Oracle Cloudでサービスを変革し、価値を解き放つ

スコットランド政府とIBM

一緒にデジタル・タブレットを見ている2人。
古いバックオフィス・システムによる制限からの脱却

スコットランド政府(SG)は、大臣と協力して政策および立法議題を策定する責任を負っています。スコットランド公共部門の中心的存在として、SGはスコットランドの500万人の住民へのサービス提供を担う多くの公共機関を支援・資金提供しています。

多数の公共機関と効果的に連携するために、SGは舞台裏で円滑に運営されなければなりません。特に分断されしている老朽化テクノロジーにより、それは常に容易な課題ではありません。

これはまさに、SGの人事(HR)および財務部門が直面していた現実でした。数十年にわたり、これらのチームは財務・購買用と人事・給与用で、2つの独立したOracle E-Businessシステムを使用していました。これらのレガシー・システムは組織の成長や技術の変化に追随できず、ユーザーは業務を遂行するためにスプレッドシートや手作業の回避策に依存せざるを得ませんでした。

コーポレート・トランスフォーメーション担当ディレクターのBrian Reid氏は次のように述べています。「これは、時代遅れのテクノロジーが組織のニーズに応えられなくなった典型的なケースでした。私たちのシステムは職員を支援するどころか、むしろ、効率的に働き、必要な洞察を得ることを妨げていました。また、多くの運営上のリスクをもたらしていました。例えば、以前のプラットフォームでは給与計算の維持が非常に困難になっていました」。

SGは、財務と人事を共有サービス・プラットフォームに統合し、プロセスの標準化、コスト削減、公務員と市民双方の体験向上を実現するという願望を長年抱いていました。

Reid氏は次のように述べています。「30を超える公共機関がレガシー・システムを用いて業務を行っていたため、事実上すでに重なり合う部分の多い共有サービスのような状態でした。にもかかわらず、そのプラットフォームは、共通データ、効率化されたプロセス、共有によるコスト削減というSG本来のビジョンを実現することはありませんでした。私たち職員が目指していたのは、その共有サービスモデルをさらに拡大し、公共部門の職員やスコットランドの人々の利益のために本当に活用することでした」。

稼働開始から3週間以内に2万人の従業員の給与処理をスムーズに完了 人事データと財務データを初めて完全統合 さらに数百もの組織に共有サービスを拡張する基盤を提供
IBMとともに、非常に複雑だった導入を進めるための計画と道筋を共同で策定しました。IBMによるその強力なパートナーシップとリーダーシップは、私たちの成功に不可欠でした。
Brian Reid氏 コーポレート・トランスフォーメーション担当ディレクター スコットランド政府
共有サービスへの道筋を共同で策定し、Oracle CloudからのROIを最大化

共有サービスのビジョンを実現するために、SGはレガシーから脱却し、新たな働き方を取り入れる必要がありました。SGは、財務、人事、給与といった複数の部門の作業を統合できる統一プラットフォーム、Oracle Cloudを課題解決のために選択しました。これは、プロセスの標準化を可能にし、最終的にはコスト削減と公務員および市民双方の体験向上を実現することを目的としていました。

次にSGは、導入およびシステム・インテグレーションのパートナー探しに注力しました。この移行プロジェクトは大規模な取り組みで、SGは新たなIT基盤をゼロから構築し、レガシーシステムからの移行を行い、長く困難なプロセス全体にわたるあらゆる変革を管理する必要がありました。そのため、適切なパートナーを見つけることがSGの成功にとって極めて重要でした。

確かな専門知識、革新的なツール、実証済みの手法を兼ね備えていることから、IBM ConsultingのOracleプラクティスが、変革を主導するパートナーとして選ばれました。Oracle Cloud向けIBM Public Sector Platformを基盤として、IBMはCommon Operating Model(COM)のプロセス・タクソノミーにしたがって、プロセスとデータの統合に取り組んでいます。IBMは社内で、テスト作業を最大60%削減できるIgnite Quality Platformや、移行実行作業を最大40%削減できるOracle Data Migration Toolkitといった高度なツールを活用しています。このプラクティスは400名を超える英国の専任Oracle Cloud担当者によって支えられており、その多くが政府機関レベルのセキュリティー認証(Security Clearance)を取得しており、高度な専門性と即応性を提供しています。

