Netstat SOCKets/-s レポート
クライアント名に関連付けられた、オープンされている TCP または UDP ソケットの情報を表示します。
制約事項: このコマンドは、ポートまたは IP アドレスにバインドされているソケットのソケット情報しか表示しません。シャットダウンまたはアボートされた TCP 接続は表示しません。
TSO 構文
ターゲット
TCp tcpname を使用して、特定の TCP/IP アドレス・スペースについてのレポートを提供します。TCp パラメーターについて詳しくは、Netstat コマンドのターゲットを参照してください。
出力
デフォルト出力オプションは、ユーザーの端末に出力を表示します。その他のオプションについては、TSO NETSTAT コマンドの構文またはNetstat コマンドの出力を参照してください。
Filter
.----------------. V | >>-+-CLIent------clientname---+--------+----------------------->< +-HOSTName--hostname----------------+ | .-----------------------. | | V | | +-IPAddr----+-ipaddr------------+-+-+ | +-ipaddr/prefixLen--+ | | '-ipaddr/subnetmask-' | | .----------------. | | V | | +-IPPort----ipaddr+portnum-+--------+ +-NOTN3270--------------------------+ | .-------------. | | V | | '-POrt------portnum---+-------------'
z/OS UNIX 構文
ターゲット
-p tcpname を使用して、特定の TCP/IP アドレス・スペースについてのレポートを提供します。 TCp パラメーターについて詳しくは、Netstat コマンドのターゲットを参照してください。
出力
デフォルト出力オプションは、z/OS UNIX シェル標準出力に出力を表示します。 その他のオプションについては、z/OS UNIX netstat コマンド構文またはNetstat コマンドの出力を参照してください。
Filter
.----------------. V | >>-+- -B----ipaddr+portnum-+--------+-------------------------->< | .----------------. | | V | | +- -E------clientname---+--------+ +- -H--hostname------------------+ | .-----------------------. | | V | | +- -I----+-ipaddr------------+-+-+ | +-ipaddr/prefixLen--+ | | '-ipaddr/subnetmask-' | | .-------------. | | V | | +- -P------portnum---+-----------+ '- -T----------------------------'
フィルター記述
- CLIent/-E clientname
- 指定したクライアント名 clientname を使用 して、SOCKets/-s レポートの出力をフィルターに掛けます。 最大 6 つのフィルター値を入力でき、それぞれの値の長さは 8 文字まで指定できます。
- HOSTName/-H hostname
- 指定したホスト名 hostname を使用して、SOCKets/-s レポートの出力をフィルターに掛けます。
一度に 1 つのフィルター値を入力でき、最大 255 文字の長さまで指定できます。
結果: Netstat は、レポートの終りに、リゾルバーが解決のために使用したホスト名と、 リゾルバーから戻される、 フィルターして使用された IP アドレスのリストを表示します。
制約事項:- HOSTName/-H フィルターは、ワイルドカード文字をサポートしていません。
- hostname 値の解決は、 リゾルバーと DNS 構成によって決まるので、HOSTName/-H フィルターを使用すると、 出力の遅延が生じる場合があります。
- IPAddr/-I ipaddrIPAddr/-I ipaddr/prefixlengthIPAddr/-I ipaddr/subnetmask
- 指定した IP アドレス ipaddr、ipaddr/prefixlength、または ipaddr/subnetmask を使用して、レポートの出力をフィルターに掛けます。最大 6 つのフィルター値を入力できます。指定される IPv4 ipaddr のそれぞれの値の長さは最大 15 文字、選択される IPv6 ipaddr のそれぞれの値の長さは最大 45 文字です。
- ipaddr
- 指定した IP アドレス ipaddr を使用して、SOCKets/-s レポートの出力をフィルターに掛けます。 IPv4 アドレスの場合、デフォルト・サブネット・マスク 255.255.255.255 が使用されます。IPv6 アドレスの場合、デフォルトの prefixlength 128 が使用されます。
- ipaddr/prefixlength
- 指定した IP アドレスとプレフィックスの長さ ipaddr/prefixlength を使用して、SOCKets/-s レポートの出力をフィルターに掛けます。IPv4 アドレスの場合、プレフィックスの長さの範囲は 1 から 32 です。IPv6 アドレスの場合、プレフィックスの長さの範囲は 1 から 128 です。
- ipaddr/subnetmask
- 指定した IP アドレスとサブネット・マスク ipaddr/subnetmask を使用して、SOCKets/-s レポートの出力をフィルターに掛けます。 この形式の IP アドレス (ipaddr) は、IPv4 IP アドレスでなければなりません。 ガイドライン:
- フィルター値 ipaddr は、 ソケットがバインドされる先のアドレスでも、接続される先のアドレスでも構いません。
- IPv6 使用可能スタックの場合
