PCIe3 RAID SAS クワッド・ポート 6 Gb アダプター (FC EJ0J (CCIN 57B4))

フィーチャー・コード (FC) EJ0J アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。

概説

PCIe3 RAID SAS クワッド・ポート 6 Gb アダプターは、PCI Express (PCIe)、第 3 世代、RAID SAS アダプターで、ロー・プロファイル、ショート・フォーム・ファクターですが、フルハイトの取り付け用にパッケージ化されています。このアダプターは、高性能で高密度のシリアル接続 SCSI (SAS) アプリケーションに使用されます。これは、4 つの mini SAS 高密度 (HD) x4 コネクターを使用して SAS ディスクおよび SAS テープの接続をサポートし、これによって物理リンクをさまざまな狭幅ポートおよび広幅ポート構成で使用できるようになります。SAS テープの接続は、単一アダプター構成でのみサポートされ、同じアダプター上で SAS ディスクと混用することはできません。アダプターは、書き込みキャッシュを備えていません。 図 1 は、PCIe3 RAID SAS クワッド・ポート 6 Gb アダプターを示しています。

このアダプターは、64 ビット、3.3 V、ブート可能 SAS アダプターであり、RAID 0、5、6、10、5T2、6T2、および 10T2 の機能と、オペレーティング・システムを介したシステム・レベルのミラーリングを提供します。このアダプターは、単一およびデュアル RAID コントローラー構成を提供します。デュアル・コントローラー構成 (デュアル・ストレージ IOA) は RAID を実行する必要があります。JBOD (512 バイト) 機能は、オペレーティング・システムに基づいた単一コントローラー構成でのみサポートされます。最高のパフォーマンスを達成できるのは、複数の RAID セットが構成され、アクティブ/アクティブ・モードの動作を可能にする高可用性、マルチイニシエーター RAID 構成 (デュアル・ストレージ IOA) のアダプターのペアで構成および最適化されている場合です。

アダプターは、接続されているドライブ・エンクロージャーに応じて、最大 98 の接続ディスク装置をサポートします。最大 48 のデバイスを、ソリッド・ステート・デバイス (SSD) にすることができます。外部接続デバイスは、SAS ディスク装置の場合は最大 6 Gbps、SAS テープ装置の場合は最大 3 Gbps のデータ転送速度で稼働するように設計されています。このアダプターは、RAID DASD と非 RAID DASD、および SAS テープ装置をサポートします。特定のデバイス接続サポート規則が適用されます。このアダプターは、AIX®IBM® i、および Linux の各区画でマルチイニシエーターおよび高可用性 (デュアル・ストレージ IOA) 構成をサポートします。このアダプターにより、SAS ドライブを同等またはより高い容量を持つ専用ホット・スペアとして構成することが可能になります。
重要: マルチイニシエーター構成および高可用性構成またはデュアル・ストレージ IOA 構成についての詳細、および重要な考慮事項については、SAS RAID コントローラー (AIX 用)SAS RAID コントローラー (IBM i 用)または SAS RAID コントローラー (Linux 用) トピックを参照してください。

図 1 はアダプターを示しています。コネクター・プラグ (A) は、空白ポートに取り付けて、隣接したポート・コネクターのケーブルが差し込まれたり取り外されたりした場合のそのポートの損傷を防ぎます。

