AIがITサポート・エクスペリエンスを変革

コールセンターのサポートの専門家

私たちは、効果的なサポート・サービスを提供するためには、お客様の技術的な問題を理解することが最も重要であることを認識しています。企業は技術的な問題に対する迅速かつ正確な解決策を求めており、サポート・チームには深い技術的知識を持ち、アクション・プランを明確に伝えることが求められています。バーチャル・アシスタントなどの製品組み込み型のサポート・ツールやオンライン・サポート・ツールを使用して、顧客のセルフサービスで情報に基づく効率的なサポート・インタラクションを促進できます。

調査対象のCEOのうち85%が、生成AIは今後2年以内に顧客と直接やり取りするようになるだろうと予測しています。サイトやツールにセルフサービス検索を実装している企業は、生成AIの活用で指数関数的に強力になる可能性があります。生成AIは膨大なデータセットから学習し、ニュアンスを汲み取ったパーソナライズした応答を生成できます。質問の根底にあるコンテキスト(口調、感情、コンテキストなどの変数を考慮)を理解する能力により、AIはユーザーの特定のニーズに沿った応答を提供できるようになります。また、自動化により、交換部品を注文するためのチケット発行などのタスクを実行できます。

バーチャル・アシスタントだけでは解決できない話題が出てきた場合でも、自動化により、顧客を支援できるライブ・エージェントと簡単につなぐことができます。ライブ・エージェントにエスカレーションされた場合、AIが生成した会話履歴の概要が提供され、バーチャル・アシスタントが中断したところからシームレスに再開できます。

AIの開発者として、IBMは何千ものお客様と協力し、企業全体にテクノロジーを導入させ、新たなレベルの洞察と効率性を実現できるよう支援しています。当社の経験の多くは、自社のプロセスとツールにAIを導入したことから得られたもので、それを顧客エンゲージメントに役立てることができます。

当社のお客様企業は、より迅速な対応や、ダウンタイムと将来の問題の最小化につながるユーザー・ニーズを予測できる、合理化されたプロアクティブなサポート・プロセスが必要であるという声を上げています。

お客様は年中無休でセルフサービスを行い、潜在的な問題に積極的に対処可能

IBM Technology Lifecycle Services(TLS)は、AIと自動化機能を活用して、チャット、Eメール、電話、Webなどのさまざまなチャネルを通じて、IBMのお客様に効率的なサポート・サービスを提供しています。AIと自動化をカスタマー・サポート・サービス・ツールとオペレーションに統合することは、効率を高め、全体的な顧客体験を向上させる上で極めて重要でした。

  • バーチャル・アシスタントを介したオンライン・チャット:IBMのバーチャル・アシスタントは、IBMをナビゲートするための統一されたインターフェースを提供することで、サービス・オペレーションを合理化するように設計されています。さまざまなガイドや過去のやり取りにアクセスできるため、多くの問い合わせにはまずセルフサービスで対応できます。さらに、必要に応じてライブ・エージェントに移行するか、あるいはチケットを開くとサポート・エンジニアが解決できます。このエクスペリエンスはIBM全体で統一され、IBMのAI製品ポートフォリオであるwatsonxによって強化されます。
  • 製品を介して開始される自動ヘルプ:IBMサーバーとストレージ・システムには、Call Home/Enterpriseサービス・エージェント(ESA)と呼ばれる主要な機能があり、お客様はこの機能を有効にすることで、IBMに年中無休で自動的に通知を送信できます。Call Homeが有効になると、製品は適切なエラーの詳細(ドライブの障害やファームウェアのエラーなど)をIBMに送信します。受信したエラーに是正措置が必要な場合(有効なサポート資格がある場合)、サービス・リクエストが自動的に作成され、お客様のサポート契約の条件に従って処理されます。実際、Call Homeリクエストの91%は自動化により応答されました。サービス・リクエストは、適切なIBMサポート・センターに電子的に直接ルーティングされ、お客様の介入は必要ありません。システムが潜在的な問題を報告すると、エラー・ログやシステム・スナップショットなどの拡張エラー情報を含む重要な技術的な詳細が送信されます。お客様にとっての主なメリットは、問題の診断と解決にかかる時間を短縮できることです。
  • クライアントのITインフラストラクチャーの自動化されたエンドツーエンド・ビューIBM Support Insights Proは、IBMクライアントのIBMおよびマルチベンダー・インフラストラクチャー全体の可視性を提供し、サポート・エクスペリエンスを統合します。潜在的な問題を浮き彫りにし、推奨されるアクションを提示します。このクラウドベースのサービスは、分析に基づく洞察やインベントリー管理、予防保守の推奨事項により、ITチームがアップタイムを積極的に改善し、セキュリティーの脆弱性に対処できるように設計されています。このサービスは、お客様がITの信頼性を向上させ、サポートのギャップを減らし、IBMやその他のOEMシステムのインベントリー管理を合理化できるように構築されています。提案された緩和策や、さまざまな解決策を比較した「What-if」分析は、選択したリスク・プロファイルに応じて、お客様やサポート担当者が最適な選択肢を特定するのに役立ちます。現在、3,000を超えるお客様がIBM Support Insightsを活用して400万を超えるIT資産を管理しています。

