sntp4 コマンド
目的
sntp4 コマンドは Network Time Protocol (NTP) サーバーに照会してサーバー・クロックに対するシステム・クロックのオフセット時間を表示します。
構文
sntp [ -h | -help | -? ] [ -v | -V | -W ] [ -q [-f savefile ] | [{-r | -a} [ -P prompt ] [-l lockfile] ] [-c count ] [-e minerr ] [-E maxerr ] [ -d delay | -x [separation ] [-f savefile] ] [-4 | -6 ] [-u] [address(es) ] ]
説明
sntp4 コマンドは Network Time Protocol (NTP) サーバーへの照会に使用される Simple Network Time Protocol (SNTP) クライアントであり、 サーバー・クロックに対するシステム・クロックのオフセット時間を表示します。 システムに root としてログインして sntp4 コマンドを実行すると、sntp4 コマンドは システムのオフセット時間を修正します。sntp4 コマンドは対話式コマンドとして実行するか、cron ジョブなどの スクリプトから実行することができます。 sntp4 コマンドは RFC-2030 に定義された SNTP プロトコルを実装します。 RFC-2030 は RFC-1305 に定義された NTP プロトコルのサブセットです。 sntp4 コマンドは正常性チェック、アクセス制御、セキュリティー機能、 および緩和アルゴリズムなどの NTP フル実装機能を提供しません。
デフォルトでは、sntp4 コマンドはローカルな日付および時刻を次の形式で標準出力に 表示します。
1996 Oct 15 20:17:25.123 + 4.567 +/- 0.089 secs
ここで、+ 4.567 +/- 0.089 secs
は、サーバー・クロックに対するシステム・クロックの時間オフセットと
エラー・バウンドを示しています。
NTP サーバーのアドレスが sntp4 コマンドに明示的に指定されている場合、sntp4 コマンドは そのサーバーに単一メッセージを送信し、delay 秒までユニキャストのサーバー・メッセージを待ちます。 NTP サーバーのアドレスが sntp4 コマンドに明示的に指定されている場合、sntp4 コマンドは そのサーバーにメッセージを送信せずに、delay 秒までブロードキャストのサーバー・メッセージを待ちます。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-4 | IP バージョン 4 の DNS レゾリューションを強制します。 |
-6 | IP バージョン 6 の DNS レゾリューションを強制します。 |
-a | UNIX adjtime システム・コールを使用してシステム・クロックを正しい時間まで回転させます。 このオプションには root 特権が必要です。 |
-c count | count に必要な NTP パケットの最大数を設定します。このオプションの許容値の範囲は、 ユニキャスト・モードでは 1 から 25 まで、ブロードキャスト・モードでは 5 から 25 までです。デフォルト値は ユニキャスト・モードでもブロードキャスト・モードでも 5 です。 |
-d delay | ブロードキャスト・モードでの 最大待ち時間を delay 秒に設定します。このオプションの許容値の 範囲は 1 から 3600 までです。デフォルト値は、 ユニキャスト・モードでは 15、ブロードキャスト・モードでは 300 です。 |
-e minerr | 最小オフセットを minerr 秒に設定します。 このオプションで設定された値より小さい測定オフセット値は無視されます。 このオプションの許容値の範囲は、 ユニキャスト・モードでは 0.001 から 1 までです。 デフォルト値は、ユニキャスト・モードでは 0.1、ブロードキャスト・モードでは 0.5 です。 |
-E maxerr | 最大オフセットを maxerr 秒に設定します。 このオプションで設定された値より大きい測定オフセット値は無視されます。 このオプションの許容値の 範囲は 1 から 60 までです。デフォルト値は 5 です。 |
-f savefile | -x オプションと一緒に使用されると、以前のパケットのレコードを保管します。 レコードを保管すると、SNTP の再始動が必要になった (例えばネットワークまたはサーバーの障害が原因で) 後の ドリフトの再計算が速くなります。 データを再開するためには、sntp は、停止した後かなり早く (separation の値に 2 か 3 を掛けた時間 以内に)、同じ値の -c オプションと同じ値の separation を指定して、 同じモードで (つまりブロードキャストまたはクライアントで)、 互換性のあるほかの設定の値を指定して、再始動される必要があります。ただしクライアント・モードの場合、NTP サーバーが同じである必要はありません。 ファイルは、標準 C 機能を使用して、デフォルトの所有権とアクセス権で作成されることに 注意してください。デフォルトは インストールによって異なりますが、通常は /etc/sntp.state ファイル内です。 |
-h, -help | 使用方法の情報を表示します。 |
-l lockfile | lockfile の名前を設定して、一度に実行される SNTP のインスタンスが 1 つのみになるようにします。 デフォルト値はインストールによって異なりますが、ここでは /etc/sntp.pid ファイルに指定されています。 |
-P prompt | 最大自動オフセット値を maxerr 秒に設定します。 許容値は 1 から 3600 までの範囲内、または no になります。 デフォルト値は 30 です。sntp4 コマンドが 対話式に実行されているときに、測定オフセット値が 30 より大きい場合は、ユーザーに確認を求めるプロンプトが出されます。 no を指定すると、これは使用不可になりますが、 それでも修正は行われます。 |
-q | sntp4 コマンドが、SNTP が保守するデーモン savefile を 照会しなければならないことを示します。 このオプションは特権を必要としません。このオプションは savefile もシステム・クロックも変更しません。 |
-r | システム・クロックを UNIX settimeofday システム・コールの正しい時間まで進めます。 このオプションには root 特権が必要です。 |
-u | 非特権ポートを使用します。 |
-v | 診断メッセージおよび限られた量のトレースを標準エラーに書き込みます。 -v、-V、および -W の順に詳細のレベルが高くなります。 |
-x separation | プログラムをデーモンとして (つまり永久に) 実行させて、プログラムにクロック・ドリフトの概算と修正を行わせます。 separation は、NTP ホストが指定されていればサーバーへのコール間の 最小時間を分単位で設定し、NTP ホストが指定されていなければブロードキャスト・パケット間の最小時間を設定します。 許容値 は 1 から 1440 (1 日) までで、デフォルト (-x が 指定され、separation が省略されている場合) は 300 です。 |
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
address | NTP サーバーのアドレス。 |
終了状況
項目 | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
セキュリティー
アクセス制御: ユーザーはシステム・グループの メンバーでなくてはなりません。
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin/ntp4/sntp4 | sntp コマンドが入っています。 |
/usr/sbin/sntp --> /usr/sbin/ntp3/sntp | /usr/sbin ディレクトリーから NTP バージョン 3 バイナリーへの デフォルトのシンボリック・リンク。 |
例
システム・クロックの時間オフセットを サーバー (9.41.254.24) クロックと比較して取得するには、次のコマンドを入力します。
sntp 9.41.254.24
次の出力が表示されます。
2009 Feb 25 12:28:38.00620 - 0.00679 +/- 0.31077 secs