SMIT 画面のタイプ

システム管理インターフェース・ツール (SMIT) に使用可能な画面タイプは、 主に 3 つあります。 画面は、メニュー画面、セレクター画面、および ダイアログ画面で構成された階層で表示されます。

タスクを実行するとき、一般的にユーザーは、1 つまたは複数のメニューを走査し、 次いでゼロまたは複数のセレクターを、最後に 1 つのダイアログを走査します。

以下の表は、画面のタイプ、各画面に表示される内容、SMIT が 各画面を用いて内部的に実行する内容を示しています。

画面タイプ ユーザー用に画面に表示される内容 SMIT が各画面で内部的に実行する内容
メニュー 選択肢のリスト 選択肢を使用して、次に表示する画面を選択する。
セレクター 選択肢または入力フィールドのいずれかのリスト 後続画面のためのデータ値を取得する。 オプショナルで、代替ダイアログまたはセレクターを選択する。
ダイアログ 一連の入力フィールド 入力フィールドからのデータを使用して、ターゲット・タスクのコマンド文字列を 作成し、実行する。

メニューは、代替サブタスクのリストを表示します。その中から選択することによって、 別のメニュー画面またはセレクターあるいはダイアログの画面に移ることができます。 セレクターは通常、後続の画面が必要とする情報の 1 つの項目を取得するために 使用されますが、いくつかのセレクター画面またはダイアログ画面の中から、 次に使用する画面を選択する場合にも使用することができます。 ダイアログ画面とは、残りの入力がユーザーから要求される画面であり、 選択されたタスクが実際に実行される画面です。

メニューは SMIT への基本エントリー・ポイントであり、そのあとに別のメニュー、セレクター、 またはダイアログと続けることができます。 セレクターの後には、ダイアログを続けることができます。 ダイアログは、SMIT シーケンスの中の最終エントリー・パネルです。

メニュー画面

SMIT メニューは、ユーザーが選択できる項目のリストです。 メニュー項目は、一般的に SMIT から実行できるタスクまたはタスクのクラスです。 ユーザーは、メインの SMIT メニューから開始して、広範なシステム・タスクを 定義している項目の 1 つを選択します。 一般的には、最終的に特定のタスクのパフォーマンスに関する情報を収集する ダイアログが表示されるまで、次のメニューから選択し、さらにその後続のメニューから 選択するというようにしてユーザーの選択を明確にしていきます。

SMIT のユーザーが、特定のタスクに対する選択肢の範囲を狭められるように メニューを設計してください。 設計は、SMIT の既存の分岐に付加された新規メニューとダイアログだけの簡単なものにも、 あるいはまた、SMIT アプリケーション・メニューから始まるメニュー、セレクター、 およびダイアログの全体が新しい階層という複雑なものにもすることができます。

実行時に、SMIT は、指定されたオブジェクト・リポジトリーの中から、 所定の ID (id ディスクリプターの値) を持つ すべてのメニュー・オブジェクトを検索します。 特定の SMIT メニューに項目を追加する場合は、同一メニュー内の表題のない 他のオブジェクトの id ディスクリプターの値と同じ ID 値を持たせた、 メニュー・オブジェクトを追加してください。

メニューは、スタンザ・ファイルに定義してから、odmadd コマンドを用いてそのファイルを処理することによって作成します。 メニュー定義は、メニュー・オブジェクトのグループにコンパイルされます。 1 つまたは複数のファイルに、任意の数のメニュー、セレクター、およびダイアログを 定義することができます。

コマンド 説明
odmadd 指定されたオブジェクト・リポジトリーに、メニュー定義を追加します。
/usr/lib/objrepos システム情報用のデフォルトのオブジェクト・リポジトリーで、 これを使用してコンパイル済みのオブジェクトを保管することができます。

SMIT 実行時に、オブジェクトは SMIT データベースから自動的に検索されます。

注: オブジェクトまたはオブジェクト・クラスの削除や追加を行う場合は、 その前に、必ず /usr/lib/objrepos ディレクトリーのバックアップをとるようにしてください。 システム操作に必要なオブジェクトまたはクラスに不測の損傷があった場合は、システム上の問題を引き起こすことがあります。

セレクター画面

SMIT セレクターは、特定の項目、一般的にはシステム・オブジェクト (プリンターなど) や オブジェクトの属性 (逐次プリンター・モードまたは並列プリンター・モードなど) を 指定するようユーザーにプロンプトを出します。 通常、この情報は SMIT が次のダイアログで使用します。

例えば、セレクターは、論理ボリューム特性を変更する論理ボリュームの名前を ユーザーが入力するように、プロンプトを出すことができます。 この名前は後で、入力フィールドの初期化のための sm_cmd_hdr.cmd_to_discover_postfix フィールドのパラメーターとして使用することができます。 同様に、セレクター値を後続の sm_cmd_opt.cmd_to_list_postfix フィールドの 値として使用することもできます。 また、直接に後続の初期入力フィールド値として使用することもできます。 それぞれの場合、論理の一貫性のためには、この項目がダイアログより前に選択されているか、 またはダイアログの間中一定に保たれている必要があります。

1 セレクターにつき、ユーザーが 1 つの情報を返すよう、セレクターを設計してください。 セレクターを使用する場合は、メニューとダイアログの間で使用します。 複数のセレクターを一列につなげて、ダイアログが表示される前に、 いくつかの情報を収集することができます。

