SAS RAID コントローラーの保守
以下の保守手順を使用して、コントローラーの最適パフォーマンスが得られるようにします。
コントローラーおよびディスク・アレイの問題が起こらないようにするために、以下のヒントを使用してください。
- RAID コントローラーまたはディスク・アレイ・メンバーを物理的に取り替えまたは移動する前に、通常のシステム・シャットダウンを実行してください。システムの通常シャットダウンを実行すると、コントローラーの書き込みキャッシュがフラッシュされ、コントローラーとディスク間の依存関係が除去されます。ハードウェア保守管理機能 (HSM) で並行保守オプションを使用して PCI スロットをパワーオフすると、単一コントローラー上で PWRDWNSYS (システムの電源遮断) コマンドを使用した場合と同じ効果が得られます。注: システムの稼働を続けながら、無保護 (露出) ディスク・アレイの障害メンバーであるディスクを取り替え、ディスク装置のデータを再構成することができます。システム・シャットダウンは不要です。
- あるコントローラーから別のコントローラーにディスクを物理的に移動できます。 ただし、複数のディスクが 1 つのディスク・アレイのメンバーである場合は、必ずアレイ内のすべてのディスクをグループとして移動してください。ディスクの移動を試みる前に、ディスク障害が原因でディスク・アレイが無保護状態になっていないことを確認してください。ディスクを移動する前に、システムまたは区画を正常にパワーオフしておく必要があります。
- ディスク・アレイのメンバーであるディスクを物理的に取り外す場合、ディスクを取り外す前に、補助記憶域プール (ASP) からディスクを取り外し、その後でディスク・アレイ上の RAID を停止してください。この処置により、データの損失を防止し、次回にこれらのディスクが使用されるときにディスク・アレイ関連の問題が起こらないようにすることができます。ディスクを物理的に取り外す前に、システムまたは区画を正常にパワーオフしておく必要があります。
- ディスクの取り外しおよび取り替えを行うときは、常に「装置並行保守」オプションを使用してください。
- ロード・ソース・ディスクがディスク・アレイの一部であり、ディスク・アレイに問題がある疑いでシステムが IPL に失敗する場合は、D-IPL メディア (CD/DVD または SAVESYS メディア) を使用してシステムまたは区画の IPL を行ってください。エラー・ログ分析および「専用保守ツール」メニューで使用可能なその他のツールを使用すると、ディスク・アレイの問題の判別と解決に役立ちます。
- 保守手順でそうすることを指示されていないかぎり、 コントローラーおよびディスクをスワッピングすることによって問題を修正しようとしないでください。 エラー・ログ分析を使用して実行すべきアクションを判別し、必要に応じて、適切な分離手順に従って問題判別を行ってください。大体同時に複数のエラーが発生した場合は、問題を全体として捉え、共通した原因があるか判別します。
- キャッシュ・ディレクトリー・カード (これは、 丸いボタンの形のバッテリー付きの小さい長方形のカード) を、取り外し可能キャッシュ・カードと取り違えないでください。 不揮発性書き込みキャッシュ・メモリーは、コントローラーに組み込まれています。 書き込みキャッシュ・メモリー自体は、大容量の再充電可能キャッシュ・バッテリー・パックによって補強されています。 キャッシュ・ディレクトリー・カードには、書き込みキャッシュ・ディレクトリーの 2 次コピーが入っているだけで、キャッシュ・データは入っていません。 このカードは、分離手順に説明がある特定のリカバリー事例以外では取り外さないでください。
- このセクションまたは分離手順に概説されている手順に従わずに、キャッシュ・バッテリー・パックのプラグを抜いたり、交換したりしないでください。これらの手順に従わない場合は、データ損失につながるおそれがあります。