「IBMと提携できることを知って、とてもうれしくなりました」とReid氏は振り返ります。「IBMは、熟練した人材、高い評判、世界的なリーチ能力を備えた質の高い企業です。IBMなら苦労していたSGの変革を成功に導いてくれると確信していました」。

ERPシステムの導入は決して迅速でも容易でもなく、SGにとって変革は複数年にわたる継続的な取り組みです。IBMとの緊密な協力は、複雑さの克服や変革の管理、財務と人事全体を支える共有サービスプラットフォームの構築において極めて重要でした。

Reid氏は次のように説明します。「IBMとの連携関係は、IBMがすべてを決めて、導入するという、取引的で距離のあるものではありませんでした。私たちは緊密に話し合い、非常に複雑だった導入を進めるための計画と道筋を共同で策定しました。IBMによるその強力なパートナーシップとリーダーシップは、私たちの成功に不可欠でした」。

計画の一環として、SGとIBMは緊密に協力し、新しいOracle Cloud Applicationsの設計、構成、テストを行いました。IBMのチームは、標準化されたプロセスとポリシーに基づく新たなターゲット・オペレーティング・モデルの策定でSGを支援し、また、SGのデータ、プロセス、人材をクラウドへの統合に備え、大規模な抽出、変換、ロード(ETL)作業、システム統合、トレーニングを完了することにも取り組みました。

SGは一斉移行を選択し、財務および人事のすべてのモジュールを1日でOracle Cloud上に本稼働させました。これは思い切った判断でしたが、結果は大成功でした。新しいクラウド・プラットフォームは順調に稼働を開始し、SGの中核業務に携わる2万人と32の公的機関に、新たな働き方をもたらしました。

すべてを統合してサービス提供を強化

稼働開始から3週間以内に、SGは新しいOracleプラットフォームの最初の大規模なテストを行い、20,000人の職員に対する給与計算を実行しました。このソリューションは素晴らしい成果を発揮し、以来、SGは数カ月にわたる給与処理を滞りなく完了しています。

「本稼働以降、多くの重要なマイルストーンを無事に通過し、最も懸念していた問題はすべて回避できました」とReid氏は述べています。「給与計算、支払い、財務報告などの重要なプロセスを確実に行うことが、最初の重要な一歩でした。「Oracleクラウド・アプリケーションは、私たちが求めていた高い一貫性、透明性、そして管理性を実現しています。」

当初から予想していましたが、このプロジェクトは課題がないわけではありませんでした。システムおよび関連プロセスのすべてがまだ最適化されているわけではありません。Reid氏はまた、一部の関係者がまだ新しい働き方への移行途中であり、この規模と複雑さの変更に伴う避けられない本稼働後の問題が組織内で発生していることを指摘しています。そのため、SGのすべての部門がまだこの変革のメリットを実感しているわけではありません。しかしながら、Reid氏は、組織が今後構築し最適化を進めるために必要なコア・プラットフォームと能力を備えていると確信しています。変更の規模は非常に大きいものです。Reid氏は、継続的な改善、定期的なアップグレード、Oracle社およびIBMとの連携により、まだ最適化されていない領域に対処していくと述べています。

「IBMチームは本稼働後のサポートにおいて重要な役割を果たし、専門知識の継続性と継続的なナレッジ・トランスファーを提供してくれました」とReid氏は述べています。「私たちは協力して迅速に本稼働後の課題に対応し、『ライブモード』環境で重要な設計判断の再検証を行うことで、すべてのユーザーがソリューションとプラットフォームを用いて変革の価値を最大限に引き出せるようにしています」。

