gdc コマンド

目的

gated 用の操作可能ユーザー・インターフェースを提供します。

構文

gdc [ -q ] [ -n ] [ -c coresize ] [ -f filesize ] [ -m datasize ] [ -s stacksize ] [ -t seconds ] Subcommands

説明

gdc コマンドは、gated 経路指定デーモン操作のためのユーザー指向インターフェースを提供します。 このコマンドは、以下のサポートを行います。

  • デーモンの始動と停止
  • デーモンの稼働中にそれを操作するシグナルの送達
  • 構成ファイルの保守と構文検査
  • 状態ダンプおよびメモリー・ダンプの実動と取り外し用

gdc コマンドは、gated の稼働状況を確実に判断して、エラー発生時に確かな終了状況を作成し、そして gated を扱うシェル・スクリプトで使用するためそれを使いやすいものにします。 gdc を用いて実行するコマンドや、 それらの実行で作成されるエラー・メッセージ (オプション) は、 gated 自身が使用する同じ syslogd 機能によって記録され、 そのデーモン上で行われた操作の監査証跡を提供します。

フラグ

項目 説明
-n カーネル転送テーブルを変更せずに実行されます。 これは、テストの場合および、転送を行わない経路指定サーバーとして動作するときに便利です。
-q メッセージは出されません。 通常、標準出力に出される情報メッセージは、このフラグで抑止され、エラー・メッセージは、 標準エラー出力に出されるのではなく syslogd に記録されます。 これは、シェル・スクリプトから gdc を実行中のときは便利です。
-tseconds gated がある種の操作を (特に、終了時と始動時に) 完了する のを gdc が待つ時間を秒単位で指定します。 デフォルトでは、この値は 10 秒に設定されています。
-c coresize gdc で始動された gated が作成するメモリー・ダンプの最大サイズを設定します。 これは、デフォルトの最大メモリー・ダンプ・サイズが小さ過ぎて gated がエラーに関してメモリー・ダンプを完全に作成できないシステムでは便利です。
-f filesize gdc で始動された gated が作成する最大ファイル・サイズを設定します。 これは、デフォルトの最大ファイル・ダンプ・サイズが小さ過ぎて、gated が要求時に全状態ダンプを作成できないシステムでは便利です。
-m datasize gdc で始動された gated の最大データ・セグメント・サイズを設定します。 これは、デフォルトのデータ・セグメント・サイズが小さ過ぎて、gated が実行できないシステムでは便利です。
-s stacksize gdc で始動された gated の最大スタック・サイズを設定します。 これは、デフォルトの最大スタック・サイズが小さ過ぎて、gated が実行できないシステムでは便利です。

