chmp コマンド

目的

ミラー・プールの特性を変更します。

構文

chmp -A [ -c aiocachelvname ] [ -h highwatermark ] -m mirrorpoolname vgname

chmp -h highwatermark -m mirrorpoolname vgname

chmp -S [-f ] -m mirrorpoolname vgname

説明

chmp コマンドを使用すると、以下の操作を実行できます。
  • -A フラグを使用して、非同期ミラーリング用のミラー・プールを構成します。
  • -h フラグを使用して、入出力キャッシュ論理ボリュームの高水準点を設定します。
  • 入出力キャッシュ論理ボリュームのサイズ変更を検出し、適切なアクションを行います。
  • -S フラグを使用して、ミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変更します。
  • 非同期ミラーリングに使用される入出力キャッシュ論理ボリュームを変更します。
注:
  1. 全ミラー・プール内の全ディスクは、非同期ミラーリング用に構成されるために、アクセス可能である必要があります。
  2. ミラー・プールが非同期ミラーリング用に構成された後で、一部のアクティブ・ディスクは各ミラー・プールから、 そのミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変換するよう求められます。 故障しているサイトから 1 つ以上のミラー・プールを除去したい場合は、chmp コマンドを -S フラグ および -f フラグと一緒に使用して、非同期ミラーリングを無効にしてください。
  3. 非同期ミラーリングは、超厳密に設定されたミラー・プールを持つ非並行スケーラブル・ボリューム・グループでのみサポートされています。
  4. ボリューム・グループの自動オン・オプションと不良ブロック再配置オプションを無効にする必要があります。
  5. ボリューム・グループをスナップショット・ボリューム・グループにすることはできません。 ボリューム・グループに、アクティブなページング・スペース論理ボリュームを含めることはできません。
  6. ミラー・プールを変更するには、ボリューム・グループをオンに変更する必要があります。
  7. aio_cache 論理ボリュームがミラーリングされる場合、この論理ボリュームにパッシブ・ミラーリング書き込み整合性を使用する必要があります。

フラグ

項目 説明
-A 非同期ミラーリング用のミラー・プールを構成します。
-c aiocachelvname 非同期入出力キャッシュ論理ボリュームの名前を指定します。 論理ボリュームは aio_cache タイプでなければならず、-m フラグで指定された ミラー・プール内にあってはいけません。 -c フラグを指定しないと、chmp コマンドは aio_cache タイプの 適切な論理ボリュームを見つけようとします。
-f リモート入出力キャッシュがアクセス可能でなくても、強制的にミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変更します。
-h highwatermark 入出力キャッシュの高水準点を指定します。 値は入出力キャッシュ・サイズのパーセントです。 デフォルト値は 100% です。 さらに、このフラグは入出力キャッシュ論理ボリュームのサイズの増加を検出し、適切なアクションを行います。
-m mirrorpoolname ミラー・プール名を指定します。
-S ミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変更します。

パラメーター

項目 説明
vgname ミラー・プールのあるボリューム・グループ名を指定します。

  1. ミラー・プールに対して非同期ミラーリングをセットアップするには、以下の順序でコマンドを入力します。
    1. ローカル・ディスクの hdisk1hdisk2、 および hdisk3 上に、超厳密に設定されたミラー・プールとともにスケーラブル・ボリューム・グループを 作成するには、次のコマンドを入力します。
      mkvg -f -S -M s -y gmvg1 hdisk1 hdisk2 hdisk3
    2. ボリューム・グループの自動オンと不良ブロック再配置を無効にするには、次のコマンドを入力します。
      chvg -a n -b n gmvg1
    3. ミラー・プール MP1 にローカル・ディスクを追加するには、次のコマンドを入力します。
      chpv -p MP1 hdisk1 hdisk2 hdisk3
    4. ユーザー・データ用の論理ボリュームを作成するには、次のコマンドを入力します。
      mklv -b n -p copy1=MP1 -y user_data_lv gmvg1 10
    5. ボリューム・グループ gmvg1 内のミラー・プール MP2 に、 リモート物理ボリューム・デバイス hdisk4hdisk5、 および hdisk6 を追加するには、次のコマンドを入力します。
      extendvg -f -p MP2 gmvg1 hdisk4 hdisk5 hdisk6
    6. mirrorvg コマンドを使用して、ボリューム・グループ内にリモート・ミラー・コピーを 追加するには、次のコマンドを入力します。
      mirrorvg -c 2 -p copy2=MP2 gmvg1
    7. ローカル・ミラー・プール内に aio_cache タイプの論理ボリュームを追加するには、次のコマンドを入力します。
      注: 1 つのミラー・プールには、入出力キャッシュ論理ボリュームを 1 つだけ含めることができます。 入出力キャッシュ論理ボリュームがミラーリングされている場合、各コピーはローカル・ミラー・プール内にある必要があります。
      mklv -t aio_cache -w p -p copy1=MP1 -y mp1_aiolv gmvg1 1
    8. ミラー・プール MP2 に対して非同期ミラーリングをセットアップするには、次のコマンドを入力します。
      chmp -A -c mp1_aiolv  -h 80 -m MP2 gmvg1
  2. ミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変更するには、次のコマンドを入力します。
    chmp -S -m MP2 gmvg1
  3. 高水準点などのミラーリング属性を変更するには、次のコマンドを入力します。
    chmp -h 90 -m MP2 gmvg
  4. 入出力キャッシュ論理ボリュームを別の入出力キャッシュ論理ボリュームに置き換えるには、以下の順序でコマンドを入力します。
    1. ミラー・プールを非同期ミラーリングから同期ミラーリングに変更するには、次のコマンドを入力します。
      chmp -S -m MP2 gmvg1
    2. ミラー・プール MP1 にある現在の入出力キャッシュ論理ボリューム mp1_aiolv を 除去するには、次のコマンドを入力します。
      rmlv mp1_aiolv
    3. ミラー・プール MP1 内に新しい入出力キャッシュ論理ボリュームを作成するには、次のコマンドを入力します。
      
      mklv -t aio_cache -w p -p copy1=MP1 -y mp1_new_aiolv gmvg1 1
    4. 新しい入出力キャッシュ論理ボリュームを使用して、ミラー・プール MP2 に対して非同期ミラーリングを セットアップするには、次のコマンドを入力します。
      chmp -A -c mp1_new_aiolv -h 90 -m MP2 gmvg1