清潔で新鮮な水の提供は、どんな規模のコミュニティであっても複雑な事業です。公共水道事業者は、水源から蛇口まで、貯水池、パイプライン、処理施設、配水拠点を含むすべてを維持する必要があります。
しかし、Decision Makers, Ltd. の最高経営責任者であるEyal Brill博士は次のように説明しています。「世界中の水道事業体のほとんどは、ITインフラストラクチャを持たない小規模な組織です。ITの専門家などいません。ITシステムに多額の投資をする余裕はないのです」
それでも、ITは水道事業の円滑な運営に役立つ大きな可能性を秘めています。だからこそBrill博士は、現代テクノロジーの利点を生活の基盤となる業界にもたらすことを目的として、家族経営の企業、Decision Makersを立ち上げたのです。
同社のサービスを利用することで、水道事業者は、設備の故障や事故、さらには悪意のある行為などによって引き起こされる異常な水質を検出できるようになります。Decision Makersは教師なし学習と呼ばれる機械学習テクノロジーを使用しています。これは、問題が制御不能になるずっと前に異常な状況の兆候が表れるという考えに基づいています。Decision Makersは、クレジットカード会社がアカウントの不正行為を監視するのとほぼ同じ方法で、水道事業のデータを分析し、異常が発生した場合に危険信号を出します。
データ頻度
5分ごとにデータ収集
262個のセンサー
平均的な給水システムは262個のセンサーを搭載
必要なデータは既存のネットワーク全体のポイントですでに収集されているため、次のステップは簡単です。Brill博士は次のように説明します。「私たちがお客様に伝えているのは、サーバーへの投資もIT専門家も必要ないということです。これが私たちの役割です。私たちは専門家です。インフラを提供します。顧客はデータをクラウドに送信するだけでいいのです」
しかし、どのクラウドを使うのでしょう？結局のところ、水質と利用可能性に関する情報は人々の健康的な生活の基盤となります。こうした情報は安全に保管され、年中無休で利用可能であるべきで、世界クラスのカスタマー・サービスのサポートが必要です。
競合するクラウド・プロバイダーとの短いトライアルの後、同社は、サービスを提供する唯一のインフラストラクチャーとしてIBM® Cloud Virtual Serversを選択しました。同社がIBMを選択した主な理由の1つはセキュリティです。「私たちの最大規模の顧客の懸念は、データの安全性でした。そこで、この顧客をIBM Cloudチームにつなげました。顧客の疑問はほどなく解消され、今ではIBM Cloud上でのデータの安全性に自信を持っています」
同社と同社の顧客が学んだように、IBM Cloud Virtual Serversには、24時間年中無休のオンサイト・セキュリティー、近接および生体認証によるアクセス制御、デジタル・セキュリティー・ビデオ監視など、幅広いセキュリティー対策が組み込まれています。
IBM Cloudは、IBM Watson Studioと IBM Watson Machine Learningテクノロジーもサポートしており、Decision Makersは将来的にこの2つを使用してアルゴリズムをさらに洗練させる予定です。IBM Watson Studioを使用すると、ワンクリックでビジュアルモデルを準備、管理、監視できるようになります。
すでに、IBM Watson Machine Learning テクノロジーにより、Decision Makersの顧客は、アラームが発生するたびにフィードバックを提供することでソリューションに「教える」ことが可能になっています。時間の経過とともに、システムはどの異常が予想され、どの異常が懸念要因となるかを学習します。
Decision Makersは着実な成長を遂げ、世界中に顧客を抱えています。「家族経営と呼べることを誇りに思います」一家の子息であるAdi氏とBarak氏そして義理の息子は、会社のニーズに合わせて大学院での教育を受けるチームの大切なメンバーです。
その家族としての感覚は、Decision MakerとイスラエルのIBMチームとの関係に反映されています。Brill博士にとって、IBMから受けられるサービスは重要な差別化要因です。「IBMのサポート体制は万全です。IBMサポートに質問を送信するのに時間帯は関係ありません。 30分以内に反応が返ってきます」とBrill博士。「特にWatsonのような高度なテクノロジーを扱う場合には、非常にありがたい要素です」
今後、Decision Makersはイベントの自動分類にIBM Watsonテクノロジーを使用する予定です。イベントの分類により、どの課題に対して最も注意を払う必要があるかについての高度な見解を獲得することができるので、水道事業の経営者にとって非常に有益なのです。
現在のところ、Adi Brill氏と夫、そして弟で会社を切り盛りし続けるそうです。「家族と一緒に働くには、多くの忍耐と敬意が必要です」とBrill氏。「しかし幸いにも、両親は私たちを大人として、また耳を傾ける価値のある意見を持つ重要な存在として理解しているようです。これはとても大切なことだと思います」
2008年に設立され、イスラエルのShoamに本社を置くDecision Makers社（リンクはibm.comの外にあります）は、世界中の水道事業体がインフラに追加投資することなく、異常な水質イベントを検出できるよう支援する企業です。Decision Makersはソリューションをサービスとして提供するため、価格を低く抑えることができ、あらゆる規模の水道事業者がこのテクノロジーの恩恵を受けることができます。
法務
© Copyright IBM Corporation 2020. IBM Corporation、IBM Cloud、New Orchard Road、Armonk、NY 10504
米国で制作、2020年12月
IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud、および IBM Watsonは世界の多くの国で登録された International Business Machines Corporation の商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web上の「著作権および商標情報」（ibm.com/legal/copyright-trademark）でご確認いただけます。
本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。
適切なセキュリティ実践に関する声明：ITシステムのセキュリティには、企業内外からの不適切なアクセスの防止、検出、対応を通じてシステムと情報を保護することが含まれます。不適切なアクセスは、情報の改ざんや、破壊、悪用、誤用、または他者への攻撃への使用を含む、システムの損傷または誤用につながるおそれがあります。ITシステムや製品は完全に安全であると捉えるべきではなく、不適切な使用やアクセスを防止する上で絶対に効果のある、製品や、サービス、セキュリティー対策は1つもありません。IBMのシステム、製品およびサービスは、合法的で包括的なセキュリティー・アプローチの一部として設計されているため、必然的に運用手順が追加されることになります。また、最も効果を発揮するために他のシステム、製品、またはサービスが必要となる場合があります。IBMでは、いずれの当事者による不正行為または違法行為により、いかなるシステム、製品もしくはサービス、またはお客様の企業に対して影響が及ぶことはないことを保証するものではありません。