T&Iイノベーションセンター株式会社
銀行システムの機能をオープンAPI化し、外部システムとの連携を実現 IBM Cloudとコンテナ技術の活用で信頼性と柔軟性の高いサービス提供基盤を構築

Fintechの急速な広がりに対応して、金融機関が提供するサービスも変化しています。株式会社千葉銀行(以下、千葉銀行)など地方銀行が参加する「TSUBASAアライアンス」のFintech戦略を担うT&Iイノベーションセンター株式会社(以下、T&Iイノベーションセンター)では、API技術を活用して銀行の基幹系システムの機能のオープンAPI化を図り、Fintech企業などの外部システムとの安全な連携を実現しました。また、クラウド基盤としてIBM Cloud ベアメタル・サーバー、コンテナ基盤としてIBM Cloud Privateを活用することにより、デジタル通帳など付加価値を高めるサービス・コンテンツを迅速に開発・展開できるできる基盤を構築しました。メガバンクと同じレベルのサービスが求められるとともに、地域ごとの独自性も必要とされる地方銀行として、今後の金融サービスの変化に対応できる体制が整いつつあります。

ビジネス上の課題

Fintechに関する調査・研究やFintechを活用した新たな金融サービスの企画・開発をミッションとするT&Iイノベーションセンターは2017年3月に「TSUBASA FinTech共通基盤」の構想をまとめました。同社はFintech企業が情報を取得しているスクレイピングは銀行システムへの負担が大きく、今後の広がりが期待できないため、銀行システムの機能をオープンAPI化することでコストを削減しながら安心して外部とのシステム連携ができると考え、アライアンス各行の経営陣やFintech担当部門との交渉を続けて承認を取り付け、2017年5月にFinTech共通基盤の検討に着手することを発表しました。

ソリューション

同社は共通基盤のプラットフォームに金融サービスに求められる高いレベルのセキュリティー対策を盛り込むことができるIBM Cloudベアメタル・サーバーを選択、オープンAPIの開発・運用・管理にはIBM API Connectを導入しました。同社はFinTech共通基盤開発に2017年7月に着手し、メガバンクで実績のあったIBM Cloudのソリューションを活用して、IBMの支援を受け、わずか10カ月足らずの短期間で開発を完了、2018年4月に千葉銀行と北洋銀行がオープンAPIに移行し、マネーフォワードの自動家計簿・資産管理サービスとビジネス向けクラウドサービスがAPIの利用を開始しました。また、プラットフォームを選ばずにアプリケーションを展開できるコンテナ技術を活用するためにIBM Cloud Privateも導入されました。

効果と今後の展望

短期間で構築を完了した「TSUBASA FinTech共通基盤」によって、外部インタフェースとしてのAPI基盤構築と、再利用性を高めるための既存システムのAPI化を実現し、銀行システムの機能をオープンAPIとして提供することが可能になりました。APIを通したFintech企業との連携も広がっており、今後は情報を読み取る「参照系」APIだけでなく、口座振替を行うような「更新系」APIも提供されていく予定です。IBM Cloud Privateを導入し、コンテナ技術を活用するサービス・コンテンツ基盤は銀行の付加価値を高めるアプリケーションを容易に展開できる仕組みで、今後さらなる拡充が進められます。「TSUBASA FinTech共通基盤」は、地方銀行の金融サービスの可能性を広げるオープンな基盤であり、エコシステム拡大の推進エンジン役となることが期待されています。
 

 [製品・サービス・技術 情報]
当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

異業種とのシステム連携など幅広いスコープで見て、銀行システムの機能をオープンAPI化することでコストを削減しながら安心して外部とのシステム連携ができると考えました。 森本 昌雄氏 代表取締役会長 T&Iイノベーションセンター株式会社
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