機敏で自動化されたイノベーションへの道程
UWV社がIBM Automationの力でオランダの緊急雇用プログラムを6週間で開始
夕暮れ時のアムステルダムのザイダス金融街

時には、急速なイノベーションに必要なのは着火剤となるような状況ということもあります。UWV社*にとっては、オランダ政府から新型コロナウイルス感染症の流行に伴う失業防止プログラムの実行を委託されたことが契機となりました。

UWV社は、従業員保険を導入し、労働市場とデータサービスを提供する自治行政当局です。失業者の仕事探しを支援し、仕事上の障害を持つ人への手当を決定し、該当者への医療・失業給付を管理しています。

NOW**プログラムは、雇用を繋ぐ一時的緊急措置の略称です。新型コロナウイルス感染症により悪影響を受けた企業が、従業員へ給与を支払い続けられるよう補償を提供しました。3か月間で20%以上の収益損失を被った企業は、その期間の賃金コストの最大90%の補助金を受け取りました。この期間限定プログラムは、2021年10月1日にプログラムが終了するまで、3か月ごとに6つの登録期間にわたって実施されました。

*オランダ語の正式な会社名:Uitvoeringsinstituut Werknemersverzekeringen
**オランダ語のプログラム正式名:Tijdelijke Noodmaatregel Overbrugging Werkgelgenheidd

開発時間の短縮

 

新しいアプリケーションの開発と立ち上げ所要時間を数年から6週間に短縮

ワークフローの自動化

 

ワークフローを自動化して、 250,000のコア・ビジネス・プロセス間の例外を処理します。

このソリューションをさらに多くの部門のプロセスに導入する計画を立てていましたが、今ではみんながその価値、柔軟性、そして短期間で結果をもたらす能力を信頼しています。 Peter van der Heijden E-Werkenプログラム・ディレクター UWV社

プログラム立ち上げから実行までに、政府からUWV社に与えられた時間はわずか6週間。この短いタイムラインを守るため、同社は特別な配慮が必要なリクエストを自動処理する方法を必要としていました。たとえば破産したことがある、履歴データがない、銀行口座の情報が不正確など、典型的な型にはまらないケースのことです。

UWV社は、Javaアプリケーションをゼロから構築する、自動化されたスプレッドシートを作成するなど、さまざまな選択肢を検討しましたが、結局、すでに所有していたテクノロジー、IBM Cloud Pak for Business Automationソリューションを使用することにしました。同社はすでにソリューションの使用を開始していたものの、実際の環境に完全には実装されていませんでした。しかし、ついに実行に移す時がきたのです。

スピードと機敏性が飛躍的に向上

UWV社は、IBMビジネス・パートナーであるYou-Get BV社と緊密に連携して、IBM Cloud Pak for Business AutomationのBusiness Automation Workflow機能を使用して、NOWリクエスト免除アプリケーションを開発しました。このアプリケーションで、承認されたすべてのリクエストがNOWプログラムの複雑な規制と要件に確実に準拠していることを確認する作業が促進されました。これはプログラム・リクエストを処理する際に同社が直面した最大の課題の1つでした。

その仕組みは次のとおりです。たとえばある企業が、オンライン・ポータル経由でNOW資金を申請したとします。所在地が更新されていない、オランダ国外にオフィスがあるなど、特別対応を要する情報がある場合、システムは確立されたプロセスに基づいて、Business Automation Workflow機能を通じて、リクエストを適切な部署にルーティングします。各特別対応要件は、それを解決するために必要なアクションに応じて、独自のプロセスをたどります。解決されたリクエストは毎晩バッチ処理され、次の処理段階に向けてアプリケーションに戻されます。

6週間以内に、チームはNOWアプリケーションの最初のイテレーションをリリースしました。これは、UWV社が新しいアプリケーションを立ち上げるまでに通常数か月、場合によっては数年かかることを考えると、注目に値する偉業です。「達成できたことに驚きを隠せませんでした」UWV社のE-Werkenプログラム・ディレクター、Peter van der Heijden氏は言います。「当社だけでなく、オランダの公共部門全体の観点から見ても、これほど短期間で立ち上げて稼働させることができたのは驚きでした」

リリース後、チームはアジャイル手法を使用してアプリケーションの開発を継続し、すぐに次のイテレーションの作業を開始して、プロセスをさらに自動化および最適化し、既知の問題を修正、ユーザーのフィードバックを取り入れました。チームは2週間ごとに新しいリリースを発行しました。以前は開発サイクルに3か月、あるいはそれ以上かかっていました。継続的に更新できるこの機能は、3か月のNOW登録サイクルごとに発生するプログラムに対する政府の変更に準拠し続けるために不可欠でした。

新しいリリースの納期が早いこと、チームが最初にソリューションを立ち上げて稼動させるまでのスピードが際立っていたこと、そしてソリューションのアウトプットの質の高さで、UWV社の取締役会やその他の部門の注目を集めました。「UWV社のこの種のアプリケーションでは、汎用的な情報通信技術(ICT)ツールとしてBusiness Automation Workflowの実装をすでに開始していましたが、今では、その価値、柔軟性、短期間で優れた結果を出す能力に、みんながさらに信頼を厚くしています」van der Heijden氏は言います。

