geninstall コマンド

目的

さまざまなパッケージ・フォーマットのソフトウェア製品をインストールする汎用インストーラー。 例えば、installp、RPM、SI、ISMP などです。

構文

geninstall -d Media [ -I installpFlags ] [ -E | -T ] [ -t ResponseFileLocation ] [-e LogFile] [ -p ] [ -F ] [ -Y ] [ -Z ] [ -D ] { -f File | Install_List ] | all}

または

geninstall -k [ -d Media ] [ -p ] [ -Y ] [ -f File | install_list | all | update_all ]

または

geninstall -u [-e LogFile] [ -E | -T ] [ -t ResponseFileLocation ] [ -D ] {-f File | Uninstall_List...}

または

geninstall -L -d Media [-e LogFile] [ -D ]

説明

現在の installp フラグをすべて受け入れ、 それらを installp に渡します。 フラグの一部 (例えば -L) は、 メディア上のすべての製品を表示するために、過負荷になっています。 ISMP パッケージ製品に関係のないフラグは無視されます。これにより、プログラム (NIM など) は、 installp フラグを常に geninstall に送信し続けることができますが、 使用されるのは関係のあるフラグだけです。

geninstall コマンドは、/etc/check_config.files にリストされている構成ファイルに対して、 どのような変更が行われたかを調べる簡単な方法を提供します。 geninstall インストールまたは更新操作中にこれらのファイルが変更されると、 旧ファイルと新ファイル間の違いが /var/adm/ras/config.diff に記録されます。/etc/check_config.files で旧ファイルを 保管するように要求している場合は、旧ファイルは /var/adm/config ディレクトリーにあります。

/etc/check_config.files は編集することができ、変更された旧構成ファイルを保管するか (s で示す)、 または削除するか (d で示す) どうかを指定するために使用することができます。フォーマットは次のとおりです。
d /etc/inittab

geninstall コマンドのインストール・アクティビティーの要約が、 /var/adm/sw/geninstall.summary に保管されています。 このファイルには、installp でインストールしたファイルセットと、ISMP で インストールしたコンポーネントのリストが、コロンで区切られて入っています。 これは主として、サイレント・インストールの要約情報を提供するために使用されます。

注: ISMP パッケージのインストールおよび応答ファイルの使用についての詳細は、 /usr/lpp/bos ディレクトリーにある README.ISMP ファイル を参照してください。 また、geninstall コマンドは、並行更新を含む暫定修正のファイルをインストールすることができます。並行更新を含む暫定修正は、インストール・イメージを含むディレクトリー内の cupdates というサブディレクトリーに置かれなければなりません。これで geninstall コマンドは更新を適切にインストールします。

フラグ

項目 説明
-d Device または Directory インストールするイメージが入ったデバイスまたはディレクトリーを指定します。
geninstall コマンドは、以下のパスにあるイメージを検索します。
  • /mount_point/installp/ppc (installp パッケージ)
  • /mount_point/RPMS/ppc (RPM パッケージ)
  • /mount_point/emgr/ppc (AIX® 用の暫定修正パッケージ)
  • /mount_point/ISMP/ppc (AIX 用の ISMP パッケージ)
パスが存在しない場合、geninstall コマンドは特定のデバイスのベース・ディレクトリーにあるイメージを検索します。イメージ名の前にイメージ・タイプを示すプレフィックスが付いていない場合、geninstall コマンドはイメージのタイプを識別します。

パスが存在し、どのパスにもイメージがなく、しかもイメージがプレフィックスを含んでいない場合、イメージは RPM フォーマットのイメージとして扱われます。

-D デバッグ・モードを指定します。 このフラグは、このスクリプトをデバッグするためのものです。 これにより大量の出力が作成されるため、通常の操作にこれを使用すべきではありません。
-e LogFile イベント・ロギングを使用可能にします。-e フラグを指定することにより、 geninstall コマンド出力の特定部分を LogFile 変数で指定したファイルに追加することができます。LogFile 変数には、 既存の書き込み可能なファイルを指定する必要があります。また、そのファイルがあるファイルシステム に、ログを保管するのに十分なスペースがなければなりません。 ログ・ファイルは循環しません。
-E デフォルトのロケーションに ISMP 応答記録ファイルを作成します。 これは製品インストール・ファイルを含むディレクトリーです。このオプションを指定する際は、 ISMP インストールまたはアンインストールを対話式で 完全に実行する必要があります。結果の応答ファイルを使用すると、 それ以降同じ製品をインストールまたはアンインストールする際に 同じオプションが提供されます。 応答記録ファイルを作成することにより、結果的に製品がインストールまたはアンインストールされます。
-f File ターゲット・ロケーションにコピーするイメージのリストを入れるファイルを指定します。 installp、RPM、および ISMP のイメージには、プレフィックスをそれぞれ I:R:、および J: と付ける必要があります。 暫定修正パッケージにはプレフィックス E: を付けてください。
-F 既にインストールされているパッケージを再インストールしたり、現在インストールされている バージョンより古いパッケージをインストールします。
-I installpFlags installp コマンドを呼び出す際に使用する、 installp フラグを指定します。 installp のインストール操作時に使用されるフラグは、 abcDeEFgIJMNOpQqStvVwX フラグです。インストール時に使用されない installp フラグは、 CirzA、 および l フラグです。これらの機能を実行するには、 installp コマンドを直接呼び出さなければなりません。 -u-d-L-f フラグは、-I フラグの外側で指定してください。
-k このフラグを IBM AIX 7.2 テクノロジー・レベル 1 以降で使用すると、AIX Live Update操作を使用して、Service Pack (SP)、テクノロジー・レベル (TL)、グループ更新または個別更新、および LU CAPABLE としてマーク付けされている暫定修正をアップグレードすることができます。暫定修正が LU CAPABLE であるかどうかを判別するために、インストールのプレビューを実行できます。Live Update操作を開始する前に、システム上に既存の更新があれば、それらをコミットしておく必要があります。Live Update操作は、プロセス中に適用されたすべての更新を常にコミットし、必要なファイル・システムを展開して、必要なソフトウェアをすべてインストールします。Live Update操作中、他のすべてのインストール・プロセスは開始されません。
注: Live Update操作に更新のインストールが含まれている場合は、Live Update操作を開始する前に、実行可能なシステム・バックアップを実行しておく必要があります。Live Update操作では、バックアップ・イメージは作成されません。

