startrsrc コマンド
目的
定義済みのリソースを開始します (すなわち、定義済みのリソースをオンラインにします)。
構文
コマンド・ラインに入力したデータを使用して 1 つ以上のリソースを開始するには、次のように入力します。
startrsrc -s "selection_string" [ -N { node_file | "-" } ] [-n node_name] [-h] [-TV] resource_class [arg=value...]
startrsrc -r [-n node_name] [-h] [-TV] resource_handle [arg=value...]
入力ファイルに事前に定義されているコマンド引数を使用して 1 つ以上のリソースを開始するには、次のように入力します。
startrsrc -f resource_data_input_file -s "selection_string" [ -N { node_file | "-" } ] [-n node_name] [-h] [-TV] resource_class
startrsrc -f resource_data_input_file -r [-n node_name] [-h] [-TV] resource_handle
コマンド引数の名前とデータ・タイプをリストするには、次のように入力します。
startrsrc -l [-h] resource_class
説明
startrsrc コマンドは、RMC (リソース・モニターおよび制御) サブシステムに要求を出して、1 つ以上のリソースをオンラインにします。要求は、該当のリソース・マネージャーによって実行されます。
1 つ以上のリソースを開始するには、-s フラグを使用して、指定された選択文字列に一致するすべてのリソースをオンラインにします。
selection_string に複数のノード名を指定する代わりに、-N node_file フラグを使用して、 ノード名がファイルにあることを表すことができます。標準入力からノード名を読み取るには、-N "-" を使用します。
1 つの特定のリソースを開始するには、-r フラグを使用して、その特定のリソースを表すリソース・ハンドルを指定します。
指定されたリソース・クラスが追加のコマンド引数をすべて受け入れるかどうかを判別するには、-l フラグを使用します。
システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、 CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。
lsrsrc -s 'Name == "/filesys1"' -t IBM.FileSystem Name OpState
パラメーター
- resource_class
- オンラインにしたいリソースがあるリソース・クラスの名前を指定します。
- resource_handle
- オンラインにしたいリソースに対応するリソース・ハンドルを指定します。有効なリソース・ハンドルのリストを取得するには、lsrsrc コマンドを使用します。
リソース・ハンドルは、二重引用符で囲む必要があります。例えば次のとおりです。
"0x4017 0x0001 0x00000000 0x0069684c 0x0d4715b0 0xe9635f69"
- arg=value...
- コマンド引数の名前と値の 1 つ以上のペアを指定します。
- arg
- 引数の名前を指定します。
- value
- この引数の値を指定します。この値のデータ型は、引数のデータ型の定義と一致しなければなりません。
特定のリソース・クラスのコマンド引数の名前およびデータ型のリストを取得するには、startrsrc -l を使用します。
フラグ
- -f resource_data_input_file
- リソースの引数情報が含まれているファイルの名前を指定します。ファイルの内容は次のようになります。
PersistentResourceArguments:: argument1 = value1 argument2 = value2
- -l
- コマンド引数とデータ・タイプをリストします。一部のリソース・マネージャーは、オンライン要求に渡される追加の引数を受け入れます。 定義済みのコマンド引数およびコマンド引数値のデータ・タイプをリストするには、このフラグを指定してください。
- -n node_name
- リソースがオンラインにされるノードの名前を指定します。node_name は NodeNameList の属性値です。このフラグを使用して、別のノード上の浮動リソースをオンラインにします (リソースがオンラインであったノードがダウンしている可能性がある場合)。
リソースが既知のリソースであるノード上でそのリソースをオンラインにしたい場合は、このフラグを指定しないでください。
- -N { node_file | "-" }
- ファイルまたは標準入力からノード名を読み取ることを指定します。
ノード名がファイルにあることを示すには、-N node_file を使用します。
- node_file ファイルでは、1 行につき 1 つのノード名を指定します。
- 1 桁目に番号記号 (#) を付けると、その行がコメントであることを示すことができます。
- ノード名の左のブランク文字はすべて無視されます。
- ノード名の右のブランク文字はすべて無視されます。
CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数は、クラスターのスコープを決定します。 CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合は、まず管理ドメイン・スコープが選択され (管理ドメインが存在する場合)、 次にピア・ドメイン・スコープが選択され (ピア・ドメインが存在する場合)、その後でローカル・スコープが選択されます。 このような選択は、コマンドに対してスコープが有効になるまで行われます。 最初に見つかった有効なスコープに対して、このコマンドが 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインの両方が存在し、かつ CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合、 このコマンドは管理ドメインに適用されます。 このコマンドをピア・ドメインに適用したい場合は、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定してください。
