snmpdv3 デーモン

目的

Simple Network Management Protocol (SNMP) バージョン 3 エージェントをバックグラウン ド・プロセスとして開始します。

構文

snmpd [ -d level ] [ -i interval ] [ -p port ] [ -S ] [ -c community ]

説明

snmpd コマンドは、シンプル・ネットワーク管理プロトコル (SNMP) デーモンを開始します。このコマンドは root 権限を持つユーザーまたはシステム・グループのメンバーだけが発行できます。

SNMP デーモンは、RFC 1157、RFD 1905、および RFC 2572 に文書化されて いる SNMPv1、SNMPv2c、および SNMPv3 のすべてのプロトコルをサポートするサー バーです。さらに、RFC 1227 に定義されている SMUX サーバー、および RFC 1592 に定義されている Distributed Protocol Interface ( DPI) バージョン 2.0 エージェントとしても動作します。SNMP デーモンは以下の 3 つの機能を提供します。

  • ネットワーク・モニターからの SNMP 要求を受け取り、確認します。
  • 要求を処理し、要求元のモニターへ結果を戻します。
  • 構成ファイルにリストされたすべてのホストにトラップ通知を送ります。

SNMP デーモン・サーバーは、LogFile 変数で指定されたファイルにログ・メッセージを保管するか (-f フラグが使用された場合)、構成ファイルで指定されたログ・ファイルにログ・メッセージを保管します。ログ・ファイルの数の最大値は 4 です。ログ・ファイルのサイズが事前定義された最大ログ・ファイル・サイズを超えた場合、snmpd コマンドは、以下のように古いログ・ファイルを別のファイルへ移動します。

  • LogFile.3 が削除されます。
  • LogFile.2 が LogFile.3 へ移動されます。
  • LogFile.1 が LogFile.2 へ移動されます。
  • LogFile.0 が LogFile.1 へ移動されます。
  • LogFile が LogFile.0 へ移動されます。
  • LogFile へのロギングが続行されます。

以下のコマンドは SNMP デーモンが始動される前に実行しなければなりません。

  • ifconfig lo0 loopback
  • startsrc -s inetd

上記のコマンドは通常、 システムの始動時に /etc/rc.net および /etc/rc.tcpip シェル・スクリプトが呼び出されたときに実行されます (snmpd コマンドは /etc/rc.tcpip シェル・スクリプト内に入れることができます)。

snmpdv3 デーモンは、 システム・リソース・コントローラー (SRC) を使用して制御されなければなりません。 コマンド・ラインから snmpd を実行しないでください。

システム・リソース・コントローラーを使用した snmpd デーモンの操作方法

snmpdv3 デーモンは、システム・リソース・コン トローラー (SRC) により制御されるサブシステムです。 snmpdv3 デーモンは、tcpip システム・グルー プのメンバーです。snmpdv3 デーモンはデフォルトで使用可能とな り、SRC コマンドによって操作できます。

snmpd デーモンを操作するには、以下の SRC コマンドを使用してください。

項目 説明
startsrc サブシステム、サブシステムのグループ、サブサーバーのいずれかを始動します。 startsrc コマンドを発行することに より、snmpdv3 コマンドは coldStart トラッ プを生成します。
stopsrc サブシステム、サブシステムのグループ、またはサブサーバーを終了します。
lssrc サブシステム、サブシステムのグループ、サブサーバーのいずれかの状況を取得します。

フラグ

項目 説明
-d level 開始するトレースのレベルを指定します。有効なレベルの値は 0 から 255 です。 -d パラメーターを指定しないと、デフォルト・レベル の 0 が使用されるので、トレースは実行されません。レベルなしで -d パラメーターを指定すると、31 のレベルが使用されます。これはつまり、SNMP のすべての要求/応答/トラップと DPI アクティビティーがトレースされることを意味します。
トレースには 8 つのレベルがあります。レベルを選択すると、それに対応する数値が 付きます。選択したトレースのレベルに対応した数値の合計値がレベル として指定される値となります。トレース・レベルの数値は以下のとおりです。
0
トレースは行われません。これはデフォルトです。
1
SNMP の応答、要求、およびトラップをトレースします。
2
トレース DPI レベル 1 と DPI レベル 2 をトレースします。
3
レベル 1 とレベル 2 のトレース、および内部トレースを行います。
4
レベル 3 のトレースと拡張トレースを行います。
-i interval SNMP エージェントへの動的な構成変更の内容 を /etc/snmpdv3.conf 構成ファイルに書き込む 時間間隔 (分数) を指定します。有効な値は 0 から 10 です。デフォルト値は 5 です。 このパラメーターは、SNMPv3 の構成に /etc/snmpdv3.conf ファイルが 使用されている場合にのみ関連があります。
-p port このポートで SNMP パケットを listen します。デフォルト・ポートは 161 です。
-S root ユーザー以外のユーザーが MIB 値を変更するのを防止します。
-c community community パラメーターによって指定されるコミュニティー名で要求を受け入れます。

  1. snmpd デーモンを始動するには、次のような コマンドを入力します。
    startsrc -s snmpd

    このコマンドにより、snmpd デーモンがデバッグ・レベル 0 で始動します。

  2. snmpd デーモンを正常に停止するには、次のように入力します。
    stopsrc -s snmpd

    このコマンドはデーモンを停止します。-s フラグは、これに続いて停止するサブシステムを指定します。

  3. snmpd デーモンからステータスを取得するには、以下のように入力します。
    lssrc -s snmpd

    このコマンドは、デーモン名、デーモンのプロセス ID、デーモンの状況 (アクティブまたは非アクティブ) を戻します。

ファイル

項目 説明
/etc/services 必要なサービスのポート割り当てが入っています。 既にエントリーがない場合は、以下のエントリーが /etc/services ファイル内になければなりません。
snmp
161/udp
snmp-trap
162/udp
smux
199/tcp
/etc/snmpdv3.conf snmpdv3 エージェントの構成パラメーターを指定します。
/etc/snmpd.boots snmpdv3 エージェントについて、engineID と engineBoots を指定します。
/etc/mib.defs SNMP エージェントが認識し、処理する管理情報ベース (MIB) 変数を定義します。