日鉄ソリューションズ株式会社（以下、NSSOL）は、受託開発を行う社内の各部門が利用する開発環境として、アジリティーの高いシステム開発を支援するためにセルフサービス型でコンテナ基盤やIaaS環境を提供する次世代開発プラットフォーム「Tetralink（テトラリンク）」を2020年より運用しています。同プラットフォームの提供にあたり、NSSOLが直面した大きな課題が、多数のコンテナやマイクロサービスなどで構成される複雑なクラウドネイティブ環境の運用監視を、いかに効率的に行うかということでした。これまで利用してきた監視ツールでは大きく機能が不足していると考えた同社は、主要なクラウドネイティブ対応監視ツールを比較検討した末、「IBM Instana Observability」の採用を決定しました。NSSOLは、刻々と変化するクラウドネイティブ環境の構成を自律的に理解し、エージェントを導入するだけでそれぞれの対象に最適な構成や設定を自動的に適用して監視を行うInstanaを活用することで、常時160を超えるプロジェクトで1,500以上のコンテナが稼働するTetralinkの運用監視の効率化を実現。これを通じて培ったノウハウを生かし、今後は同社の顧客にもInstanaの活用を広く提案していく考えです。
NSSOLにおいて、全社のシステム開発技術力の強化をミッションとするアーキテクチャ&テクノロジーセンター（以下、ATEC）は、2020年より新たな開発プラットフォームとして「Tetralink（テトラリンク）」の提供を開始しました。Tetralinkでは、アジャイル開発など、近年需要が高まっているアジリティーの高い開発をより促進していくために、セルフサービス型のプラットフォームとしてRed Hat OpenShiftによるコンテナ基盤やIaaS環境を提供しています。このTetralinkの提供に際して、ATECが直面した課題が「多数のコンテナで構成されるクラウドネイティブな環境であるTetralink全体の稼働監視を、どのように行うか」ということでした。従来のツールとは異なる、クラウドネイティブに適した監視ツールが新たに必要だと考えたATECは、同社のシステム研究開発センターに相談します。
システム研究開発センターでは、「頻繁に構成変更が生じるシステムに対し、できるだけ監視設定の負担を抑えながら迅速に対応できること」「複雑な通信処理を行うサービスに対して、呼び出し経路の追跡が可能なこと」といった観点から、クラウドネイティブ対応監視ツールの選定を実施。主要なツールを入念に比較検討した末に推奨ツールとして選んだのがInstanaです。他のツールと比較してInstanaが優れている点の1つは、クラウドネイティブなシステムの構成を自律的に理解して、適切な監視設定を自動的に適用してくれる点です。取得したデータの分析／可視化機能も優れているほか、マイクロサービス間の通信を捕捉する分散トレーシング機能により、複雑な動作状況を正確に捉えることもできます。ATECはシステム研究開発センターの勧めでInstanaの採用を決めると、同ツールによる監視基盤をオンプレミスに構築し、Tetralinkとともに運用を開始します。
Tetralinkでは現在、同時並行で進められる160件以上の顧客向け開発プロジェクトで使われている1,500以上のコンテナ、IaaS上で動く50以上の管理用サーバーの全てをInstanaで監視しています。OpenShiftのクラスターを構成するノード群の状態や、各プロジェクトにおけるポッド、サービスなどのリソースの基本情報をはじめとするさまざまな情報をInstanaによって自動的に取得して可視化することで、運用管理の効率化を実現しています。また、Instanaは多数の仮想マシンで構成されるシステムや、従来型のシステムの監視でも有効だと同社関係者は話します。NSSOLは今後、Tetralinkで培ったノウハウを生かし、Instanaの活用を各業界の顧客にも提案していく考えです。
[製品・サービス・技術 情報]
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