- -s "selection_string"
- 選択文字列を指定します。すべての選択文字列は二重引用符または単一引用符のいずれかで囲む必要があります。 選択文字列に二重引用符が含まれている場合、選択文字列全体を単一引用符で囲みます。
例えば、次のようにします。
選択文字列にリストできるのは、永続属性だけです。-s 'Name == "testing"' -s 'Name ?= "test"'
- -h
- コマンドの使用状況ステートメントを標準出力に書き出します。
- -T
- コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き出します。ユーザーのソフトウェア・サービス組織専用です。
- -V
- コマンドの詳細メッセージ (使用可能なメッセージがある場合) を標準出力に書き込みます。
環境変数
- CT_CONTACT
- CT_CONTACT 環境変数にホスト名または IP アドレスが設定されていると、 このコマンドは指定されたホスト上の Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンと連絡を取ります。 環境変数が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システム の RMC デーモンと連絡を取ります。 このコマンドによって表示または変更されるリソース・クラスまたはリソースは、 接続が確立されているシステム上にあります。
- CT_IP_AUTHENT
- CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在するときは、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定された ip アドレスによって指定されるシステム上の RMC デーモンに連絡します。 CT_CONTACT が ip アドレスに設定された場合に意味を持つのは CT_IP_AUTHENT のみです。これはドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスに依存しません。
- CT_MANAGEMENT_SCOPE
- リソースおよびリソース・クラスをモニターし、制御するために、
RMC デーモンによるセッションに使用される管理有効範囲を決定します。
管理有効範囲は、リソースおよびリソース・クラスをモニターおよび制御できる
可能なターゲット・ノードのセットを決定します。
有効な値は以下のとおりです。
- 0
- local 有効範囲を指定します。
- 1
- local 有効範囲を指定します。
- 2
- peer domain 有効範囲を指定します。
- 3
- management domain 有効範囲を指定します。
この環境変数が設定されていない 場合は、 Local 有効範囲が使用されます。
標準出力
-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用状況ステートメントが標準出力に書き込まれます。 -V フラグが指定されている場合は、このコマンドの詳細メッセージ (使用可能なメッセージがある場合) が標準出力に書き込まれます。
標準エラー
トレース・メッセージは、すべて標準エラーに書き出されます。
終了状況
- 0
- コマンドは正常に実行されました。
- 1
- RMC 内でエラーが発生しました。
- 2
- コマンド・ライン・インターフェース (CLI) スクリプトでエラーが発生しました。
- 3
- コマンド・ラインに間違ったフラグが指定されました。
- 4
- コマンド・ラインに間違ったパラメーターが指定されました。
- 5
- コマンド・ラインの入力に誤りがあるため、RMC でエラーが発生しました。
- 6
- 指定された選択文字列に一致するリソースが見つかりませんでした。
セキュリティー
startrsrc を実行するには、startrsrc に指定されている resource_class の書き込み許可が必要です。 権限は、接続先システムのアクセス制御リスト (ACL) ファイル内に指定します。 ACL ファイルとその変更方法については、「Administering RSCT」ガイドを参照してください。
実行の特性
このコマンドは、AIX® オペレーティング・システムの場合は rsct.core.rmc ファイルセットの一部であり、Linux、Solaris、および Windows オペレーティング・システムの場合は rsct.core-3.1.0.0-0.platform.rpm パッケージの一部です。ここで、platform は i386、ppc、ppc64、s390、または x86_64 です。
位置
- /opt/rsct/bin/startrsrc
例
- nodeA はオンライン、ent0 (nodeA 上) はオフラインであると仮定します。nodeA で ent0 をオンラインにするには、nodeA で次のコマンドを実行します。
startrsrc -s 'Name == "ent0"' IBM.EthernetDevice
- nodeA と nodeB がオンラインで、ent0 (nodeA 上) がオフラインで、さらに現在 nodeB に対してログオンしていると仮定します。
nodeA で ent0 をオンラインにするには、nodeB で次のコマンドを実行します。
startrsrc -s 'Name == "ent0'" -n nodeA IBM.EthernetDevice
- ファイルシステム /filesys1 が定義されているが、nodeB にはマウントされていないと仮定します。nodeB で /filesys1 をオンラインにするには、nodeA で次のコマンドを実行します。
startrsrc -s 'Name == "/filesys1"' -n nodeB IBM.FileSystem
- nodeA の ent0 のリソース・ハンドルが以下であると仮定します。
nodeA で ent0 をオンラインにするには、nodeA で次のコマンドを実行します。0x406b 0x0001 0x00000000 0x0069564c 0x0dc1f272 0xb9de145e
startrsrc -r "0x406b 0x0001 0x00000000 0x0069564c 0x0dc1f272 0xb9de145e"