IBM MQ の概要

IBM® MQ が実行できること、それをどのように使用するか、それがどのように機能するか、およびそれに付属するツールとリソースの概要を示します。

利点

IBM MQ は、アプリケーション向けの柔軟で信頼性の高いメッセージングのための堅固な接続性を備えた汎用メッセージング・バックボーンと、サービス指向アーキテクチャー (SOA) を使用した既存の IT 資産の統合を提供します。
  • IBM MQ は、アプリケーション間およびネットワークを介してデータを送受信します。
  • メッセージ・デリバリーは確実であり、アプリケーションからは分離 されています。 IBM MQ はメッセージをトランザクションとして交換し、分離するため、アプリケーションは送信されたメッセージが安全に配信されることを検査する必要がありません。
  • TLS を使用して、キュー・マネージャー間のメッセージ送達を保護できます。
  • Advanced Message Security (AMS) を使用して、1 つのアプリケーションによって書き込まれ、別のアプリケーションによって取得されるメッセージの暗号化および署名を行えます。
  • アプリケーション・プログラマーには通信プログラミングの知識は 必要ありません。

使用方法

IBM MQ メッセージング・システムは、1 つ以上のキュー・マネージャーで構成されます。 キュー・マネージャーは、キューなどのメッセージング・リソースを構成する場所であり、アプリケーションの接続先です。これらのアプリケーションには、キュー・マネージャーと同じシステムで実行されるものや、ネットワークを介して接続されるものがあります。

複数のキュー・マネージャーが接続されたネットワークでは、システム間のメッセージの非同期ルーティング (生成側のアプリケーションとコンシューム側のアプリケーションが異なるキュー・マネージャーに接続される) がサポートされます。

IBM MQ は、IBM MQ Explorer GUI から、スクリプト型または対話式のコマンド行ツールを通して、あるいはプログラムによって、さまざまなツールを使用して管理できます。

IBM MQ に接続するアプリケーションは、さまざまなプログラミング言語のいずれかで作成することも、さまざまな API に作成することもできます。 C や Cobol を始め、Java、.Net、NodeJS、Ruby なども使用できます。

動作方法

IBM MQ の動作の概要を以下に示します。
  • 最初に、メッセージング・アプリケーションをキュー・マネージャーに接続する必要があります。 これには、アプリケーション接続を受け入れるために、キュー・マネージャーでチャネルを作成しなければならない場合があります。
  • アプリケーションが別のアプリケーションにデータを転送する場合は、メッセージが作成され、データがそこに書き込まれます。 メッセージはキューに書き込まれるか、またはトピック・サブスクライバーに配信されるトピックにメッセージがパブリッシュされます。
  • キューまたはサブスクリプションは、同じキュー・マネージャーに存在するものでも、その他の接続されたキュー・マネージャーに存在するものでもかまいません。 後者の場合、接続されたキュー・マネージャーは連携して、プロデューサーのキュー・マネージャーからターゲット・キュー・マネージャーにメッセージを確実に転送します。 これらのアプリケーションは相互に通信せず、キュー・マネージャーが通信します。
  • 信頼性や持続性とスピードとのバランスを考えて、いくつかの異なるサービス品質に基づいてメッセージを処理できます。 サービスの品質が最も高いメッセージは、トランザクションの制御下で送受信される持続メッセージです。 この場合、システム、ネットワーク、またはアプリケーションで障害が発生した場合でも、メッセージが確実に 1 回限り配信されます。
  • IBM MQ チャネルは、ネットワークを介して 1 つのキュー・マネージャーを別のキュー・マネージャーに接続するために使用されます。 MQ チャネルは自分で作成することができます。また、キュー・マネージャーがキュー・マネージャー・クラスターに参加するときには、必要に応じて MQ チャネルが自動的に作成されます。
  • [z/OS] z/OS®では、カップリング・ファシリティー上のキューを共有するように複数のキュー・マネージャーを構成できます。 複数のキュー・マネージャーに接続されたアプリケーションは、同じキューでメッセージの書き込みおよび取得が行えます。
  • 1 つのキュー・マネージャー上に、多数のキューやトピックを設定できます。
  • 1 つのコンピューター上に複数のキュー・マネージャーを持つことができます。
  • アプリケーションは、キュー・マネージャーと同じコンピューター上で実行することも、別のコンピューター上で実行することもできます。 同じコンピューター上で実行される場合は、 IBM MQ サーバー・アプリケーションです。 別のコンピューターで実行されている場合は、 IBM MQ クライアント・アプリケーションです。 IBM MQ クライアントであるかサーバーであるかにかかわらず、アプリケーションにほとんど違いはありません。 IBM MQ クライアントまたはサーバーを使用して、クライアント/サーバー・アプリケーションを構築することができます。

[Windows] IBM MQを初めて使用する場合は、この資料の「 シナリオ 」セクションの「 IBM MQ の概要 」を参照してください。

IBM MQ にはどのようなツールとリソースが付属していますか?

IBM MQ は、以下のツールおよびリソースを提供します。
  • コマンド・ラインから実行する制御コマンド。 制御コマンドを使用して、キュー・マネージャーの作成、開始、および停止を実行します。 また、制御コマンドを使用して IBM MQ 管理プログラムおよび問題判別プログラムを実行することもできます。
  • IBM MQ スクリプト・コマンド (MQSC)。インタープリターによって実行されます。 これらのコマンドを使用して、キューとトピックを作成し、 IBM MQ を構成および管理します。 ファイルでコマンドを編集し、そのファイルを runmqsc プログラムに渡すと、それらのコマンドが解釈されます。 また、別のキュー・マネージャーを管理する別のコンピューターにコマンドを送信する、1 つのキュー・マネージャー上でインタープリターを実行することもできます。
  • IBM MQを管理するために独自のアプリケーションで呼び出すプログラマブル・コマンド・フォーマット (PCF) コマンド。 PCF コマンドには、スクリプト・コマンドと同じ機能がありますが、より簡単にプログラムできます。
  • サンプル・プログラム。
  • Windows および Linux® x86 および x86-64 プラットフォームでは、以下のユーティリティーを使用できます。
    • IBM MQ ExplorerIBM MQ Explorer を使用すると、キュー・マネージャーが実行されているプラットフォームに関係なく、キュー・マネージャーのネットワーク全体を管理および構成できます。 IBM MQ Explorer は、スクリプト・コマンドと同じ管理用タスクを実行しますが、対話式に使用する方がはるかに簡単です。
    • Postcard アプリケーション。メッセージングのデモを行って、インストールを検証します。
    • チュートリアル。