Brain Power

脳からヒントを得たチップで、感覚性を再現し、モビリティーとモノのインターネットを変革

モバイルの変革
クラゲ・センサー
センサーの花
ローラー・ボット
臭いをかぐことのできる体温計

脳の処理

コグニティブ・チップとは、2014年8月7日に発表された最新のSyNAPSEチップです。このチップは、極めて低消費電力で、感覚機能を備える、全く新しいアプリケーションのひな型などのイノベーションを加速し、モビリティーを変革する可能性を秘めています。これを可能にしたのは、ヒトの脳にヒントを得た新しい革命的なテクノロジー・デザインです。IBMは、前例のない100万個のニューロンと2億5,600万個のシナプスで構成される、脳からヒントを得たコンピューター・アーキテクチャーを搭載した新たなチップを開発しました。これはIBMが今までに開発した中で最大のチップで、54億個のトランジスターからなり、4,096個のニューロシナプティック・コアのオンチップ・ネットワークを有しています。しかも、消費電力は従来型のチップよりもはるかに少なく、リアルタイム・オペレーション時にわずか70mWしか消費しません。このテクノロジーは、コグニティブ・ハードウェアおよびソフトウェアのエコシステム全体の中で、スーパーコンピューティング、分散センサー・アプリケーション向けの新しいコンピューティング分野を切り拓きます。

低消費電力スーパーコンピューターへの画期的な転換

ダーメンドラ・S・モダ
IBMフェロー Dharmendra S. Modha (ダーメンドラ・S・モダ)

このアーキテクチャーは、視覚、聴覚や複数の感覚が複合する幅広い問題を解決できます。また、電力とスピードが課題となり計算能力が制限されているデバイスに、脳に似た機能を組み込むことにより、コンピューター産業に革命をもたらす可能性を秘めています

— IBMフェロー Dharmendra S. Modha(ダーメンドラ・S・モダ)
Modha(モダ)博士のSyNAPSEに関する記事はこちら(英語)


前例のないスケール

ニューロシナプティック・システム

コグニティブ・コンピューター向けのアプリケーション開発

データの流れ、動画を見る

脳からヒントを得たIBMのアーキテクチャーは、ニューロシナプティック・コアのネットワークで構成されています。コアは分散しており、並行動作します。またクロックなしに、イベント・ドリブンで動作します。コアは、メモリー、計算、および通信機能を統合します。たとえ個別のコアが故障しても、脳のように、アーキテクチャー全体は機能します。同じチップ上のコアは、オンチップのイベント・ドリブン・ネットワーク経由で相互に通信します。チップ同士はチップ間インターフェース経由で通信します。Cortexのようなシームレスな拡張性を実現することで、拡張可能なニューロモーフィック・システムの開発を可能にします。

データにコンピューティングをもたらす、動画を見る

スタンフォード大学のフーバー・タワーに設置されているビデオ・カメラが、眼下の広場を撮影しています。IBM TrueNorthチップのシミュレーション・ネットワークが、ビデオ・データを取り込み、注意すべき対象物を特定します。システムは、対象物が動いているか、または背景と異なる色や質感を備えているかによって、注意すべきかどうかを判断します。次にシステムは、ビデオの注意すべき部分をさらに処理し、対象物が何であるか特定します。バス、自動車、人、サイクリストなど、複数のカテゴリーが用意されています。モニタリング・アプリケーションでは、カメラは通常、中央管理室にビデオを常時ストリーミングするのではなく、注意すべき対象物を見つけたときにだけ報告します。


標準的なチップとの違い

Synapse University

この新たなアーキテクチャーをプログラミングする場合は、根本的に新しい考え方が必要です。そのためIBM Researchは、SyNAPSE Universityを設立しました。この大学では、講義、演習、専門家によるコーチングなどのカリキュラムを提供することで、関係者が複雑なニューロシナプティック・システムを開発できるよう支援します。既存・新規の産学パートナーシップの拡大にも役立ちます。IBM Researchとのコラボレーションにご興味をお持ちの場合は、こちらのフォーム(英語のみ)にご記入ください。


東京基礎研究所の研究員が語る、SyNAPSEチップ

【ナノビック・シンポジウム】SyNAPSEチップの説明キャプチャー

2013年11月に開催されたナノビック・シンポジウムでの、東京基礎研究所の研究員の、日本語による、SyNAPSEチップについての説明です。ビデオの後半では、画像の認識処理を具体例として取り上げています。なお、会場の録音状況により、雑音でお聞き苦しい点がありますことをあらかじめご承知おきください。


参考資料(英語)