Baidu社は超スケーラブルなデータ・プラットフォームで技術革新を可能に
こちらの多国籍型ハイテクAI企業は、ディスクをハイパフォーマンスのテープに置き換え、大量のコールド・データを保管し、コストを80%削減し、AI、自動運転車などの急速な成長を可能にしています。
こちらの多国籍型ハイテクAI企業は、ディスクをハイパフォーマンスのテープに置き換え、大量のコールド・データを保管し、コストを80%削減し、AI、自動運転車などの急速な成長を可能にしています。
Baidu社が革新的なAIサービスを次々に開始するにつれて、同社で扱うデータ量は急増し続けています。コストを削減し、効率を高め、データ・コンプライアンス要件を満たすために、同社はIBMと契約を結び、コールド・データを保管する既存のディスク・ストレージを、IBM® TS4500 Tape LibrariesとIBM Storage Scaleソフトウェアをベースとする新たなソリューションに置き換えました。
自動運転車からAI、モノのインターネット(IoT)に至るまで、Baidu社はデジタル・イノベーションの最先端を突き進んでいます。同社の戦略には、中国最大のインターネット検索エンジンを提供することに加えて、自動運転、Baidu AI Cloud、Baidu Netdisk、さらにビデオ・ストリーミング・プラットフォームが含まれます。
Baidu AI Cloudのクラウド・ストレージ部門のシニア・マネージャーであるMiao Yu氏は、こう説明しています。「より多くの業界がデジタル機能をアップグレードする中、当社の目標は、輸送、金融、政府などの各種の業界のお客様にクラウド製品を提供することにあります。数多くの企業がコスト効率を最大限に高めて新しい価値を生み出せるよう、当社はBaidu AI Cloudのクラウド機能とインテリジェンス機能を皆様にご提供しています」
Baidu社のプラットフォーム全体で、データの量、速度、種類が急速に増加しています。同社の「Baidu AI Cloud」などのAI製品の人気が急上昇したことで、ストレージ要件が大幅に増加しました。同時に、Baidu社のスマート・シティー、スマート・ホーム、車両自動化ソリューションの利用が急増しており、リアルタイムのデータ・アクセスと長期的なデータ保持の必要性がさらに高まっています。
「当社で扱うデータ量は、増加の一途を辿っています」とMiao Yu氏は続けます。「最新の自律型車両には、以前の車両よりもはるかに多くのセンサーが装備されており、車両ごとに生成されるデータ量は1日あたり10 TBにもなります。同様に、スマート・ホーム・カテゴリーの急速な成長と、中国でのライブ・ストリーミングの普及により、膨大な量のデータがもたらされ、ストレージに様々な課題が生じています。2019年以降、当社のデータ量は3倍以上になり、現在では約100エクサバイト [EB] のデータを保管しています」
これまで、Baidu社は長期データをディスク・ストレージだけで保持していました。しかしディスク・ストレージの容量はドライブあたり最大20 TBにすぎません、そのためストレージ密度を高めるにも限界があり、貴重なフロアスペースが消費されるためにデータ保管コストが増加しました。こうしたアプローチが最適ではないことを認識したBaidu社は、継続的なデータの増加に対応できる、よりレジリエントで効率的で、拡張が容易なコールド・データ・ストレージ・プラットフォームを模索し始めました。
> 90%
コールド・データ・ストレージ用のディスクをテープに置き換えた結果
> 80%
以前のディスク・ストレージ・プラットフォームとの比較
IBM TS4500 Tape Librariesに、IBM Storage ScaleとIBM Storage Defenderを組み合わせることで、Baidu AI Cloudはコスト削減を実現しただけでなく、爆発的なデータの増加に対応するよう急速に容量を拡張できました。
Miao Yu氏
クラウド・ストレージ部門シニア・マネージャー、Baidu AI Cloud
無制限のデータ・スケーリングを期待するお客様のニーズを満たすために、Baidu AI Cloud社はIBMのエキスパートと協力して、将来に備えたコールド・データ・ストレージ・アーキテクチャーの計画、設計、導入、構成に取り組みました。このアーキテクチャーは、IBM TS4500 Tape LibrariesとIBM Storage Scale、およびIBM Storage Defenderのソリューションで構成されています。
「ストレージ・システムに求められる条件は、データを使用するシナリオによって千変万化します」とMiao Yu氏は説明します。「例えば、ハイパフォーマンスのコンピューティングのワークロードには、高スループットと低レイテンシーの読み取り/書き込みアクセスが必須です。また、監視システムによって生成されたログ・ファイルを保存するようなケースでは、保存から数年経過後もデータを迅速に取得できる必要があります。当社はコスト効率が高く、IOPSが高く、24時間365日の可用性を備えたコールド・ストレージ・ソリューションを探していましたが、IBMがそうしたソリューションを実現してくれました」
このIBMのソリューションは、Baidu AI Cloudの既存の分散ストレージ・アーキテクチャーと統合されます。コールド・データ ストレージ用のIBM TS4500 Tape Librariesは、ホット・データ用の既存のソリッド・ステート・ドライブとウォーム・ストレージ用のハードディスク・ドライブと共に使用されます。データは階層型ストレージ・システム間をシームレスに移動し、ハイパフォーマンスのアクセスを可能にします。さらに、テープはディスクよりもはるかに低コストで30年以上保持できます。
