マグロのサプライチェーンにおける新たな効率化
Grupo PinsaはIBM Cloud Paksでビジネスの統合と自動化を実現
船上でのマグロ漁獲作業

Grupo Pinsaという名前を聞いてもピンとこないかもしれません。しかし、そのブランドと製品は、メキシコのスーパーマーケットに並ぶイワシの缶詰から、日本の寿司屋にある実物大のマグロ、アメリカの家畜飼育場に並ぶ魚粉まで、世界中で目にすることができます。

40年の歴史を持つこの持株会社は、マグロ、イワシ、魚粉業界のサプライチェーン全体(魚の捕獲、保管、加工、流通、販売など)を網羅する他の複数の会社で構成されています。同社は、13以上の生産ラインを有する生産施設、23隻のマグロ漁船と14隻のイワシ漁船団、さらに2カ所の製造・生産施設を保有しています。

Grupo Pinsaのほとんどの会社は相互依存関係にあり、製品がサプライチェーンを移動する際に、相互に売買することがよくあります。社内だけでなく、パートナーや顧客との間でも、人、システム、アプリケーション間の相互作用は気の遠くなるような量に及ぶことがあります。現在、同社はIBM Cloud Pak® for IntegrationIBM Cloud Pak for Business Automationソリューションを使用して、これらの統合を管理し、全社的なプロセスを標準化および自動化しています。

IBM Cloud Paksへの移行は、同社が最適な成長を目指す上で潜在的なボトルネックに達した2018年に始まりました。当時、アプリケーション間の統合の40%から50%はポイント・ツー・ポイントで行われ、それぞれの接続は個別にコード化され、管理されていました。さらに、社内の部門や会社内の類似した機能間で、業務プロセスの共通基準が欠けていることがよくありました。

広範な統合

 

IBM Cloud Pak for Integrationは、既にグループのアプリケーションの連携の60%を管理しています

照合時間の短縮

 

売掛金の照合時間が32時間から30分に短縮されました

現在、同社の統合の約60%はIBM Cloud Paksを通じて行われています。自動化と統合を切り離すのは困難です。それはすべて、1つの大きな自動化フレームワークの一部だからです。 Orlando Martinez 情報技術担当ディレクター Grupo Pinsa

その結果、情報は組織や機能のサイロに隔離され、グループ間で統合、整理、分析することは不可能ではないにせよ、困難になっていました。この分断により、生産のパフォーマンス、需要と供給のレベル、管理手順などの可視性が欠如していました。

ビジネス・プロセスは多くの場合、手作業で行われ、紙ベースで、多くの人手を要していました。サイクル・タイムは長くなる可能性があり、複数の物理的な署名が必要になることもあります。顧客は待ち時間が長くなることが多く、コンプライアンス上の問題を解決するにはかなりの時間と労力を要する可能性がありました。

Grupo Pinsaは、複数の複雑なシステムがシームレスに相互通信し、ブランドや会社全体のプロセスを標準化および最適化できる、より効率的なITアプリケーション・アーキテクチャーを必要としていました。

統合および自動化されたインフラストラクチャー

Grupo Pinsaは、IBMビジネス・パートナーであるEmergysと協力して、IBM Cloud Pak for IntegrationおよびIBM Cloud Pak for Business Automationテクノロジーを使用した新しいアプリケーション・アーキテクチャーの設計と実装を行いました。これらのテクノロジーは、あらゆるクラウドやIT環境でのRed Hat® OpenShift®のデプロイメントのために最適化されています。

IIBMのソリューションは、継続的な成長に対応する柔軟性、IBM Cloud Pakの機能の相互運用性、マルチクラウド環境での運用能力という点で、競合他社を圧倒していました。また、このソリューションにより、同社はアプリケーション間の統合を自動化するための再利用可能なサービス・セットを開発し、事業全体の冗長なプロセスを排除することができました。

Grupo Pinsaはまず、IBM Cloud Pak for Integrationのアプリケーションの連携機能を導入し、社内外のアプリケーション同士や社内システム、特にオンプレミスとクラウドの両方に格納されているERPシステムとの接続を図りました。その後、IBM Cloud Pakの次のような追加機能を活用しました。

  • Grupo Pinsaの顧客の60%を占めるスーパーマーケットの在庫サービスや注文サービスなど、社内外の利害関係者との共有サービス向けのAPIを公開・管理するためのAPI管理。

  • これらの API トランザクションへのアクセスを保護および制御するためのAPIゲートウェイ管理。

  • システム間で安全にメッセージを送るためのメッセージ・キューイング。例えば、漁船の貯蔵タンクのセンサーから陸上のERPシステムにデータを送信し、魚が常に安全な温度に保たれていることを監視および確認します。