図 1. PCIe3 RAID SAS アダプター
PCIe3 RAID SAS アダプター

仕様

項目
説明
アダプターの FRU 番号
000FX846 (RoHS 要件に準拠した設計)
コネクター・プラグ部品番号
00FW784 (コネクター・プラグは空白ポートに取り付けて、隣接したポート・コネクターのケーブルが差し込まれたり取り外されたりした場合のそのポートの損傷を防ぎます。)
I/O バス・アーキテクチャー
PCIe 3.0 ですが、PCIe 2.0 スロットまたは PCIe 1.0 スロットと互換性があります。
スロット要件
アダプターごとに使用可能な PCIe x8 スロットが 1 つ。
ケーブル
他のアダプターまたはディスク拡張ドロワーへの接続には、新しい狭幅 HD コネクター付きの特定の X、YO、AA、または AT SAS ケーブル・フィーチャーが使用されます。
SAS デバイス接続には、付加されるサブシステムやデバイスのフィーチャーと共に提供される特別なケーブルが必要になります。 マルチイニシエーター構成および高可用性構成には、特別なケーブル配線が必要です。 SAS テープの接続には、特定の AE1 または YE1 SAS ケーブル・フィーチャーが必要です。シリアル接続 SCSI ケーブルの計画を参照してください。
電圧
3.3 V
フォーム・ファクター
ショート、ロー・プロファイルで、フルハイトの取り付け用にパッケージ化。
最大数
サポートされるアダプターの最大数については、ご使用のシステムの『PCI アダプターのインストール』トピック・コレクションを参照してください。
属性
  • 4 つの外部 mini SAS HD 4x コネクターが SAS デバイス・エンクロージャーの接続機構を提供します。
  • SAS Serial SCSI Protocol (SSP)、および Serial Management Protocol (SMP)
  • ホット・スペア機能を備えた RAID 0、5、6、または 10。オペレーティング・システムによるシステム・レベルのミラーリングもサポートされます。 JBOD 機能 (512 バイト) は、単一コントローラー構成でのみサポートされます。
  • 並行ファームウェア更新
  • 取り外し可能メディア・デバイス (SAS テープ) は、単一のコントローラー構成のみでサポートされ、同じアダプターに接続されたディスク装置と結合することはできません。取り外し可能メディアは、マルチイニシエーターおよび高可用性 (デュアル・ストレージ IOA) 構成ではサポートされません。
  • マルチイニシエーターおよび高可用性または単一コントローラー構成のサポート

オペレーティング・システムまたは区画の要件

新しいフィーチャーを取り付ける場合、必ずその新規フィーチャーのサポートに必要なソフトウェアを準備し、そのフィーチャーおよび接続デバイスについて満たす必要のある前提条件があるかどうかを判別してください。前提条件があるか確認するには、IBM Prerequisite Web サイト を参照してください。

アダプターは、 オペレーティング・システムの以下のバージョンでサポートされます。
  • AIX
    • AIX 7.1 以降
    • AIX バージョン 6.1 以降
  • Linux
    • Red Hat Enterprise Linux バージョン 6.4 以降 (Red Hat から利用可能な現行のメンテナンス・アップデートを適用)
    • SUSE Linux Enterprise Server 11 (Service Pack 3) またはそれ以降 (SUSE から利用可能な現行のメンテナンス・アップデートを適用)
    • デバイス・ドライバーまたは iprutils の最新バージョンは、IBM Service and Productivity Tools Web サイト からダウンロードできます。
  • IBM i
    • IBM i バージョン 7.2 以降
    • IBM i バージョン 7.1 以降
  • ファームウェア・レベル 7.8 以降でサポートされます。
このアダプターには、以下のドライバーが必要です。
  • AIX: devices.pci.14104A0 デバイス・ドライバー・パッケージ

その他の重要なアダプター取り付けの必要条件

  • 新規または既存の FC 5887 を FC EJ0J アダプターに接続する場合は、FC EJ0J アダプターに接続する前に、最新の System Enclosure Services (SES) コードが FC 5887 に適用されていることを確認してください。「IBM Prerequisites」の Web サイトを参照してください。
  • 既存の以前の PCIe SAS アダプターから PCIe2 または PCIe3 の SAS アダプターに既存の SAS ディスク・エンクロージャーをマイグレーションする場合は、新規アダプターで使用できるように、自動セクター変換が行われます。 マイグレーション手順については、POWER7® IBM Knowledge Center の『アダプターのアップグレード』を参照してください。



最終更新: 2017 年 7 月