asoo コマンド

目的

Active System Optimizer (ASO) のチューナブル・パラメーターを管理します。

構文

asoo [-p|-r] [-y] {-o Tunable [=Newvalue]}

asoo [-p|-r] [-y] {-d Tunable }

asoo [-p|-r] [-y] -D

asoo [-p|-r] [-F] -a

asoo [-h] [Tunable]

asoo [-F] -L [Tunable]

asoo [-F] -x [Tunable]

注: -o-d-x-L などの複数のオプションを使用できます。

説明

asoo コマンドは、ASO チューナブル・パラメーターを構成するのに使用されます。このコマンドは、すべての ASO チューナブル・パラメーターについて、現在値またはリブート値を設定または表示します。また、永続的な変更を行ったり、変更を次のリブート操作まで保留したりします。

コマンドがパラメーターを設定するのか表示するのかは、一緒に指定するフラグによって決まります。 -o フラグはこの両方のアクションを実行します。パラメーターの値を表示することも、パラメーターに新規の値を設定することもできます。

注: asoo コマンドを正しく使用しない場合、重大な性能低下またはオペレーティング・システム障害が発生する可能性があります。

チューナブル・パラメーターを変更する前に、その目的を完全に理解するために、まず「チューナブル・パラメーター」セクションでチューナブル・パラメーターの特性のすべてについて注意して読み、「参照」ポインターがあればこれに従ってください。 次に、このパラメーターについての「診断」セクションおよび「チューニング」セクションがご使用のシステムの状況に実際に当てはまるかどうか、また、このパラメーターの値を変更することがシステムのパフォーマンスの向上に役立つかどうかを確認する必要があります。 「診断」セクションおよび「チューニング」セクションの両方に N/A とのみ記されている場合は、AIX® の開発側から具体的な指示がない限り、このパラメーターを変更しないでください。

フラグ

項目 説明
-a すべてのチューナブル・パラメーターについて、現行値、リブート値 (-r オプションと組み合わせて使用された場合)、または永続値 (-p と組み合わせて使用された場合) を表示します。それぞれの組み合わせ (Tunable=Value) が 1 行に 1 つずつ表示されます。 永続オプションの場合、パラメーターの値はそのリブート値と現行値が等しい場合のみ表示されます。値が異なる場合は、値として NONE が表示されます。
-d Tunable Tunable パラメーターをデフォルト値にリセットします。 Tunable パラメーターを変更する必要があり (つまり、現在デフォルト値に設定されていない)、そのタイプが Bosboot または Reboot の場合、またはタイプが Incremental で、デフォルト値から変更されており、-r オプションが組み合わせて使用されていない場合、Tunable パラメーターの変更は行われず、代わりに警告が表示されます。
-D すべての Tunable パラメーターをそれぞれのデフォルト値にリセットします。 変更の必要な Tunable パラメーターのタイプが Bosboot または Reboot の場合、あるいはタイプが Incremental で、デフォルト値から変更されており、-r オプションが組み合わせて使用されていない場合、Tunable パラメーターの変更は行われず、代わりに警告が表示されます。
-F すべてのチューナブル・パラメーターをリストするために -a-L、または -x オプションが単独でコマンド・ラインに指定されている場合、制限付きチューナブル・パラメーターを強制的に表示させます。 -F フラグが指定されない場合は、表示オプションで制限付きチューナブル・パラメーターを明確に指定しない限り、制限付きチューナブル・パラメーターは表示されません。
-h Tunable チューナブル・パラメーターが指定されている場合は、そのヘルプを表示します。 それ以外の場合は、asoo コマンドの使用法を表示します。
-L Tunable 1 つまたはすべてのチューナブル・パラメーターの特性を、以下の形式で、1 行に 1 つずつリストします。
NAME 		        CUR 		DEF		BOOT	 MIN		MAX	  UNIT
TYPE
DEPENDENCIES
--------------------------------------------------------
aso_active 			  1 		1 	  1			  0 		 1    D
boolean 				 --------------------------------------------------------
...
where:
	CUR = current value
	DEF = default value
	BOOT = reboot value
	MIN = minimal value
	MAX = maximum value
	UNIT = tunable unit of measure
	TYPE = parameter type: D (for Dynamic), S (for Static), R (for
Reboot,
					B (for Bosboot), M (for Mount), I (for Incremental),
					C (for Connect), and d (for Deprecated)
   DEPENDENCIES = list of dependent tunable parameters, one per
line
-o Tunable=[NewValue] 値を表示するか、tunable パラメーターを NewValue に設定します。 tunable パラメーターを変更する必要があり (指定値が現行値と異なる)、タイプが Bosboot または Reboot の場合、あるいはタイプが Incremental で、現行値が指定値よりも大きく、-r オプションが組み合わせて使用されていない場合、tunable パラメーターの変更は行われず、代わりに警告が表示されます。

-r オプションが新しい値と組み合わせられずに使用される場合は、tunable パラメーターの nextboot 値が表示されます。

-p

-p オプションが新しい値と組み合わせられずに使用される場合は、tunable パラメーターの現行値とリブート値が等しい場合のみ、値が表示されます。 値が異なる場合は、値として NONE が表示されます。

