DEFINE VOLUME (ストレージ・プール内のボリュームの定義)
このコマンドは、ランダム・アクセスまたは順次アクセス・ボリュームをストレージ・プールに割り当てるために使用します。
ランダム・アクセス (DISK) ストレージ・プール・ボリューム、または FILE 装置クラスに関連付けられている順次アクセス・ストレージ・プール・ボリュームを定義する場合、サーバーにボリュームを作成させてからそれを割り当てることができます。あるいは、事前に決定されたスペース使用率しきい値を超えると、スペース・トリガーを使用して事前に割り当てられたボリュームを作成することもできます。スペース・トリガーの詳細については、DEFINE SPACETRIGGER (スペース・トリガーの定義)を参照してください。 ボリュームが DISK 以外の装置クラス または FILE 以外の装置タイプに関連している場合、DEFINE VOLUME コマンドを使用して 作成済みのボリュームをストレージ・プールに割り当てることができます。

z/OS® メディア・サーバー によって管理されているストレージに FILE 装置クラスを使用する場合、ボリュームをフォーマット設定または定義する必要はありません。DEFINE VOLUME コマンドを使用して FILE 装置クラスなどのためのボリュームを定義する場合は、初めて使用するためにそのボリュームがオープンされるまで、z/OS メディア・サーバー はそのボリューム用のスペースを割り振りません。
順次アクセス・ストレージ・プールにスペースを作成するには、ボリュームを定義するか、ストレージ・プール用の MAXSCRATCH パラメーターの指定に従って、必要に応じてサーバーにスクラッチ・ボリュームを要求させることができます。 FILE 装置クラスに関連するストレージ・プールの場合、サーバーはストレージ・プールのスペース・トリガーを使用し、必要に応じて専用ボリュームを作成できます。DISK ストレージ・プールの場合、スクラッチ機構を使用することはできません。 ただし、ボリュームを作成し、それらをサーバーに定義することによって、 スペースを作成できます。あるいは、ストレージ・プールのスペース・トリガーを使用するボリュームをサーバーに作成させることができます。
サーバーは、ライブラリーに関連付けられたストレージ・プール内のボリュームを定義する場合にボリューム名が存在することを検証しません。定義されたボリュームにデータが書き込まれるまで、ボリュームは "0" EST 容量です。
SMIT を介してロー論理ボリュームを拡張するか、オペレーティング・システムのコマンドまたはユーティリティーを使用してボリュームのファイル・サイズを変更することにより IBM Spectrum Protect™ ボリュームのサイズを変更すると、サーバーが正しく初期化されず、データが消失する可能性があります。
オペレーティング・システムのコマンドまたはユーティリティーを使用してボリュームのファイル・サイズを変更することによりボリュームのサイズを変更すると、サーバーが正しく初期化されず、データが消失する可能性があります。
- パラメーター設定 RECLAMATIONTYPE=SNAPLOCK でストレージ・プールのボリュームを定義する場合、このコマンドを使用できません。 このタイプのストレージ・プールにあるボリュームは、ストレージ・プール定義で MAXSCRATCH パラメーターを使用して割り振られます。
- CENTERA 装置クラスで定義されたストレージ・プールのボリュームは定義できません。
ストレージ・プール・ボリュームにロー論理ボリュームを使用することはできません。
DELETE VOLUME コマンドを発行する場合、DEFINE VOLUME コマンドで割り振られている物理ファイルはファイル・スペースから除去されません。
特権クラス
このコマンドを発行するには、ボリュームが割り当てられているストレージ・プ ールに関するシステム特権、無制限ストレージ特権または制限付きストレージ 特権を持っている必要があります。
構文
>>-DEFine Volume--pool_name--volume_name------------------------> .-ACCess--=--READWrite-------. >--+----------------------------+-------------------------------> '-ACCess--=--+-READWrite---+-' +-READOnly----+ +-UNAVailable-+ | (1) | '-OFfsite-----' >--+------------------------------------------------+-----------> | .-Wait--=--No------. | '-Formatsize--=--megabytes--+------------------+-' '-Wait--=--+-No--+-' '-Yes-' .-Numberofvolumes--=--1----------. >--+--------------------------------+---------------------------> | (2) | '-Numberofvolumes------=--number-' >--+---------------------------+------------------------------->< | (3) | '-LOcation------=--location-'
- この値は、コピー・ストレージ・プールに割り当てられたボリュームの場合にのみ有効です。
- このパラメーターは、DISK または FILE ボリュームの場合にだけ有効です。
- このパラメーターは、順次アクセス・ボリュームの場合にだけ有効です。
パラメーター
- pool_name (必須)
- ボリュームを割り当てるストレージ・プールの名前を指定します。
- volume_name (必須)
- 定義するストレージ・プール・ボリュームの名前を指定します。
NUMBEROFVOLUMES パラメーターに 1 より大きい数を指定した場合は、ボリューム名を接頭部として使用して複数のボリューム名が生成されます。指定するボリューム名は、ストレージ・プールが使用する装置の
タイプによって異なります。
目的にかかわらず、 サーバーによって使用される各ボリュームには固有の名前が必要です。この要件は、ボリュームをストレージ・プールに使用するか、データベースのバックアップやエクスポートなどの操作に使用するかにかかわらず、すべてのボリュームに適用されます。 この要件は、 同じサーバーによって使用される別のライブラリー内のボリュームにも 適用されます。