ご使用の環境で以下のタスクを実行している場合、Live Update操作は失敗します。

  • ワークロード・パーティション (wpar) 環境、multibos 環境、または代替ディスク環境などの特殊な環境で暫定修正をインストールする。
  • オペレーティング・システムをインストールする。
  • 必須オペレーティング・システム論理ボリューム (//var/opt/usr/etc) およびブート論理ボリュームの論理ボリューム名が、デフォルトの論理ボリューム名として使用されていない。

Live Update のオペレーションには、/var/adm/ras/liveupdate/lvupdate.data ファイルで追加入力を指定する必要があります。 このファイルについて詳しくは、/var/adm/ras/liveupdate/lvupdate.templateを参照してください。

更新が正常に適用されてコミットされ、Live Update・プロセスが失敗した場合は、-k フラグだけを指定して geninstall コマンドを実行することにより、Live Update・プロセスを再実行できます。このシナリオでは、コマンドにデバイスとソフトウェアを含める必要はありません。

AIX 7200-01 以降では、SMIT または何らかの好みの方法を使用して更新や暫定修正を適用およびコミットし、-d フラグを使用せずにLive Update操作を実行することができます。これにより、システムを再始動せずに済みます。

geninstall -k 操作は、RPM パッケージを更新するわけではありません。 LKU 操作を実行する前に、RPM パッケージを更新する必要があります。

all オプションは、-d フラグで指定されたデバイスまたはディレクトリーにあるすべてのソフトウェアをインストールします。このプロセスは、そのソフトウェアが以前にシステムにインストールされていなかった場合でも、-d フラグによって指定されたソフトウェア・ソースにあるすべてのソフトウェアをインストールします。update_all オプションは、既にシステムにインストールされている、指定されたソフトウェアの上位バージョンだけをインストールします。update_all オプションは、既存のソフトウェアの新規バージョンが新規ソフトウェアを必要とする場合にのみ、新規ソフトウェアをインストールします。

注: Live Update操作を実行するには、bos.liveupdate.rte ファイルセットがインストールされている必要があります。
-L メディアの内容を表示します。出力フォーマットは installp -Lc フォーマットと同じで、 ISMP および RPM フォーマット製品の末尾にはフィールドが追加されています。
-p 指定されたアクションについてすべての事前インストール検査を実行して、アクションのプレビューを 行います。
-t ResponseFileLocation 応答ファイルまたは応答ファイル・テンプレートの代替ロケーションの指定を許可します。 デフォルトのロケーションは、製品インストール・ファイルを含むディレクトリーです。 このフラグは、応答ファイルの記録またはテンプレートを、 別のロケーションに作成するために使用できます。 ResponseFileLocation は、ファイル名でもディレクトリー名でもかまいません。 ResponseFileLocation がディレクトリーの場合は、 このディレクトリーは既存のものでなければなりません。ResponseFileLocation が既存のディレクトリーでない場合は、ファイル名を指定したものと見なされます。
-T デフォルトのロケーションに ISMP 応答ファイル・テンプレートを作成します。 このロケーションは製品インストール・ファイルを含むディレクトリーです。作成されたテンプレートを使って、希望するオプションを指定し、 同じ製品の今後のインストールまたはアンインストール用の応答ファイルを作成することができます。応答ファイル・テンプレートを作成することによって、結果的に製品がインストールまたはアンインストール されることはありません。
-u 指定されたソフトウェアのアンインストールを実行します。ISMP 製品の場合、 ベンダーのデータベースにリストされているアンインストーラーが呼び出され、 プレフィックス「J:」が付けられます。
-Y ソフトウェアのインストールに必要なソフトウェア・ライセンス契約に同意します。 このフラグは、-I オプションを付けた、installp フラグとしても 受け入れられます。
-Z geninstall に、インストールをサイレント・モードで起動するよう指示します。

  1. ドライブ cd0 の CD メディア上にある製品をすべてインストールするには、次のように入力します。
    geninstall -d /dev/cd0 all

    メディア上に ISMP イメージがある場合には、グラフィカル・インターフェースが提供されます。 installp、SI、または RPM イメージの場合は、installp イメージが複数の CD にまたがっていない限り、プロンプトなしでインストールされます。

  2. /images/emgr/ppc ディレクトリーにある IV12345.160101.epkg.Z という名前の暫定修正をインストールするには、次のコマンドを入力します。
    geninstall -d /images IV12345.160101.epkg.Z
    注: /images/emgr/ppc ディレクトリーが存在しても、パッケージが /images ディレクトリーに入っていると (/images/IV12345.160101.epkg.Z)、geninstall コマンドはそのパッケージを暫定修正と見なさず、そのパッケージを RPM フォーマットのイメージとしてインストールしようとします。詳しくは、-d フラグを参照してください。

ファイル

  • /usr/sbin/gencopy
  • /usr/sys/inst.data/sys_bundles
  • /usr/sys/inst.data/user_bundles