まだ多くの作業が残っているものの、SG全体でチームはすでにクラウド上で人事および財務データの統合ビューを取得できており、これが意思決定の改善を促しています。

Reid氏は次のように述べています。「IBMとOracle社と連携することにより、信頼できる単一の情報源を実現することが可能になりました。現在は、別々の2つのデータセットを扱うのではなく、一元化された人事・財務の完全なデータセットに基づいてレポートや分析を行うことができます。この取り組みの影響は非常に大きいものとなるでしょう。これまで人と資金は分断されていましたが、現在は連携しています。これは、管理に対するより良い意思決定を可能にするための重要なポイントです。」

彼は続けて次のように述べています。「共通のプラットフォーム上で作業することで、人事と財務の担当者がより密接に連携し、データの理解と改善、プラットフォーム上での変革管理、そして統制の組み込みを実現しています。技術の共有、データセットの共有、そして運用モデルを最大限に機能させたいという意欲によって、今後改善できる箇所がすでに数多く見えています。」

Reid氏は次のようにも語っています。「Oracle上の財務データの透明性は、従来のシステムよりも格段に向上しています。財務担当者は、総勘定元帳や勘定科目表を詳細に掘り下げて、すべての請求書や支出の明細を確認できるようになりました。もちろん、新しいツールを習得し幅広い理解を深めるには時間がかかりますが、すでにデータの品質と透明性が向上することで、資金の使途に関するより迅速かつ明確な洞察が得られる兆候が見られます」。

同様に、業界標準のソリューションを採用し、プロセス設計でベストプラクティスを取り入れることで、業務の厳格さが増し、コスト削減につながるとともに、部門や組織の成長を促進する選択肢が広がり始めています。

「システムに組み込まれた統制は順調に機能しており、組織はその恩恵をすぐに享受できています」とReid氏は断言します。「これは監査の観点から見ると大きなプラス要素です。また、日常的な財務管理におけるより高度なデュー・デリジェンスにも役立っています。関係者がそれぞれ独自の方法で行うのではなく、一貫したプロセスに確実に従うようになりました。」

最新のクラウド・アプリケーションと標準化されたプロセスを導入し、SGは効果的な共有サービスの実現に向けて着実に前進しています。現在、SGはIBM社と協力して他の機関とのディスカバリー・セッションを実施しており、スコットランドのより多くの公的機関が同じ共有サービス・プラットフォームを使用できるよう、統合を目指しています。

Reid氏は次のようにコメントしています。「それらすべての公的機関は、給与計算、人事記録、財務、および報告用アカウントを管理しなければなりません。現在は、私たちと協力して共有プラットフォームに参加する選択肢が提供されており、それにより各公的機関は問題全体やすべてのコストを自前で負担する必要がなくなります。重複を排除し、大規模にテクノロジーサービスを構築・成熟させるために協力する機会が、今まさに現実のものとなっています。もしそれらの機関が私たちの共有プラットフォームに参加すれば、変革の加速と運用コストの削減というメリットを享受できます。これこそ私たちが目指す最終目標です。」

水面下では、SGはIBM社と連携しながら新しいシステムと業務慣行の改善を継続しています。Reid氏は次のように締めくくっています。「このような大規模プロジェクトにおいては、問題は避けられません。重要なのは、それらの問題にどう対処し、冷静さを保ち、強いチーム精神を維持できるかです。そのためには、困難な状況でも継続的に支援し、社内チームと調和して協力し合い、適切な判断を下すための助言が必要な時期を見極めるパートナーを持つことが欠かせません。IBM社はまさにそうしたパートナーであり、私たちは今後も共に歩んでいくことを心強く感じています」。

スコットランド政府のロゴ
スコットランド政府について

スコットランド政府(SG)は、大臣と協力して政策および立法議題を策定する責任を負っています。スコットランド公共部門の中心的存在として、SGはスコットランドの500万人の住民へのサービス提供を担う多くの公共機関を支援・資金提供しています。

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