- IPAddr/-I オプションで IPv4 および IPv6 の両方の ipaddr 値が受け入れられ、混合可能です。
- IPv4 にマップされた IPv6 アドレスは、 有効な ipaddr 値として受け入れられ、通常、その IPv4 アドレスと同じ 結果をもたらします。
制約事項:- IPv6 アドレスのフィルター値は、ワイルドカード文字をサポートしていません。
- IPv4 専用のスタックでは、IPv4 ipaddr 値のみが受け入れられます。
- UDP エンドポイント・ソケットの場合、フィルター値は、ローカルまたはソースの IP アドレスにのみ適用されます。
- IPPort/-B ipaddr+portnum
- 指定した IP アドレスとポート番号を使用して、SOCKets/-s レポートのレポート出力をフィルターに掛けます。最大 6 つのフィルター値を入力できます。指定される IPv4 ipaddr のそれぞれの値の長さは最大 15 文字 (単一の IPv4 IP アドレスを示す)、指定される IPv6 ipaddr のそれぞれの値の長さは最大 45 文字 (単一の IPv6 IP アドレスを示す) です。
有効な portnum 値の範囲は、0 から 65535 です。フィルター値 ipaddr と portnum は、ローカルとリモートの IP アドレスおよびローカルとリモートのポートのすべての組み合わせと一致します。
ガイドライン:
- フィルター値 ipaddr は、ローカルまたはリモートの IP アドレスのいずれかになります。
- IPv6 可能スタックの場合、以下の内容が適用されます。
- IPPort/-B オプションで IPv4 および IPv6 の両方の ipaddr 値が受け入れられ、混合可能です。
- IPv4 にマップされた IPv6 アドレスは、 有効な ipaddr 値として受け入れられ、通常、IPv4 アドレスと同じ 結果をもたらします。
制約事項:- IPPort/-B フィルターの ipaddr 値は、ワイルドカード文字をサポートしていません。
- IPv4 専用のスタックでは、IPv4 ipaddr 値のみが受け入れられます。
- 項目が戻されるのは、ipaddr 値と portnum 値の両方が一致した場合のみです。
- UDP エンドポイント・ソケットの場合、フィルター値は、ローカルまたはソースの IP アドレスおよびポートにのみ適用されます。
- NOTN3270/-T
- TN3270 サーバー接続を除き、SOCKets/-s レポート出力をフィルターに掛けます。
- POrt/-P portnum
- 指定したポート番号 portnum を使用して SOCKets/-s レポートの出力を
フィルターに掛けます。最大 6 つのフィルター値を入力できます。
ガイドライン: ポート番号は、ソケットがバインドされる先のポートでも、 接続先のポートでも構いません。
制約事項: UDP エンドポイント・ソケットの場合、フィルター値は、ローカルまたはソースのポートにのみ適用されます。
CLIent/-E および IPAddr/-I のフィルター値は、完全なストリングでも、ワイルドカード文字を使用した部分的なストリングでも構いません。 アスタリスク (*) はワイルドカード文字の 1 つであり、同じ位置でヌル・ストリングあるいは 任意の文字または文字ストリングとのマッチングを行います。疑問符 (?) もワイルドカード文字であり、同じ位置で任意の単一の文字とマッチングを行います。例えば、ストリング "searchee" は "*ar?he*" と一致していますが、 ストリング "searhee" は "*ar?he*" と一致しません。 IPAddr/-I フィルターでワイルドカード文字を使用する場合は、ipaddr フォーマットで値を指定する必要があります。IPAddr/-I では ipaddr/prefixlen または ipaddr/subnetmask フォーマットの値のワイルドカード文字は受け入れられません。
z/OS UNIX シェル環境で z/OS UNIX netstat/onetstat コマンドを使用するときに、文字ストリングで z/OS UNIX MVS™ 特殊文字を使用する場合には注意が必要です。 予期しない結果を生じることがあります。z/OS UNIX MVS の特殊文字を文字ストリング内で使用する場合には、確実を期するために、文字ストリングを単一引用符 (') または二重引用符 (") で囲みます。 例えば、IP アドレスにアスタリスク (*) を使用する場合 (-I フィルターで 10.*.0.0)、 次のようにコマンドを出します。netstat -s -I '10.*.0.0' または netstat -s -I "10.*.0.0"。
コマンド構文例
TSO 環境からの場合
NETSTAT SOCKETS
Display information about each client using the socket interface in the default
TCP/IP stack.
NETSTAT SOCKETS TCP TCPCS6
Display information about each client using the socket interface in TCPCS6 stack.
NETSTAT SOCKETS TCP TCPCS8 (IPADDR 9.43.1.1 9.43.2.2
Display information for these clients using the socket interface in TCPCS8 stack
whose IP addresses to which the socket is bound or connected match the specified
filter IP address values.
NETSTAT SOCKETS (PORT 2222 6666 88
Display information for those active TCP connections and UDP sockets in the
default TCP/IP stack whose port numbers to which the socket is bound or connected
match the specified filter port numbers.