要確認: ボリューム名には、組み込みブランクや等号を含めることはできません。
要確認: DISK または FILE ボリュームの場合を除き、ボリューム名には組み込みブランクまたは等号を入れることはできません。ボリューム名の要件については、以下の表を参照してください。表 1. DISK のボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 完全修飾パス名または現行作業ディレクトリーからの相対パス名を付けた、ボリューム・データを含むファイルの名前。
名前に組み込みブランク、等号、または他の特殊文字を入れる場合には、リストを引用符で囲んでください。

/usr/storage/sbkup01.dsm
AIX® 論理ボリュームを使用している場合には、パス名を次のように入力してください。
ここで xxx は論理ボリューム名です。/dev/rxxx
"c:¥program files¥tivoli¥tsm¥server¥data3.dsm"表 2. FILE のボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 完全修飾パス名または装置クラスの DIRECTORY パラメーターで指定されたディレクトリーからの相対パス名を付けた、ボリューム・データを含むファイルの名前。
名前に組み込みブランク、等号、または他の特殊文字を入れる場合には、リストを引用符で囲んでください。FILE ボリュームは、DEFINE DEVCLASS コマンドの DIRECTORY パラメーターで指定したディレクトリーのいずれかに配置してください。 そうでない場合、ストレージ・エージェントはそのボリュームにアクセスできない可能性があります。詳細については、DEFINE PATH (パスの定義)を参照してください。


/data/fpool01.dsm
"f:¥data storage¥fpool01.dsm"

表 3. z/OS メディア・サーバー: FILE のボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 z/OS メディア・サーバー サーバーで使用される FILE ボリュームの場合は、データ・セット名を指定します。データ・セット名は 1 つ以上の修飾子から成り、修飾子が複数ある場合にはピリオドで区切ります。修飾子は 8 文字までです。 データ・セット名の 最大長は 44 文字です。 各修飾子の先頭文字は 英字または国別文字 (@#$) で、その後には英字、国別文字、ハイフン、または数字が 続かなければなりません。
ボリュームが z/OS システム上で提供されているときに、関連付けられた VSAM 線形データ・セットを割り振るために、高位修飾子 (HLQ) は、通常、z/OS メディア・サーバー が実行されているシステム上で SMS ポリシーの制約内の特定の ACS ルーチンによってフィルタリングされます。
HLQ の振る舞いは、スクラッチ要求での PREFIX 名の振る舞いに似ています。HLQ は通常、DFSMS によって、すでにファイル・ボリュームに割り振られているスペースが使い尽くされたときに拡張すると予期されるデータ・セットに対して拡張アドレス可能度などの割り振り属性に影響を及ぼすように使用されます。
データ・セットが存在しない場合、ボリュームが特定の IBM Spectrum Protect ストレージ操作に使用されるときに、サーバーがデータ・セットを作成します。ボリュームが定義されているときは、データ・セットは作成されません。 割り振り時にボリュームまたは VSAM LDS が存在する場合は z/OS メディア・サーバー がそれを再使用するため、ボリュームを定義すると、結果的にデータを消失する可能性があります。


SERVER1.BFS.POOL3.VOLA重要: サーバーがボリューム名を生成できるようにするには、SCRATCH ボリュームの使用を検討してください。表 4. テープのボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 1 文字から 32 文字の英数字を使用します。
ボリューム名に、組み込みブランクや等号を含めることはできません。
DSMT01