IBMのコールド・データ・ストレージ・ソリューションは、99.9999999999%の信頼性を提供し、運用コストを80%削減しました。これは、予想をはるかに上回る改善です。
Miao Yu氏
クラウド・ストレージ部門シニア・マネージャー、Baidu AI Cloud
「当社はIBMのソリューションに感銘を受けました」とMiao Yu氏は言います。「IBM Storage Scaleのおかげで、社内環境全体でデータを自由に流すことができるようになったと同時に、ストレージ・アーキテクチャーが簡素化されたことで管理と保守が容易になりました」
同社はBaidu AI Cloudの拡張性が長期間保証されるよう求めていましたが、IBMのエキスパートはこの新たなプラットフォームがこうした要件を満たすために、自動化された各種のデプロイメント・ワークフローを作成しました。このワークフローにより、20個のコールド・ストレージ・ノードを1回のバッチでプロビジョニングできるため、導入と拡張の両方が大幅に高速化されました。
またIBMは、Baidu社がIBMテープ・ストレージ・ソリューションのデータを自社のプラットフォームによりよく適応させて統合できるよう支援しました。これにより、Baidu社は問題を迅速に特定して解決し、ソリューションをオンライン化できるようになりました。現在までに、Baidu社は14個のIBM TS4500 Tape Librariesを陽泉データセンターに展開し、2EBを超えるコールド・データを保存しています。
Miao Yu氏はこう説明します。「IBMは当社の期待以上に主要な選択基準をすべて満たしてくれました。概念実証の成功により、IBM Storageのソリューションを備えたIBM TS4500 Tape Librariesが完璧であることを確認できましたので、これでディスク・ストレージに関して当社が直面していたコストとスペースの問題を解決できると確信しました。当社はIBMとの長年のパートナー関係において数々のプロジェクトで成功を収めてきており、IBMには大規模なストレージ・ソリューションの導入という課題に対処できるための技術革新とサービスがあると確信していました」
ディスクをテープに置き換えたことで、Baidu社はコールド・ストレージ・リフレッシュの開始時に設定した成功基準を満たしただけでなく、それを上回る成果をあげています。
「当初は99.999999999%の信頼性と、以前のディスク・ストレージ・ソリューションの少なくとも50%の運用コスト削減を目標にしていましたが、IBMのストレージ・ソリューションはその両方の目標を上回りました」とMiao Yu氏は言います。「IBMのコールド・データ・ストレージ・ソリューションは、99.9999999999%の信頼性を提供し、運用コストを80%削減しました。これは、予想をはるかに上回る改善です」
費用対効果が高く信頼性の高いテープ・ストレージに加えて、AIとビッグデータのワークロードをサポートするハイパフォーマンスのデータ・プラットフォームにより、Baidu AI Cloudは急速なデータの増加に対応し、革新的な製品とサービスを展開しています。
「Baidu AI Cloudだけでなく、検索、自動運転、その他のサービスに関連した膨大なデータを、最長3年以上保管する必要があり、必要なときにいつでも分析やコンプライアンスに使用できるようにしておかなければなりません」とMiao Yu氏は言います。
「現在、こうしたデータやその他の重要なデータは、当社のコールド・ストレージ・プラットフォームに安全かつ費用対効果の高い方法で保存され、必要に応じて迅速に取得できます。テープは同等のディスク・ストレージと比較して消費電力が90%以上少ないため、効率的なソリューションです。そのため、環境フットプリントを大幅に削減し、コストを削減できます」
Miao Yu氏はこう締めくくります。「IBM TS4500 Tape Librariesに、IBM Storage ScaleとIBM Storage Defenderを組み合わせることで、Baidu AI Cloudはコスト削減を実現しただけでなく、爆発的なデータの増加に対応するよう急速に容量を拡張できました。今後当社では、Baidu全体のための統一されたテープ・ストレージ管理プラットフォームを作成することを計画しており、IBMと協力して組織全体でテープ・ストレージの可能性を最大限に引き出せるようになることを楽しみにしています」
IBMのハイパースケール・ソリューション・セールス担当シニア・アカウント・マネージャーのJunhua Jiangは、次のように述べています。「Baidu社と協力して、クラウド・ストレージ・アーキテクチャーを強化し、Baiduグループと業界のお客様向けの主要なグローバル・データ・サービスを構築できることを楽しみにしています」
Baidu社とBaidu AI Cloudについて
2000年に設立された、Baidu, Inc.(ibm.com外部へのリンク)は、中国の北京に本社を置く、大手のAI企業です。Baidu AI Cloudは、Baidu社のスマート時代のインフラストラクチャーです。Baidu AI Cloudは、AIテクノロジー機能の完全なスタックを備え、その高度なテクノロジーと包括的なソリューションにより、さまざまな業界の何千ものお客様を力づけています。
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2023年3月
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実際に使用可能なストレージ容量は、データが展開されているか圧縮されているかにより変動するため、記載された値よりも小さくなる場合があります。