automount デーモン

目的

自動マウント・ポイントをマウントします。

構文

/usr/sbin/automount [ -m ] [ -n ] [  -v ] [  -t duration ] [  -i interval ] [  -f file ] [  -s timeout  ] [ -D name=value ] ... [ -d value ]

説明

automount コマンドは、AutoFS の管理ツールとして使用されます。 それは AutoFS マウント・ポイントをインストールし、automount マップを各マウント・ポイントに関連付けます。 AutoFS ファイルシステムは、その内部のディレクトリーにアクセスしようとする試みをモニターし、 automountd デーモンに知らせます。 デーモンは、マップを使用してファイルシステムを探し、それを AutoFS ファイルシステム内の参照ポイントにマウントします。

automount コマンドを実行する前に COMPAT_AUTOMOUNT 環境変数をいずれかの値に設定していれば、前の automount の動作を指定できます。AIX® 5.0 では、現在の動作がデフォルトの動作になりました。

ファイルシステムが適切な間隔内 (デフォルトは 10 分) にアクセスされないと、automountd デーモンはそのファイルシステムをアンマウントします。

automountd デーモンが始動していない場合、automount コマンドが SRC を使用してそれを始動しようと試みます。

マップ

自動マウント・マップは、アクセス時に自動的にマウントされるマウント・ポイントと、それらのマウント・ポイントで何をマウントするかを指定します。 /etc/auto_master マップ・ファイルは、キー と呼ばれる初期マウント・ポイントと、その対応マップ (どのリモート・ファイルシステムがそのマウント・ポイントでマウントされるかを決定する) を指定します。 /etc/auto_master ファイルのフォーマットは次のとおりです。

/key    map
注: /etc/auto_master ファイルは、automount コマンドが最初に実行される時点では読み取られるだけです。このファイルへの変更は、automount コマンドが再実行されるまで有効になりません。

最も一般的なマップは、直接マップ、間接マップ、およびホスト・マップです。

直接マップでは /etc/auto_master ファイルに特殊キー (/-) が必要で、そのマップは次のフォーマットのファイルです。
/directkey     [-options]    server:/dir

ユーザーが /directkey ディレクトリーにアクセスすると、automountd デーモンは /directkeyserver:/dir をマウントします。

間接マップのフォーマットは次のとおりです。
indirectkey    [-options]    server:/dir

ユーザーが /key/indirectkey ディレクトリーにアクセスすると、automountd デーモンは /key/indirectkeyserver:/dir をマウントします。

ホスト・マップでは /etc/auto_master ファイルに特殊マップ (-hosts) が必要です。automountd デーモンは、/etc/hosts ファイルにリストされた各サーバーごとに、/key ディレクトリーの下にサブディレクトリーを作成します。ユーザーが /key/server ディレクトリーにアクセスすると、automountd デーモンは /key/server ディレクトリーにそのサーバーのエクスポート済みディレクトリーをマウントします。

代替マップの位置

自動マウント・マップは、NIS および LDAP サーバーでも探索されます。automount コマンドは、/etc/irs.conf ファイルの自動マウント・エントリーが変更されない限り、デフォルトによってローカル・システム上でマップをファイルとして探します。例えば次のとおりです。
automount nis_ldap
複数のネーム・サービスをその使用順で指定することができます。この場合、ホワイト・スペースで区切ったリストを使用します。例えば、LDAP マップを最初に使用し、その後にローカル・ファイルを使用することを示す場合、自動マウント・エントリーは次のようになります。

automount nis_ldap files

自動マウント・エントリーの有効な値は、 filesnis、および nis_ldap です。

フラグ

項目 説明
-d value autofs エクステンションおよび automount デーモンのデバッグ・レベルを指定します。
-D name=value 環境変数とその値を指定します。-D フラグを複数回使用することによって、複数の環境変数を指定できます。
-f file 使用する新規マスター・マップ・ファイルを指定します。デフォルトは /etc/auto_master です。
-i Interval 非アクティブ autofs がマウントされたディレクトリーが存在する時間を秒単位で指定します。
-m 自動マウントのマップのために NIS を検索しないように指定します。
-n nobrowse オプションを指定します。
-s timeout マウントに時間がかかりすぎる場合、新規プロセスが fork されるまでの時間を秒単位で指定します。最小値は 30 です。
-t Duration auto アンマウント・プロセスが作業を再開するまでスリープする時間を秒単位で指定します。最小値は 21 です。デフォルト値は 120 です。最大値は 600 です。
-v 詳細状況と警告メッセージを標準出力に表示します。

  1. マウント・ポイントの自動マウントのために環境変数 LocalOptsLocalCaching、および Server を指定するには、次のコマンドを入力します。
    automount -D LocalOpts=-rsize=16384,wsize=16384,timeo=15    ¥
    -D LocalCaching=-rsize=16384,wsize=16384,timeo=15 -D Server=autoserver
  2. デフォルト・ファイル (/etc/auto_master) の代わりにマスター・マップ・ファイル (/etc/myFile) を使用するには、次のコマンドを入力します。
    automount -f /etc/myFile
  3. automount デーモンの間隔時間を 5 分、タイムアウト値を 30 秒、期間を 1 分に設定するには、次のコマンドを入力します。
    automount -i 300 -s 30 -t 60

ファイル

項目 説明
/etc/auto_master 初期自動マウント・キーの作成に使用されるデフォルトのマップ・ファイル。
/etc/hosts 自動マウント・ホスト・マップで使用されるサーバーを指定します。
/etc/irs.conf 自動マウント・マップの位置を指定します。