表 5. z/OS メディア・サーバー: テープのボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 テープ・カートリッジの場合には、1 から 6 文字の英数字でテープ・ボリューム名を指定してください。サーバーはテープ・ボリューム名を大文字に変換します。
ボリューム名に、組み込みブランクや等号を含めることはできません。
目的にかかわらず、 サーバーによって使用される各ボリュームには固有の名前が必要です。この要件は、ボリュームをストレージ・プールに使用するか、データベースのバックアップやエクスポートなどの操作に使用するかにかかわらず、すべてのボリュームに適用されます。 この要件は、別々の z/OS メディア・ライブラリーにあるが、同じサーバーで使用されるボリュームにも適用されます。
DSMT01表 6. REMOVABLEFILE のボリューム名の要件 ボリューム名の要件 例 1 から 6 文字の英数字 サーバーはボリューム名を大文字に変換します。
DSM01 - ACCess
- クライアント・ノードおよびサーバー・プロセス (マイグレーションなど) でストレージ・プール・ボリューム内のファイルにどのようにアクセスできるかを指定します。このパラメーターはオプションです。デフォルト値は READWRITE です。指定できる値は次のとおりです。
- READWrite
- クライアント・ノードおよびサーバー・プロセスがボリュームに保管されているファイルに読み取りおよび書き込みを行うことができることを指定します。
- READOnly
- クライアント・ノードおよびサーバー・プロセスはボリュームに保管されているファイルの読み取りのみを行うことができることを指定します。
- UNAVailable
- クライアント・ノードやサーバー・プロセスが、ボリュームに保管されているファイルにアクセスできないことを指定します。
ランダム・アクセス・ボリュームを UNAVAILABLE として定義した場合には、そのボリュームをオンラインに変更できないことになります。
順次アクセス・ボリュームを UNAVAILABLE として定義すると、サーバーはそのボリュームのアクセスを試みません。
- OFfsite
- ボリュームが、マウントできないオフサイト位置にあることを指定します。この値を指定できるのは、コピーまたは活動データ・ストレージ・プール中のボリュームの場合だけです。この値を使うと、オフサイト・ロケーションのボリュームをトラッキングするのに役立ちます。サーバーは、オフサイトとして指定されたボリュームを違った方法で扱います。
- サーバーは、オフサイトとして指定されたボリュームのマウント要求を生成しない。
- サーバーは、他のストレージ・プールからファイルを検索することによって、オフサイト・ボリュームからデータをレクラメーション処理または移動する。
- サーバーは、空の、オフサイト・スクラッチ・ボリュームをコピーまたは活動データ・ストレージ・プールから自動的に削除しない。
- LOcation
- ボリュームの位置を指定します。 このパラメーターはオプションです。これは、順次アクセス・ストレージ・プール内のボリュームにのみ指定できます。位置情報の最大長は 255 文字です。ブランク文字が入っている場合には、位置を引用符で囲んでください。
- Formatsize
- 1 つの手順で作成されてフォーマットされたランダム・アクセス・ボリュームまたは FILE ボリュームのサイズを指定します。この値はメガバイト数で指定します。 最大サイズは 8 000 000 MB (8 テラバイト) です。次のいずれかの条件が存在する場合には、このパラメーターは必須です。
- 1 ステップで作成され、フォーマットされる単一の FILE または DISK ボリュームが指定されている。
- NUMBEROFVOLUMES パラメーターに指定された値が 1 より大きく、DISK ボリュームが作成中である。
- NUMBEROFVOLUMES パラメーターの値が 1 より大きく、FORMATSIZE パラメーターの値が DEFINE DEVCLASS コマンドの MAXCAPACITY パラメーター以下である。
z/OS メディア・サーバーにボリュームを割り振る場合、このパラメーターは無効です。
FILE ボリュームの場合、ストレージ・プールと関連付けられている装置クラスの MAXCAPACITY パラメーターの値より小さいか等しい値を指定する必要があります。
このパラメーターを、複数の定義済みボリュームに使用することはできません。WAIT=YES を指定しない限り、 この操作はバックグラウンド・プロセスとして完了されます。
- Numberofvolumes
- 1 ステップで作成しフォーマットするボリュームの数を指定します。このパラメーターは、DISK または FILE の装置クラスを持つストレージ・プールにのみ適用されます。このパラメーターはオプションです。デフォルト値は 1 です。1 よりも大きい値を指定する場合は、FORMATSIZE パラメーターにも値を指定する必要があります。1 から 256 の値を指定します。
z/OS メディア・サーバー にボリュームを割り振る場合、このパラメーターがサポートする値はデフォルト値の 1 だけです。
この NUMBEROFVOLUMES パラメーターの値が 1 より大きい場合、ユーザー指定のボリューム名に数値の接尾部が追加されて、各ボリュームの名前が作成されます。例えば、tivolivol001 や tivolivol002 などです。接尾部が追加されたときにターゲット・ファイル・システムで有効なファイル名となるようなボリューム名を選択する必要があります。
重要: 新規作成された FILE ボリュームにストレージ・エージェントがアクセスできることを確認する必要があります。詳細については、DEFINE PATH (パスの定義)を参照してください。 - Wait
- ボリューム作成操作とフォーマット操作をフォアグラウンドで実行するか、
またはバックグラウンドで完了するかを指定します。このパラメーターはオプションです。FORMATSIZE パラメーターも指定していない限り、このパラメーターは無視されます。
- No
- ボリューム作成操作とフォーマット操作をバックグラウンドで完了することを指定します。フォーマット・サイズも指定する場合、NO の値がデフォルトです。
- Yes
- ボリューム作成およびフォーマット操作がフォアグラウンドで完了されることを指定します。要確認: サーバー・コンソールから WAIT=YES を指定することはできません。
例: バックグラウンド・プロセスを使用した、ディスク・ストレージ・プール用の新しい 100 MB ボリュームの定義
BACKUPPOOL という名前のディスク・ストレージ・プールに 100 MB のボリュームを作成します。
ボリューム名は /var/storage/bf.dsm です。
ボリューム名は j:¥storage¥bf.dsm です。ボリュームの作成はバックグラウンド・プロセスで実行します。

