関西圏を中心に全国で都市ガス・電力を供給している大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)と現場の実務を担うDaigasガスアンドパワーソリューション株式会社(以下、Daigasガスアンドパワーソリューション)は、各都市ガス製造所において書類や個別の管理ソフトをベースに行っていた設備の保全業務を効率化すべくシステム化に踏み出しました。この取り組みを支えるプラットフォームとしてIBM Blueworks LiveとIBM Cloud Pak for Business Automationを導入し、さらに株式会社ウェッブアイの統合プロジェクト管理ソリューションであるPREGARE、工程’s、Planowを連携させることで、予算策定から年間の工程策定、仕様書発行、詳細工程の調整、工事の進捗報告、工事実績の管理に至る保全業務の各プロセスの情報をシステムに集約して一元管理することとしました。さらに経験の有無を問わず誰でも業務を遂行できるよう、標準的なワークフローをシステムに展開することで保全業務の属人化からの脱却を図っています。
大阪ガスとDaigasガスアンドパワーソリューションは都市ガス製造所の保全業務の効率化を進めるべく、2019年度から検討を進めてきました。保全業務では書類や業務用途別の個別の管理ソフトを多数用いており、各資料の間での転記作業が煩雑であり、情報が散在していることによって属人化が進展していました。さらに、保全業務に関わる手続きや届出は非常に煩雑で、経験の浅い担当者では対応が難しく、業務効率が低下していました。また、書類を中心とした決裁では、協力会社も含めて面対での書類のやり取りや打ち合わせが必要であり、決裁手続きの滞留が発生しやすくなっていました。そこで、保全業務の各プロセスの情報をシステムで一元管理し、標準的なワークフローに沿って、経験の有無にかかわらず誰もがより効率的に業務を遂行できるようにしたいと考え、システム化に取り組みました。
IBM Blueworks LiveとIBM Cloud Pak for Business Automationを用いたIBMの提案内容が、大阪ガスが保全業務のシステム化に向けて求めていたコンセプトと一致していたことと、保全業務の標準化、効率化についてIBMから的を射たアドバイスを得たことが決め手となり、大阪ガスはIBMのソリューション提案を受け、検討を開始しました。保全業務のシステム化プロジェクトは2019年度上期にスタートし、IBM Blueworks Liveを用いて、自分たちで業務ワークフローを描写し、そのワークフローをIBMのコンサルタントと共有して業務改善に向けた方向性を詳細にすり合わせ、お互いに齟齬がない状態で迅速にプロジェクトを進めました。
2021年3月、保全業務プラットフォームは運用を開始し、設備保全の現場で好評を得ています。まだ動き始めたばかりで定量的な効果を測れる段階には達していませんが、①間接業務の負荷低減で一定程度の業務効率化、②従前は書類や個別の管理ソフトなどでばらばらに管理されていた予算や工程などのデータがシステムに一元化され、関係者全員で活用できるようになることで、設備保全そのものの品質が向上、③標準的なワークフローによって「誰でもできる化」を実現し、保全業務の属人化からの脱却、という3つの効果が期待されています。大阪ガスとDaigasガスアンドパワーソリューションはさらに先を見据えて、システムの機能拡張の検討に入っています。
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