IBMサポート・エージェントを自動化ツールとAIでサポートし、より迅速なケース解決と洞察提供を実現

生成AIには、収集したデータからパターンと洞察を識別できるという別のメリットがあり、サポート・エージェントが複雑な問題を非常に簡単に対処できるように設計されています。この機能により、エージェントはお客様の状況と履歴を包括的に可視化し、より多くの情報に基づいた支援を提供できるようになります。さらに、AIは、自動化された要約、カスタマイズされたコミュニケーション、製品のより良い使用法に関する指導などの推奨事項を生成し、新サービスの開発のための貴重な洞察を提供することができます。

IBM TLSでは、watsonxテクノロジーと自動化ツールを利用することで、サポート・エンジニアがより生産的かつ効率的に作業できるようにするためのサービスを構築しています。それには、以下が含まれます。

  • エージェント・アシストは、IBM watsonxをベースとするAI クラウド・サービスで、IBMのサポート・エージェントによって使用されます。IBMには広範な製品ナレッジ・ベースがあり、ケースに取り組む際には最も関連性の高い情報を迅速に取得することが極めて重要です。エージェント・アシストは、IBMのナレッジ・ベースから最も関連性の高い情報を見つけ、エージェントに推奨ソリューションを提供することでチームをサポートします。これにより、エージェントは目的の情報に迅速に到達できるため、時間を節約できます。
  • ケースの要約は、エージェントが使用するIBM watsonx AIを活用したもう1つのツールです。複雑さに応じて、一部のサポート・ケースは解決に数週間かかる場合があります。この間、IBMサポート・チームとお客様の間で、問題の説明、分析結果、アクション・プランなどの情報のやり取りが行われます。ケースの最新情報と詳細を提供することは、解決までの期間全体を通じて非常に重要です。生成AIを使用することでこのプロセスを簡素化し、最小限の労力でケースの要約を簡単に作成できます。
  • IBM WatsonとSalesforceを活用したIBMサポート・ポータルは、サポート・チケットの生成方法(音声、チャット、Web、Call Home、Eメール)に関係なく、お客様とサポート・エージェントがサポート・チケットを一元的に確認できる共通のプラットフォームを提供します。認証が完了すると、ユーザーは世界中の自社のすべてのケースを可視化できます。さらに、IBMのサポート・エージェントは、世界中のサポート・トレンドを追跡し、それを自動的に分析して活用することで、迅速に事前対応型のヒントやガイダンスを提供できます。エージェントは、最初の行動指針と、ケースの解決プロセス中のドキュメンテーションの生成を支援する内部技術ノートの作成に関する支援を受けます。このツールは「場所」と「方法」に関する質問を特定するのにも役立ち、サポートの内容や製品のユーザー・エクスペリエンスを向上させる機会を特定するのに役立ちます。

技術サポートにおいてクライアントのニーズと期待に応えるには、技術的な専門知識、優れたコミュニケーション、ツールの効果的な使用、積極的な問題解決を調整する必要があります。生成AIは、単純な質問と回答のやり取りを超えた、動的で文脈に沿った会話を導入することで、カスタマー・サービスを変革します。これにより、洗練されたユーザー中心のインタラクションが実現します。さらに、タスクを自動化し、データを分析してパターンと洞察を特定し、顧客の問題をより迅速に解決することができます。

 

著者

Bina Hallman

VP

IBM Systems TLS Support Services