SMIT 別名と高速パス

このセクションでは、SMIT 別名と高速パスについて説明します。

システム管理インターフェース・ツール (SMIT) の sm_menu_opt オブジェクトを使用すると、高速パスを定義できます。 この高速パスを smit コマンドで入力して SMIT を始動すると、ユーザーは特定のメニュー、セレクター、またはダイアログに直接進むことができます。 別名自体が表示されることはありません。 ユーザーは高速パスを使用することによって、メインの SMIT メニューや、そのメニュー、セレクター、 またはダイアログへの SMIT インターフェース・パス内のその他のオブジェクトをバイパスすることができます。 任意の数の高速パスが同一のメニュー、セレクター、あるいはダイアログを指すことができます。

sm_menu_opt オブジェクトは、sm_menu_opt.alias フィールドを "y" に設定することによって、高速パスを定義する場合に使用されます。 この場合、sm_menu_opt オブジェクトは、高速パスを定義するためにのみ使用されます。 新規高速パスまたは別名の名前は、sm_menu_opt.id フィールドの値によって指定されます。 sm_menu_opt.next_id フィールドの内容は、sm_menu_opt.next_type フィールドの値が "m" (メニュー)、"n" (セレクター)、"d" (ダイアログ) のいずれであるかに応じて、他のメニュー・オブジェクト、セレクター・ヘッダー・オブジェクト、ダイアログ・ヘッダー・オブジェクトのいずれかを指します。

メニュー表題 (next_type="m") 用の非別名 sm_menu_opt オブジェクトには、固有の sm_menu_opt.next_id フィールド値が入っている必要があります。このフィールドは、高速パスとして自動的に使用されるからです。

2 つのメニュー項目が同一の後継メニューを指すようにしたい場合 は、next_id フィールドの 1 つが別名を指すようにしてください。 この別名もまた後継メニューを指します。

別名および高速パスは、スタンザ・ファイルに定義してから、odmadd コマンド を用いてそのファイルを処理することによって作成します。 1 つのファイルに複数のメニュー、セレクター、およびダイアログを定義できます。 odmadd コマンドは、指定されたオブジェクト・リポジトリーに各別名定義を追加します。 /usr/lib/objrepos ディレクトリーはシステム情報用のデフォルトのオブジェクト・リポジトリーで、コンパイル済みオブジェクトの保管に使用できます。SMIT 実行時に、オブジェクトは SMIT データベースから自動的に検索されます。

注: オブジェクトまたはオブジェクト・クラスの削除や追加を行う場合は、その前に、必ず /usr/lib/objrepos ディレクトリーのバックアップをとるようにしてください。 システム操作に必要なオブジェクトまたはクラスに不測の損傷があった場合、 システム上の問題を引き起こすことがあります。