dfsck コマンド

目的

異なるドライブ上にある 2 つのファイルシステムを同時に検査および修理します。

構文

dfsckFlagList1 ] FileSystem1FlagList2 ] FileSystem2

説明

dfsck コマンドを使用すると、2 つの異なるドライブ上にある 2 つのファイルを同時に検査できます。 2 組のファイルシステムにフラグとパラメーターを渡すには、FlagList1FlagList2 パラメーターを使用します。 FlagList1 および FlagList2 の有効なフラグのリストについては、それらのフラグのセクションを参照してください。 フラグを引数の一部として指定する場合は、- (負符号) を使用して、ファイルシステム・グループのフラグを分離します。

dfsck コマンドを使用すると、 2 つの fsck コマンドと同時に対話できます。この場合の補助として、dfsck コマンドは各メッセージと一緒にファイルシステム名を表示します。 dfsck コマンドの質問に答えるときには、応答に 1 または 2 のプレフィックスを付けて、答が第 1 または第 2 のうち、どのファイルシステム・グループに関するものかを明示します。

重要: ルート・ファイルシステムの検査には、dfsck コマンドを使用しないでください。

フラグ

項目 説明
-dBlockNumber 指定されたディスク・ブロックへの参照を検索します。 fsck コマンドは、指定されたブロックを含むファイルを検出するたびに、 関連する i ノード番号とすべてのパス名を表示します。
-f 高速検査を行います。 通常は、正しい方法で電源を切らずにシステムを停止したために影響を受けるのは、 そのときにマウントされているファイルシステムだけです。 -f フラグを指定すると、fsck コマンドは、 正常にアンマウントされたファイルシステムの検査を行いません。 fsck コマンドは、ファイルシステム・スーパーブロック内の、 s_fmod フラグを検査することにより、 正常にアンマウントされたファイルシステムを判別します。 このフラグはファイルシステムをマウントするたびに設定され、 正常にアンマウントすると消去されます。ファイルシステムが正常にアンマウントされれば、 何も問題が発生するようなことはありません。 ほとんどのファイルシステムは正常にアンマウントされるため、 このようなファイルシステムは検査されず、検査に要する時間が短縮できます。
-ii-NodeNumber 指定された i ノードへの参照を検索します。fsck コマンドは、指定された i ノードのディレクトリー参照を検出するたびに、 参照先への絶対パス名を表示します。
-n fsck コマンドのすべての質問に対して no と いう応答が与えられるものと見なします。指定したファイルシステムは書き込み用にオープンされません。
-o Options fsck コマンドにコンマで区切られたオプションを渡します。 これらのオプションは、インプリメントされたファイルシステムに固有なオプションと見なされます。 ただし、現在、次の項目はすべてのファイルシステムでサポートされています。
mountable
対象のファイルシステムがマウント可能な (現在アンマウントされている) 場合、 値 0 を戻して fsck コマンドを正常終了させます。 ファイルシステムがマウント可能でない場合、 fsck コマンドは値 8 を戻して終了します。
mytype
該当するファイルシステムが、 /etc/filesystems ファイル内で指定されたものか、コマンド・ライン上の -V フラグで指定されたものと同じタイプである場合に、fsck コマンドを正常終了 (0) させます。 その他の場合は 8 の値が戻されます。 例えば、 / (ルート・ファイルシステム) がジャーナル・ファイルシステムであれば、 fsck -o mytype -V jfs / は 0 値で終了します。
-p 小さな問題についてのメッセージは表示せず自動的に修正します。 このフラグは、-y フラグとは異なり、 すべてをシステム側にまかせるわけではありません。 システムの通常の始動時に自動検査を行う場合に役に立ちます。システムが自動的に実行される場合は常に、システム始動手続きの一部として、このフラグを使用する必要があります。グループ単位の並列検査も可能です。
-tFile fsck コマンドでテーブルを格納するための十分なメモリーが 獲得できない場合に、File パラメーターを検査対象のファイルシステム以外のファイルシステム上のスクラッチ・ファイルとして指定します。 -t フラグを指定せず、 fsck コマンドがスクラッチ・ファイルを必要としている場合には、 fsck コマンドはスクラッチ・ファイル名を求めるプロンプトを表示します。 ただし -p フラグを指定している場合は、 fsck コマンドは正常に実行されません。スクラッチ・ファイルがスペシャル・ファイルでなければ、fsck コマンド終了時に除去されます。
-V VfsName /etc/filesystems ファイルの代わりに、VFSName 変数で指定された仮想ファイルシステムの記述を使って、記述を決定します。コマンド・ラインに -V VfsName フラグを指定しないと、/etc/filesystems ファイルが検査され、 一致するスタンザの vfs=Attribute が、正しいファイルシステム・タイプであると見なされます。
-y fsck コマンドが発行するすべての質問に対して、 yes という応答が与えられるものと仮定します。このフラグによって、 fsck コマンドは必要と考えられるすべての処理を行います。 このフラグは、損傷の激しいファイルシステムだけに使用してください。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー 」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. 2 個の異なるドライブ上の 2 つのファイルを同時に調べるには、 次のように入力します。
    dfsck  -p /dev/hd1 -  -p /dev/hd7
    /dev/hd1/dev/hd7 デバイス上にあるファイルシステムが、異なる 2 個のドライブ上に置かれている場合、上記のコマンドは 2 つのファイルを同時に検査します。 また、/etc/filesystems ファイル内のファイルシステム名を、 指定することもできます。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/dfsck dfsck コマンドが入っています。
/etc/filesystems 既知のファイルシステムをリストし、その特性を定義します。
/etc/vfs 仮想ファイルシステムのタイプに関する記述が入っています。
/etc/rc システム始動時に実行されるコマンド (fsck コマンドなど) が入っています。