ホーム ケーススタディ Andhra Paper relocates mission-critical SAP systems 株式会社やまやコミュニケーションズ
たらこの異物検査やグレード判定を高精度で行うAIモデルを開発。品質向上と製造コストの削減を図り、顧客に新鮮かつ高品質な商品の提供を目指す

辛子明太子づくりから「食の総合プロデュース企業」へと事業を拡大している株式会社やまやコミュニケーションズ(以下、やまやコミュニケーションズ)は、一次加工としてたらこ製造で行っている異物検査やグレード判定に関して、一定のスキルを有した人材確保が難しいことから、品質維持や安定供給を属人化させない対策を求めていました。これらの課題の解決にAIの活用を検討していた同社は、IBMのディープラーニング構築支援サービスを利用して検査・判定用AIのプロトタイプ開発を実施。複雑な判定基準をAIモデルに落とし込み、さらにそのAIモデルを複数組み合わせることにより、人と同等かそれ以上の精度で異物検査やグレード判定が行えることを実証。AIの適用で十分な投資対効果が得られると判断し、国内工場の製造工程でAIを用いた試験運用を開始して、大幅な省人化とサプライチェーンの変革を目指します。

ビジネス上の課題

やまやコミュニケーションズの辛子明太子の製造工程では、一次加工を行う国内や海外の自社工場でスケソウダラの卵(原卵)を塩水に漬け込んでから現地作業員が手作業で異物除去を行って「たらこ」にした後、状態に応じて贈答品用から加工用まで7段階のグレードに選別しています。それらを冷凍したうえで国内の二次加工を行う工場に搬送して辛子明太子にしますが、一次加工工場で除去すべき異物を全て取り除けず、二次加工工場のベテラン作業員らに大きな負担がかかっていました。近年は創業期から業務を支えてきたベテラン作業員の退職が続いており、人手を割く余裕はなくなってきています。また、国内外で人件費の上昇が続いており、海外に一次加工のためのたらこ製造ラインを置くメリットが薄れつつあるという事情もありました。これらの課題の解決手段として、同社は画像認識AIに注目。異物検査に使おうと国内大手ベンダーなどに相談しますが、技術的な難しさなどを理由に各社の反応は芳しくありませんでした。

概要と経緯

地元ITベンダーからIBMを紹介されたやまやコミュニケーションズは、簡単な検証の結果、IBMの技術とノウハウならば異物検査だけでなくグレード判定も対象にできることを知ります。そこで、同社は海外工場で行っているそれらの業務をAI化し、製造ラインを全て国内に移す構想に着手。技術検証でAI化への見通しを立てると、IBMのディープラーニング構築支援サービスとディープラーニング専用サーバー「Power System AC922」を正式採用して「異物検査用AI」と「グレード判定用AI」のプロトタイプ開発を開始します。このうち、前者の開発ではやまやコミュニケーションズの社員がラベル付けを行い、AIモデルの精度向上に貢献します。一方、後者の開発ではIBMのAIエキスパートと一緒になり、ベテラン作業員の間で暗黙知化していた業務知識を紐解いて形式知化し、AIモデルへの落とし込みを行いました。

効果と今後の展望

約2,000枚の学習用画像を使って完成したAIのプロトタイプは、高い認識精度を実現。人が行う作業と比較して約10%高い精度で検査・判定が行えるようになりました。やまやコミュニケーションズは、この成果を踏まえたAIシステムを国内工場のたらこ製造工程にパイロットプログラムとして導入することを決定。また、その後は新たに建設する工場にAIを本格導入し、当該業務を海外を含む全ての工場から集約して製造ラインにかかる人件費を現在の50%以下に削減することを目指すほか、工場間の原料搬送をなくすことによる在庫量の削減、商品出荷までのリードタイムの大幅短縮などを実現できると期待しています。加えて、AIを製造設備の管理でも活用して“止まらない工場”を目指すほか、工場作業員のさまざまな業務を支援・効率化するためのAI活用も検討する予定です。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

  • IBMディープラーニング構築支援サービス
  • IBM Watson Machine Learning Community Edition
  • IBM Power System AC922
IBMのAIエキスパートが、当社のベテラン作業員の中で暗黙知化していた業務知識を紐解いて形式知化し、AIモデルに落とし込む手助けをしてくれました。 浜野 潤一氏 サプライチェーン本部 プラント部 デジタル戦略室 株式会社やまやコミュニケーションズ

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