません。 システム・ファイル・エントリーの除去が行われるときにスケジューラーが実行されていなければなりません。 なぜなら、スケジューラーは、 システム・エントリーが現在プリント出力先で使用されていないか確認するからです。 使用されている場合には、 システム・エントリーを除去できません。

lpsystem -r SystemName を使用してシステムを除去する際にそのシステムに対してアクティブのプリンターがある場合、 そのシステムをシステム・ファイルから除去することは許されません。 lpsystem -r SystemName は、 そのシステムのプリンターが存在しない場合にのみ機能します。

Timeout 値および Retry 値のセマンティクスに関して、 印刷サービスは、通信するリモート接続ごとに 1 つのプロセスを使用し、 システムに行うべき作業がある場合、 または作業がそのシステムから送信されている場合にのみ、 印刷サービスはリモート・システムと通信します。

接続を開始するシステムはマスター・プロセスで、 接続を受け入れるシステムは 2 次プロセスです。 この指定はただ、 接続が切断されるときどのプロセス (2 次) が停止したかを判別するためのものです。 これにより、 複数のプロセスが 1 つのリモート・システムと通信しないようにできます。 マスター/2 次の指定に関係なく、 すべての接続は両方向です。 システムのマスター/セカンダリーの指定は制御できません。 一般的に、 クライアント・マシンはマスター・プロセスの子を持ち、 サーバー・マシンは 2 次プロセスの子を持ちます。 マスター・プロセスがタイムアウトになると、 2 次もマスターも終了します。 2 次プロセスがタイムアウトになる場合は、 マスターがまだ生きていて再試行のインターバルの後に接続を再試行する可能性があります。 ですから、 1 つのシステムのリソース管理戦略が別のシステムの戦略に影響を与えることがあります。

lpsystem コマンドのすべての形式は、 SystemName* (二重引用符で囲まれたアスタリスク) を受け入れます。

ネーム・サーバーの構成によっては、 /etc/lp/Systems にある SystemName フィールド内のエントリーを完全なドメイン名に変更する必要がでてきます。

lpsystem -? を入力した場合は、コマンド使用方法メッセージが表示され、0 が戻されます。

フラグ

項目 説明
-A TCP/IP アドレスを 1 つのフォーマットで表示します。
-l [ SystemName ] SystemName に関連したパラメーター、 またはデータベース内のすべてのシステムに関連したパラメーターの説明を表示します。
-r SystemName SystemName に関連したエントリーを除去します。
-R Retry リモート・システムへの接続を再確立するまでの待ち時間を指定します。
-T Timeout ネットワーク接続がアイドルになる時間を指定します。 Timeout は分単位です。 デフォルトは、タイムアウトなしです。
-y Comment フリー・フォームのコメントをシステム・エントリーに関連付けることができます。
-t Type リモート・システムのタイプを指定します。-t フラグ用にサポートされている唯一の値は bsd です。

セキュリティー

lpsystem コマンドを実行できるのは、 適切な特権を持つユーザーだけです。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

ファイル

表 1. ファイル
項目 説明
/etc/lp/* /var/spool/lp/*