セレクターには通常、ユーザー指向言語で表示されるプロンプトと、 ユーザー入力に対する応答域または選択する値が入っているポップアップ・リストの いずれか、すなわち、1 つの質問フィールドと 1 つの応答が入っています。 一般的には、質問フィールドが表示されると、SMIT ユーザーは値を入力するか、または リストまたはオプション・リングの中から値を選択することによって、 応答域に値を入力します。

セレクター・オブジェクトには、実行時に選択肢のリストをユーザーに 提供するために、有効な選択肢をリストする 関連コマンド (sm_cmd_opt.cmd_to_list フィールドに定義済み) があります。 このリストは、ハードコーディングではありませんが、標準出力と関連した コマンドによって作成されます。 ユーザーは、SMIT インターフェースの F4 (Esc+4)=List 機能を選択することによって、このリストを取得します。

ゴースト・セレクター (sm_cmd_hdr.ghost="y") では、sm_cmd_opt.cmd_to_list フィールドに定義されているコマンド (存在する場合) が自動的に実行されます。 この時点ではセレクター画面は表示されず、ユーザーに見えるのは ポップアップ・リストだけです。

スーパー・ゴースト・セレクターのアプリケーションでは、メニュー選択の後に続く 分岐を認めています。行われる分岐は、システムの状態によって決まるものであり、 ユーザー入力によって決まることはありません。 この場合、スーパー・ゴースト・セレクター内の cmd_to_classify ディスクリプターを使用して、必要な情報を入手し、次に表示する正しい画面を選択することができます。

セレクターは、スタンザ・ファイルに定義してから、odmadd コマンドを用いてそのファイルを処理することによって作成します。 1 つのファイルに複数のメニュー、セレクター、およびダイアログを定義できます。 odmadd コマンドは、指定されたオブジェクト・リポジトリーに各セレクターを追加します。 /usr/lib/objrepos ディレクトリーは、システム情報用のデフォルトのオブジェクト・リポジトリーで、コンパイル済みのオブジェクトを保管するために用いられます。 SMIT 実行時に、オブジェクトは SMIT データベースから自動的に検索されます。

注: オブジェクトまたはオブジェクト・クラスの削除や追加を行う場合は、 その前に、必ず /usr/lib/objrepos ディレクトリーのバックアップをとるようにしてください。 システム操作に必要なオブジェクトまたはクラスに不測の損傷があった場合、 システム上の問題を引き起こすことがあります。

ダイアログ画面

SMIT 内のダイアログは、ユーザーが実行するコマンドまたはタスクへのインターフェースです。 各ダイアログは、1 つまたは複数のコマンド、シェル機能などを実行します。 1 つのコマンドを、任意の数のダイアログから実行することができます。

ダイアログを設計する場合は、組み立てたいコマンド文字列、および値を ユーザーが指定するようにしたいコマンド・オプションとオペランドについて、 知っている必要があります。 ダイアログ・ディスプレイでは、これらの各コマンド・オプションおよびオペランドは、 ユーザー指向言語で表示されるプロンプトおよびユーザー入力に対する応答域で表されます。 各オプションおよびオペランドは、オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) データベース内の ダイアログ・コマンド・オプション・オブジェクトによって表されます。 ダイアログ全体は、ダイアログ・ヘッダー・オブジェクトによってまとめられています。

SMIT ユーザーは値を入力するか、またはリストまたはオプション・リングの中から 値を選択することによって、応答域に値を入力します。 各ダイアログ・オブジェクトには、実行時に選択肢のリストをユーザーに提供するために、 有効な選択肢をリストする関連コマンドがあります。 関連コマンドは、sm_cmd_opt.cmd_to_list フィールド内で定義されています。 ユーザーは、SMIT インターフェースの F4 (Esc+4)=List 機能を起動することによって、 このリストを取得します。 これによって SMIT は、関連する cmd_to_list フィールドで定義されているコマンドを実行し、 このリストを作成するために、標準出力と stderr ファイルを使用します。

ダイアログ画面には、エントリーに割り当てられた以下のオプションを表示することができます。
オプション 機能
# 数値が必要であることを示しています。
* エントリーが必須であることを示しています。
+ F4 キーを押したときに選択肢のリストが表示されることを示しています。

ゴースト・ダイアログでは、ダイアログ画面は表示されません。 ダイアログは、ユーザーがすぐにダイアログ画面の Enter キーを押してダイアログを実行した場合と同様に実行されます。

ダイアログは、スタンザ・ファイルに定義してから、odmadd コマンドを用いてそのファイルを処理することによって作成します。 1 つのファイルに複数のメニュー、セレクター、およびダイアログを定義できます。 odmadd コマンドは、指定されたオブジェクト・リポジトリーに 各ダイアログ定義を追加します。 /usr/lib/objrepos ディレクトリーはシステム情報用のデフォルトのオブジェクト・リポジトリーで、コンパイル済みオブジェクトの保管に使用できます。SMIT 実行時に、オブジェクトは SMIT データベースから自動的に検索されます。

注: オブジェクトまたはオブジェクト・クラスの削除や追加を行う場合は、 その前に、必ず /usr/lib/objrepos ディレクトリーのバックアップをとるようにしてください。 システム操作に必要なオブジェクトまたはクラスに不測の損傷があった場合、 システム上の問題を引き起こすことがあります。