UNIX シェル環境からの場合
netstat -s
netstat -s -p tcpcs6
netstat -s -p tcpcs6 -I 9.43.1.1 9.43.2.2
netstat -s -P 2222 6666 88
レポート例
以下の例は、TSO NETSTAT コマンドを使用して生成されたものです。z/OS UNIX netstat コマンドを使用すると、TSO NETSTAT コマンドと同じフォーマットでデータが表示されます。
IPv6 使用不能 (短形式)
NETSTAT SOCKETS
MVS TCP/IP NETSTAT CS V2R2 TCPIP NAME: TCPCS 17:40:36
Sockets interface status:
Type Bound to Connected to State Conn
==== ======== ============ ===== ====
Name: FTPD1 Subtask: 007E6408
Stream 0.0.0.0..21 0.0.0.0..0 Listen 0000003B
Stream 9.37.65.146..21 9.67.115.5..1026 Establsh 0000003D
Stream 9.37.65.146..21 9.27.13.21..3711 Establsh 0000003F
Name: SYSLOGD1 Subtask: 007E6408
Dgram 0.0.0.0..514 *..* UDP 00000010
Name: TAPPV4 Subtask: 007E6460
Dgram 0.0.0.0..2049 9.42.103.99..1234 UDP 00000015
Name: TCPCS Subtask: 007E2A40
Stream 0.0.0.0..23 0.0.0.0..0 Listen 0000000F
Name: TCPCS Subtask: 007E08D0
Stream 9.67.115.5..23 9.27.11.182..4886 Establsh 0000000C
IPv6 使用可能または長形式の要求
NETSTAT SOCKETS
MVS TCP/IP NETSTAT CS V2R2 TCPIP NAME: TCPCS 17:40:36
Sockets interface status:
Name: FTPD1 Subtask: 007E6330
Type: Stream Status: Listen Conn: 0000004A
BoundTo: ::..21
ConnTo: ::..0
Type: Stream Status: Establsh Conn: 00000052
BoundTo: ::ffff:9.67.115.5..21
ConnTo: ::ffff:9.67.115.65..1026
Type: Stream Status: Establsh Conn: 00000058
BoundTo: 2001:0db8::9:67:115:66..21
ConnTo: 2001:0db8::9:67:115:65..1027
Name: SYSLOGD1 Subtask: 007E6438
Type: Dgram Status: UDP Conn: 0000002C
BoundTo: 0.0.0.0..529
ConnTo: *..*
Name: TAPPV4 Subtask: 007E6460
Type: Dgram Status: UDP Conn: 00000015
BoundTo: 0.0.0.0..2049
ConnTo: 9.42.103.99..1234
Name: TAPPV6 Subtask: 007E6480
Type: Dgram Status: UDP Conn: 00000016
BoundTo: ::..2050
ConnTo: 12ab::1..1235
Name: TCPCS Subtask: 007E1930
Type: Stream Status: Listen Conn: 0000001A
BoundTo: 0.0.0.0..23
ConnTo: 0.0.0.0..0
Type: Stream Status: Establsh Conn: 0000001E
BoundTo: 9.67.115.5..23
ConnTo: 9.27.11.182..4665
Name: USER3 Subtask: 007B93D0
Type: Stream Status: Establsh Conn: 0000005F
BoundTo: 2001:0db8::9:67:115:5..1079
ConnTo: 2001:0db8::9:67:115:65..21
Name: USER6 Subtask: 007B93F0
Type: Stream Status: Establsh Conn: 000000C7
BoundTo: 9.67.115.5..1027
ConnTo: 9.37.65.146..21
レポート・フィールドの説明
- 名前
- クライアントのアドレス・スペース名
- Subtask
- サブタスク識別子は、ソケットを作成したタスク、またはソケットにソケット結合 API 呼び出しを発行したタスクを示します。この識別子は、このタスクに関連した Task Control Block (TCB) の 16 進アドレスです。 サブタスク ID は、アドレス・スペース名と結合して、クライアントの固有 ID になります。
- タイプ
- ソケット・タイプを表示し、以下のいずれかの値を取ります。
- Stream
- ストリーム (TCP) ソケットのソケット・タイプ。
- Dgram
- UDP ソケットのソケット・タイプ。
- Bound to
- ソケットがバインドされているアドレスとポートを示します。出力の形式は、IP address..bound port です。ここで、IP address は、ソケットがバインドされているアドレスであり、bound port はソケットがバインドされているポート番号です。アンバインド済み TCP および UDP ソケットは、NETSTAT CONN では表示されません。
- Connected to
- ソケットが接続されているアドレスとポートを表示します。UDP ソケットでは、ソケットが接続されていない場合、このフィールドの値は *..* です。接続された UDP ソケットでは、このフィールドに接続要求で指定されるリモート IP アドレスとポートが表示されます。UDP ソケットが接続されている場合は、指定のリモート IP アドレスとポートからのパケットのみ受信します。
- State
- TCP 接続の状態を説明します。詳しくは、TCP 接続状態を参照してください。
- Conn
- クライアント ID をモニターします。これは、TCP/UDP スタックによって割り当てられた 固有の番号であり、ソケット・エンティティーを一意的に識別するものです。