define volume backuppool
/var/storage/bf.dsm formatsize=100

define volume backuppool j:¥storage¥bf.dsm formatsize=100
例: ディスク・ストレージ・プールへの読み取りおよび書き込みアクセス権限付きのボリュームの定義
ストレージ・プール POOL1 をテープ装置クラスに割り当てます。READWRITE アクセスを指定して、このストレージ・プールにボリューム TAPE01 を定義します。define volume pool1 tape01 access=readwrite
例: ファイル・ストレージ・プールへのボリュームの定義
FILEPOOL という名前のストレージ・プールが、装置タイプ FILE の装置クラスに割り当てられています。
filepool_vol01 という名前のボリュームをこのストレージ・プールに対して定義します。
fp_vol01.dsm という名前のボリュームをこのストレージ・プールに対して定義します。

define volume filepool /usr/storage/filepool_vol01

define volume filepool j:¥storage¥fp_vol01.dsm
例: バックグラウンド・プロセスを使用した、装置クラス 5 GB 最大容量のファイル・ストレージ・プールへの 10 個のボリュームの定義
FILE 装置クラスを使用する順次ストレージ・プールに 10 個のボリュームを定義します。ストレージ・プールは FILEPOOL という名前です。このストレージ・プールと関連付けられている装置クラスの MAXCAPACITY パラメーターの値は、5 GB です。作成はバックグラウンドで実行される必要があります。define volume filepool filevol numberofvolumes=10 formatsize=5000
サーバーはボリューム名 filevol001 から filevol010 を作成します。
ボリュームは、ストレージ・プール FILEPOOL と関連付けられている装置クラスの DIRECTORY パラメーターが示す 1 つまたは複数のディレクトリーに作成されます。この装置クラスに複数のディレクトリーが指定されている場合、各ボリュームは、ディレクトリーのリストに含まれるいずれかのディレクトリーに作成されます。
関連コマンド
| コマンド | 説明 |
|---|---|
| DEFINE STGPOOL | サーバー・ストレージ・メディアの指定のコレクションとしてストレージ・プールを定義します。 |
| QUERY VOLUME | ストレージ・プール・ボリュームについての情報を表示します。 |
| UPDATE DEVCLASS | 装置クラスの属性を変更します。 |
| UPDATE LIBVOLUME | ストレージ・ボリュームの状況を変更します。 |
| UPDATE VOLUME | ストレージ・プール・ボリュームの属性を更新します。 |