プロセス自動化のビジョンを実現するため、同社はIBM Cloud Pak for Business Automationのプロセス・マッピング機能を導入してビジネス・プロセスをモデル化し、ワークフロー機能を導入してプロセスと情報の流れを最適化しました。ロボティクスを使用してプロセスの手作業の部分を自動化することの価値はすぐに明らかになりました。例えば、クラウドから買掛金情報を抽出して顧客勘定を照合したり、APIやWebサービスが利用できない場合にレガシー・システムからERPシステムにトランザクションを登録したりするといったプロセスには、自動化を利用します。この目的を達成するために、同社はロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)機能を活用しました。

新しいテクノロジーを採用するために時間と労力を費やすよう従業員を説得することは、当初は困難でした。しかし、Grupo Pinsaの情報技術担当ディレクターであるOrlando Martinez氏は、効率向上の長期的なメリットに注目していました。

プロセスの自動化に関しては、改善の余地があることは明らかでした。「プロセス設計の約80%は、さまざまな部門や会社に共通するものです」と彼は言います。「私たちはまず、ある企業でその企業特有のビジネス・ルールに基づいてパイロット・プロジェクトを実施しました。そして、その基本的なプロセス設計を他の企業にも適用し、柔軟なビジネス・ルールを使用して各企業固有の特性に対応しました。」

Emergysは、Grupo Pinsaチームと緊密に連携し、その過程で同社のITスタッフをトレーニングしました。最初の導入から4カ月で、Grupo Pinsaは完全に独立して独自の統合と自動化を行えるようになりました。

ビジネス・プロセスを改善するために、機械学習やAIを分析に応用する必要性を感じ始めています。それは、規範的な分析を超え、AIを活用した分析モデルへとさらに移行するためです。 Orlando Martinez 情報技術担当ディレクター Grupo Pinsa
会社間の統合と自動化

現在までに、Grupo Pinsaは統合と自動化の取り組みを見事に進め、その結果、顧客の要求に対する応答時間の短縮、コストの削減、IT効率の向上を実現しました。売掛金の分野だけでも、自動化と最適化の取り組みにより、売掛金の適時回収が30%増加し、勘定科目の照合時間が32時間から30分に短縮されました。また、プロセスのスケジュールに基づいて、監視頻度を毎週から毎日に増やし、エラーとその修正に要する時間を40%削減しました。

Martinez氏はこう言います。「同社の統合の約60%はIBM Cloud Paksを通じて行われています。IBM Cloud Pak for Integrationを使用してアプリケーションを別のアプリケーションと統合するか、あるいはIBM Cloud Pak for Business Automationによって管理されるエンドツーエンドのプロセスの一部として統合するかは関係ありません。自動化と統合を切り離すのは困難です。それはすべて、1つの大きな自動化フレームワークの一部だからです。」

同時に、Martinez氏は、まだやるべきことがたくさんあると考えています。サプライチェーン全体において、プロセスが自動化されていない領域が残っています。チームはこれらの分野の一部を網羅する自動化のパイプラインを開発しました。そして、マグロ1ロットの捕獲から加工、販売までの全過程を見通せるようにすることを最終的な目標にしています。

将来的には、ビジネス・パフォーマンスの可視性を向上させ、ビジネス・インテリジェンス・ダッシュボードを使用できるようにするために、ブロックチェーンを使用することを視野に入れています。また、Martinez氏は、AIを取り入れる可能性も検討しています。「ビジネス・プロセスを改善するために、機械学習やAIを分析に応用する必要性を感じ始めています。それは、規範的な分析を超え、AIを活用した分析モデルへとさらに移行するためです」と結んでいます。

Grupo Pinsaロゴ
Grupo Pinsaについて

1980年に設立されたGrupo Pinsa(ibm.com外部へのリンク)は、ラテンアメリカを代表するマグロとイワシの生産会社であり、漁獲から生産、商品化までのサプライチェーンを垂直統合した事業を展開しています。メキシコのシナロア州マサトランに本社を置き、13の生産ラインを持つ加工工場と、23隻のマグロ漁船と13隻のイワシ漁船を保有しています。従業員数は約6,000人で、世界中の企業と顧客にサービスを提供しています。

Emergys Mexicoについて

1980年に設立されたEmergys Mexico(ibm.com外部へのリンク)は、IBMビジネス・パートナーであるEmergys LLCの子会社で、18 年以上前に設立されました。メキシコのハリスコ州グアダラハラに本社を置き、堅牢なビジネス・プロセス・オートメーションやアプリケーションの連携ソリューションなど、大手テクノロジー・プロバイターのソリューションの数々に対してITテクノロジーとコンサルティング・サービスを提供しています。

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© Copyright IBM Corporation 2021. IBM Corporation、IBM Cloud、New Orchard Road、Armonk、NY 10504

2021年11月、米国で作成

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