dircmp コマンド
目的
2 つのディレクトリーとその中にあるファイルの内容を比較します。
構文
説明
dircmp コマンドは、Directory1 と Directory2 によって指定された 2 つのディレクトリーを比較して、その内容に関する情報を標準出力に書き出します。 まず最初に、dircmp コマンドは各ディレクトリー内のファイル名を比較します。両方のディレクトリーに同一ファイル名があると、dircmp コマンドは両方のファイルの内容を比較します。
出力では、dircmp コマンドは各ディレクトリーごとに固有なファイルをリストします。 そして、両方のディレクトリー内で、同じ名前ではあるが内容は異なっているファイルを出力します。フラグを指定しないと、両方のディレクトリー内の名前が同じであるだけでなく、内容も同じであるファイルも出力します。
diff -r コマンドは、 dircmp コマンドと同様の機能を提供します。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-d | 各共通ファイル名ごとに、異なるファイル内容を両方とも表示します。表示フォーマットは、diff コマンドと同じです。 |
-s | 同一ファイルの名前を表示しません。 |
-w num | 出力の幅を、num で指定される文字数に変更します。 |
終了状況
このコマンドは次の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
注: ディレクトリー内容の相違は、エラーとは見なされません。
例
- 2 つのディレクトリー内のファイル間の相違を要約するには、
次のように入力します。
これによって、ディレクトリー proj.ver1 と proj.ver2 との間の相違の要約が表示されます。相違点をまとめたリストでは、1 つのディレクトリーにしかないファイルと 2 つのディレクトリーのどちらの中にもあるファイルは別々に示されています。ファイルが両方のディレクトリーにあると、 dircmp コマンドは、その 2 つのコピーが同一であるかないかに注目します。dircmp proj.ver1 proj.ver2
- ファイル間の相違を詳細に表示するには、次のように入力します。 -s フラグは、同一ファイルに関する情報を出しません。-d フラグは、 両方のディレクトリー内の異なるファイルについて、diff リストを表示します。
- ファイル間の相違の詳細を、90 文字に設定された出力行の幅で表示するには、次のように入力します。
$dircmp -w 90 dir1 dir2
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/bin/dircmp | dircmp コマンドが入っています。 |
関連情報
ファイルシステム内のディレクトリーの構造と特性については、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『ディレクトリー』を参照してください。
オペレーティング・システムによる入出力の処理については、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の 入出力リダイレクト』を参照してください。