次のプロジェクト、UWV失業支払いプログラムのプロセスの合理化は、より複雑でした。「ここでは役割を果たす多くのレガシー・システムがあり、各システムには独自のワークロードがあります」van der Heijden氏は言います。「私たちの目標は、こうしたすべてのシステムとワークロードを、従業員が自分の仕事の表示、優先付け、整理に使用する1つのアプリケーションに組み込むことです」

クライアントへの対応プロセスでは多くの政府規制への準拠と、複数の意思決定ポイントが必要となります。「この点に対処するため、IBM Cloud Pak for Business Automationの運用意思決定管理機能を使用しました」と van der Heijden氏は説明します。「当社のWebサイトでは、この機能がクライアントと対話し、クライアントの入力に基づいて申請プロセスに必要な回答を提供します。バックエンドでは、この機能は同様の規制情報の一部を取得して、従業員に意思決定のサポートを提供します」2,000人の従業員がアプリケーションを使用しているため、最初から彼らのニーズを満たすことが何よりも重要視されていました。準備は慎重に進められ、チームは2021年7月にアプリケーションをリリースしました。

 

このソリューションの導入方法、つまり特定の部署の小規模なプロジェクトから始めて、立ち上げて実行し、さらに拡張していくという方法は、非常に成功しています。 Peter van der Heijden E-Werkenプログラム・ディレクター UWV社
拡大に向けたロードマップ

現在、UWV社はIBM Cloud Pak for Business Automationソリューションの使用を拡大し続けており、最終的にはすべてのプロセスで使用する予定です。組織の19,500人の従業員のうち3,500人以上がすでにこのソリューションを何らかの形で使用しています。

その一方で、UWV社は現在および新しいプロジェクトに対してBusiness Automation Workflow機能を使用して前進し続けています。雇用アプリケーションに関しては、組織は22のレガシー・システムのいくつかを単一のワークフロー・アプリケーションに置き換える作業を進めています。「これまでのところ、2つのシステムをワークフロー機能で置き換えることができており、現在次の2つのシステムに取り組んでいます」とvan der Heijden氏は言います。

同社は現在、医療部門で職務上の障害のある人々をサポートするための新しいプロジェクトを開始し、スプレッドシート・システムからIBMソリューションのBusiness Automation Workflow機能に基づくシステムに移行しました。このプロセスには、約3,500人のユーザーが関与しています。

UWV社は、消耗品やサービス、および労働許可プロセスにもこのソリューションを実装しています。さらに、このソリューションを雇用部門のプロセスに導入して、人々の仕事復帰と、障害を持つ人々へのサポートを計画しています。雇用部門は小規模なプロジェクトから始めていますが、最終的にはすべてのプロセスでワークフロー機能を使用したいと考えています。

テクノロジーの観点から見ると、UWV社は 2022年にIBM Cloud Pak for Business AutomationソリューションのBusiness Automation Insights機能を実装する予定です。「応答時間の追跡、有効性の評価、機会のリバランスなど、プロセスに関する管理用の情報を生成することは、当社にとって非常に重要です」van der Heijden氏は言います。「ワークフロー機能を使用する場合はどこでも、おそらく自動化のインサイトを使用する必要があるでしょう」

さらにこう続けます。「将来を展望すると、ロボティック・プロセス・オートメーションや機械学習といった人工知能や、プロセス・マイニングといった新しいテクノロジーの利用が考えられます」UWV社がこうしたテクノロジーを追求しようとする場合でも、IBM Cloud Pak for Business Automationは同社のニーズを満たす機能を備えています。

しかし、IBM Cloud Pak for Business Automationソリューションの実際の影響は、テクノロジーをはるかに超えています。「特定の部門で小規模なプロジェクトから始めて、それを立ち上げて実行し、拡張していくという私たちのソリューションの導入方法は非常に成功しています」とvan der Heijden氏は言います。「アプリケーションを配信するために全員が同じツールを使用するのは、UWV内で初めてだと思います。こんなことは今までになかったことです」

UWVロゴ
UWV(従業員保険機関)について

オランダ社会雇用省の委託を受けたUWV(従業員保険機関)(リンクはibm.comの外にあります)は自治行政機関(ZBO)であり、社会雇用省(SZW)から従業員保険の実施、労働市場およびデータサービスの提供を委託されています。19,500人の従業員を擁するUWVは、HGアムステルダムに本部を置き、オランダ国民のための4つの主要分野(就職支援、就労能力に関する障害や病気の評価、給付管理、データ管理)をカバーするサービスを統括しています。

You-Get BV社について

オランダの北ホラント州ウォーターガングを拠点とするIBMビジネス・パートナーYou-Get(リンクはibm.comの外にあります)は、プロセス改善、ロボティック・プロセス・オートメーション、コグニティブ・ソリューション、変更およびプロジェクト管理の分野でテクノロジー・サービスを提供しています。同社は2007年に設立された非公開企業で、従業員数は約70人です。

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脚注

© Copyright IBM Corporation 2022. IBM Corporation、IBM Cloud、New Orchard Road、Armonk、NY 10504

2022年1月、アメリカ合衆国で制作。

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud Pakは、世界の多くの国々で法的に登録されているInternational Business Machines Corp.の商標です。その他の製品名およびサービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、ウェブ上の「著作権および商標情報」 https://www.ibm.com/jp-ja/legal/copytradeで入手できます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。