提案依頼書に回答したすべてのベンダーと面談した後、Ebank社は、カイロに本社を置く国際的なITソリューション会社でコンサルティング会社でもあるIBMビジネス・パートナー、Sumerge社と連携することを選びました。
「提案依頼書の段階で、Ebank社が競合他社と異なる事業を行っていることは明らかでした」と、Sumerge社Chief Technology Officer(CTO、最高技術責任者) であるMohamed Nour氏は述べています。「彼らは本当にデジタル・トランスフォーメーションへの飛躍を目指していました。そのビジョンが理解できたので、デジタル・チャネルやその他の取り組みにおけるイノベーションを可能にするBanking-as-a-Serviceプラットフォームを構築する方法を示しました」
Sumerge社は、Tawfik氏と彼のチームと連携し、IBM Cloud Pak for IntegrationとRed Hat® OpenShift® コンテナ・プラットフォームを使用して、EBank社のコーポレート業務およびリテール業務とパートナーをコア・バンキングやその他の銀行システムに接続する、コンテナ化されたAPI連携レイヤーを構築しました。また、チームはIBMソリューションを使用して、連携レイヤー上に完全な自動資金決済センター(ACH)送金フローを構築しました。「統合要件を統一し、異機種環境のすべてのアプリケーション間の迅速で安全な接続を可能にしました」とWehady氏は述べています。「これにより、同行の戦略に合うスピードで開発、テスト、改良、展開を行う俊敏性が得られます」
連携レイヤー・プロジェクトと並行して、EBank社はSumerge社と協力し、IBM Cloud Pak for Business Automationのコンテンツ管理コンポーネントを実装しました。このようなソリューションを用いて、Ebank社は中央リポジトリ内の記録とデータの管理など、顧客の口座開設を自動化しています。
統合ソリューションと自動化ソリューションを組み合わせることで、Ebank社の処理速度は大幅に向上します。「このパフォーマンスは驚異的です」とShoukry氏は述べています。「当行は取引時間を大幅に短縮し、毎日の何千件もの取引を手作業で対応する必要がなくなりました」
EBank社とSumerge社の各チーム、そしてIBMのカスタマー・サクセス・チームも、アジャイルな方法で協力し、業務の自動化ソリューションと統合ソリューションを、銀行のデジタル・チャネル・アプリケーションと同じOpenShiftクラスター上に実装しました。Tawfik氏は説明します。「各プロジェクトは他のプロジェクトに依存していたため、アーキテクチャ全体の小さなパッチを並行して作成し、分析、開発、デプロイメント、テストを実行しました。このようにして、デジタル・チャネルを支援するサードパーティの開発者に、仕様を継続的に伝達することができました」
EBank社のIBMカスタマー・サクセス・マネージャー・アーキテクトであるAhmed Azraq 氏も、このプロジェクトのユニークで高度な連携性について次のようにコメントしています。「EBank社は、本番環境の単一Red Hat OpenShiftクラスターで複数のIBM Cloud Paksを実行しているエジプト初の企業です。導入全体を通して、私たちはIBM、Red Hat社、Sumerge社、EBank社全体で強力なチーム・スピリットを保つことができました。時には、Ebank社の目標をタイムリーにサポートできるよう緊密に連携し、4社で会議を開き協議しました」
そして、実装がまだ進行中であるにもかかわらず、プロジェクトは重要な実証試験を受けました。The Central Bank of Egypt社(CBE)は、資金がある銀行から別の銀行に即座に移動できるように、国内銀行間のすべての送金は自動ストレート・スルー処理(STP)によって実行されなければならないという命令を出しました。Tawfik氏は、これは挑戦でしたがチームは十分に準備ができていました、と語りました。「この命令は、当行の連携レイヤーの柔軟性を示すとても良い機会となりました。私たちはSTPロジックと、コア・バンキング、チャネル、RPAプロセス、国内スイッチとの間のシームレスなトランザクション・フローを構築し、その他の選択肢よりも1年以上早くプロジェクトを完了できたのです」