サブコマンド

以下のサブコマンドを用いると、シグナルはさまざまな目的で gated に送達されます。
項目 説明
COREDUMP gated に異常終了シグナルを送り、メモリー・ダンプを作成して終了させます。
dump gated に、現行の状態をファイル /var/tmp/gated_dump に ダンプするようシグナルを送ります。
interface gated に、インターフェース構成を再検査するようシグナルを送ります。 どのような場合でも、gated は通常これを定期的に行いますが、変更の発生がわかっているときは、この機能を使用してデーモンにインターフェース状況を即時に検査させることができます。
KILL gated を異常状態で終了させます。
reconfig gated に、その構成ファイルを再読み取りして現在の状態を適切に再構成するようシグナルを送ります。
term gated に、すべての操作経路指定プロトコルを規定どおりに停止させた後、終了するようシグナルを送ります。 このコマンドを 2 度目に実行した場合は、完全に停止していないプロトコルがあっても gated は終了します。
toggletrace トレースを中断し、gated が現在ファイルをトレースしている場合は、そのトレース・ファイルをクローズします。 gated のトレースが現在中断中の場合は、このサブコマンドで、トレース・ファイルは再オープンし、トレースは開始されます。 これは、トレース・ファイルを移動する場合に便利です。
以下のサブコマンドは、構成ファイルに関連した操作を行います。
項目 説明
checkconf /etc/gated.conf を検査して、構文エラーを調べます。 この検査は、構成ファイルの変更後でかつ現在実行中の gatedreconfig シグナルを出す前に行って、実行中の gated が再構成で終了する原因となるエラーが構成内にないことを確認するのに便利です。 このコマンドを使用すると、gdc は、構文解析エラーの有無を示し、あれば検査のためにエラー出力をファイルに保存することを示す情報メッセージを出します。
checknew 新規 構成ファイル /etc/gated.conf+ が 検査されることを除けば checkconf と同じです。
newconf /etc/gated.conf+ ファイルを /etc/gated.conf として所定の場所に移動し、上記の旧バージョンのファイルを保存します。 gdc は、新規構成ファイルが存在しないか、存在しても疑わしい場合は、このコマンドが与えられていると場合何の処置もしません。
backout 構成ファイルをより新しい方向に回転し、実質的には古い構成ファイルを /etc/gated.conf に移動します。 /etc/gated.conf- が存在しないか、長さがゼロの場合、あるいはこの操作で既存の、ゼロ以外の長さの /etc/gated.conf+ ファイルを削除する場合は、このコマンドは動作しません。
BACKOUT /etc/gated.conf+ が存在していて、長さがゼロ以外であっても、バックアウト操作を行います。
modeconf すべての構成ファイルを、モード 664、オーナー・ルート、グループ・システムに設定します。
createconf /etc/gated.conf+ が存在しない場合は、ファイル・モードを 664、オーナー・ルート、グループ・システムに設定して、長さがゼロのファイルを作成します。
以下のサブコマンドは、gated の始動と停止、およびその実行状態の判別についてサポートします。
項目 説明
実行 gated が現在実行中かどうかを判別します。 これは、gated がその PID が入っているファイルにロックをかけているかどうか、ファイル内の PID が目的にかなったものかどうか、そしてその PID に実行中のプロセスがあるかどうかをチェックして行われます。 gated が実行中ならゼロ状況で、そうでない場合はゼロ以外で、終了します。
start gated を始動します。 このコマンドは、gated が既に実行中ならばエラーを戻します。 実行中でなければ、gated バイナリーを実行し、 新たに始動されたプロセスが PID ファイルへのロックを入手するまで 遅延間隔いっぱい (デフォルトでは 10 秒、 そうでない場合は -t オプションの設定に従って) 待ちます。 バイナリーの実行中にエラーが検出された場合や、あるいは指定の待ち時間内で PID ファイルのロックが入手されなかった場合は、ゼロ以外の終了状況が戻されます。
stop 可能であれば正常状態で、可能でなければ異常状態で gated を停止します。 gated が現在実行中でない場合、コマンドはエラー (ゼロ以外の終了状況で) を戻します。 実行中の場合は、終了シグナルを gated に送り、 プロセスが終了するまでの遅延間隔いっぱい (デフォルトでは 10 秒、 そうでない場合は -t オプションの設定に従って) 待ちます。 gated が遅延間隔以内に終了しなかった場合は、それに 2 番目の終了シグナルで再度シグナルが送られます。 2 番目の遅延間隔の終わりまでに終了しなかった場合は、kill シグナルで 3 回目のシグナルが送られます。 これによって、余程何かが壊れていない限り、即時終了が強制されます。 このコマンドは、gated が終了したことを検出した場合はゼロ終了状況で、そうでない場合はゼロ以外の終了状況で終了します。
restart gated が実行中である場合は、上記の stop コマンド で使用した手順と同じ手順で終了します。 前の gated が、終了したとき、あるいはコマンドの実行前に実行中でなかった場合は、新しい gated プロセスが、上記の start コマンドで説明した手順を用いて実行されます。 この手順のステップが失敗したようであれば、ゼロ以外の終了状況が戻されます。
以下のサブコマンドを用いると、上記のコマンドのどれかを実行して作成されたファイルを除去することができます。
項目 説明
rmcore 既存の gated メモリー・ダンプ・ファイルを除去します。
rmdump 既存の gated 状態ダンプ・ファイルを除去します。
rmparse checkconf または checknew コマンドが実行され、構文エラーが検査中の構成ファイルで検出されたときに生成された、構文解析エラーを除去します。
デフォルトでは、gated は、通常 /etc/gated.conf と いうファイルからその構成を入手します。 gdc プログラムは、他の複数のバージョンの構成ファイル、特に以下の名前の構成ファイルも維持しています。
項目 説明
/etc/gated.conf+ 新規構成ファイル。 gdc が、新規構成ファイルのインストールを要求されると、このファイルの名前は /etc/gated.conf に名前変更されます。
/etc/gated.conf- 旧構成ファイル。 gdc が、新規構成ファイルのインストールを要求されると、前の /etc/gated.conf の名前はこの名前に変更されます。
/etc/gated.conf— 実際に古い構成ファイル。 gdc は、前の古い構成ファイルを、この名前で保存します。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/gated gated バイナリー。
/etc/gated.conf 現行 gated 構成ファイル。
/etc/gated.conf+ より新しい構成ファイル。
/etc/gated.conf- より古い構成ファイル。
/etc/gated.conf— さらに古い構成ファイル。
/etc/gated.pid gated がその PID を格納する場所。
/var/tmp/gated_dump gated の状態ダンプ・ファイル
/var/tmp/gated.log 構成ファイル構文解析エラーが入るファイル。