-o-d、または -D オプションを組み合わせて使用すると、このフラグにより、変更は現行値とリブート値の両方に適用されます。 つまり、このフラグにより、現行値の更新機能をオンにすることに加えて、/etc/tunables/nextboot ファイルの更新機能もオンにします。 これらの組み合わせは Reboot および Bosboot タイプのパラメーターには使用できません。それらの現行値は変更できないためです。

新しい値を指定せずに、-a または -o オプションを指定する場合は、パラメーターの現行値とリブート値が等しい場合のみ、値が表示されます。値が異なる場合は、値として NONE が表示されます。

-r

-r オプションを -o-d、または -D オプションと組み合わせて使用すると、このフラグにより、変更はリブート値に適用されます。例えば、/etc/tunables/nextboot ファイルの更新機能がオンになります。 タイプが Bosboot のどのパラメーターを変更する場合も、 bosboot コマンドを実行するようにプロンプトが出されます。

新しい値を指定せずに、-r オプションを -a または -o オプションと共に使用すると、現行値の代わりに、チューナブル・パラメーターのリブート値が表示されます。

-x [ Tunable] 1 つまたはすべてのチューナブル・パラメーターの特性を、以下のスプレッドシート形式で 1 行に 1 つずつリストします。

tunable,current,default,reboot,min,max,unit,type,{dtunable }

where:
	current = current value
	default = default value
	reboot = reboot value
	min = minimal value
	max = maximum value
	unit = tunable unit of measure
	type = parameter type: D (for Dynamic), S (for Static), R (for
Reboot),
									B (for Bosboot), M (for Mount), I (for Incremental),
									C (for Connect), and d (for Deprecated)
	dtunable = list of dependent tunable parameters
-y bosboot コマンドを実行する前に出される確認プロンプトを抑止します。
制限付きチューナブル・パラメーターに (-o-d、または -D オプションを指定して) 何らかの変更を加えると、制限付き使用タイプのチューナブル・パラメーターが変更されたという内容の警告メッセージが出されます。 コマンド・ラインで -r または -p オプションも指定した場合は、変更の確認を求めるプロンプトが出されます。さらに、システムのリブート時に、デフォルト値とは異なる値に変更された制限付きチューナブル・パラメーター (コマンド・ラインで -r または -p オプションを指定) が /etc/tunables/nextboot ファイルに存在することで、変更されたチューナブル・パラメーターのリストを示すエラー・ログ・エントリーが生成されます。

チューナブル・パラメーターのタイプ

チューニング・コマンド (nonfsovmoiooschedoraso、および asoo) で取り扱われるすべてのチューナブル・パラメーターは、下記のカテゴリーに分類されています。

項目 説明
Dynamic パラメーターをいつでも変更できます。
Static パラメーターをいかなる時にでも変更できません。
Reboot パラメーターをリブート操作時にのみ変更できます。
Bosboot bosboot コマンドの実行とシステムのリブートでのみパラメーターの変更が可能です。
Mount パラメーターの変更は、今後のファイルシステムまたはディレクトリーのマウントに対してのみ有効です。
Incremental ブート時にパラメーターの追加のみ可能です。
Connect パラメーターの変更は、今後のソケット接続に対してのみ有効です。
Deprecated このパラメーターの変更が AIX の現行リリースでサポートされなくなっています。

Bosboot タイプのパラメーターに関しては、変更が実行される時はいつも、チューニング・コマンドが自動的にユーザーにプロンプトを出して bosboot コマンドを実行するかどうかを尋ねます。 Connect タイプのパラメーターに関しては、チューニング・コマンドが自動的に inetd デーモンを再始動させます。

注: asoo コマンドが管理するパラメーターの現行セットには、Dynamic および Reboot タイプのチューナブル・パラメーターのみが含まれます。

チューナブル・パラメーター

チューナブル・パラメーターのデフォルト値および値の範囲については、asoo コマンドのヘルプ情報 (-h<tunable_parameter_name>) を参照してください。

項目 説明
aso_active
目的
ASO を使用不可にします。
チューニング

0 の値は ASO が使用不可であることを示します。1 の値は ASO が使用可能であることを示します。

debug_level
目的
ASO のデバッグ・レベルを変更します。
チューニング

-1 の値 (デフォルト) は、デバッグ情報が収集されないことを示します。 -1 より大きな値は、このチューナブル・パラメーターによって指定されたレベル以下のデバッグ情報が収集されることを示します。 収集されたデータの位置は、/etc/syslog.conf ファイルの aso.debug エントリーによって指定されています。

セキュリティー

RBAC ユーザーと Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権の詳細情報については、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. asoo コマンドが管理するすべてのチューナブル・パラメーターの現行値、リブート値、範囲、単位、タイプ、および依存関係をリストするには、次のように入力します。
    asoo -L
  2. asoo コマンドが管理するすべてのチューナブル・パラメーターの、現行値、リブート値、範囲、単位、タイプ、および依存関係をリスト (スプレッドシート形式) するには、次のように入力します。
    
    asoo -x
  3. aso_active チューナブル・パラメーターをデフォルトにリセットするには、次のように入力します。
    asoo -d aso_active
  4. aso_active チューナブル・パラメーターのヘルプ情報を表示するには、次のように入力します。
    asoo -h aso_active
  5. すべての asoo チューナブル・パラメーターを永続的にデフォルトにリセットするには、次のように入力します。
    asoo -p -D
  6. すべての asoo パラメーターのリブート値をリストするには、次のように入力します。
    asoo -r -a